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主要な登場人物が、皆、好きじゃなくて、何だか読んでて入り込めなかった。
勿論、桃子は気の毒ではあるのだけど、結局、桃子自身も不倫だったのか、と思ってしまうし。桃子も奈央も流産と言う経験は、経験した女性にしか分からない辛さだと思うけど、それはそれとして、人間としての魅力は無いと感じてしまう。
それにも増して、真守のダメさには、読んでいてもため息が出た。
最後に、浅尾と李、ごく少ない好感が持てる2人によって、桃子のこれからに僅かながら光が差したことに救われた。
ありがとう、って、たった一言の言葉の持つ力。真守や照子に、この一言の大切さが分かっていたなら、、、でも、日頃の生活では、きっと桃子にも足りなかった部分なのかもしれないな。
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切なくて、泣けてくる。
なんでもない動作の中に、彼女の気持ちが表現されていると思う。
彼女のこれからの人生を応援します。
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ちょっと滅入る感じで、途中で止めようかと思ったら、???の展開があって翻弄されたまま一気に読み終わった。しかし爽快感なし。ダメな夫に一矢報いたかった。
もともとは『愛の乱暴』というタイトルだったのが、『愛に乱暴』に改題されての刊行だそうで、愛に、の方が確かにしっくり。ハードカバーの赤い薔薇の装丁の方が好き。
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あの人、ほんとに意気地ないし、ちょっとでも嫌なことがあったら、そこから逃げ出して、別の場所で1から楽しいことだけ始めちゃうんです。でもそこでも嫌なことは起こるでしょ?そしたらまた逃げ出して、そうやって生きていけばいいんですよ。
真守のことを、そう思った桃子だが、自分が浮気相手だった時にはきっと、この人を変えられるのは自分しかいないとか思ってたんだろうな。
身勝手な夫に見えるけれど、結局似た者同士な気がする。
流産は女性にとって、かなり辛く悲しい経験ではあるが、誰かの不幸の上にある幸せには共感出来ない。
愛情じゃなくて、ただの執着。
ラストは吹っ切れた感じで良かった。
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ミスサンシャインという著者の新作へのインタビュー記事の「人はどんどん優しくなってきていると思う。」というコメントを読んで、なんだか好きな予感がして読んでみたらやはりとても面白くハマりました。
男性作家が書く女性像はなんとなく違和感を覚えるものが多いのだけど、この本に出てくる女性達の描写は細部までリアルで鼻白むところがなく、とても女性のことを理解している方なんだろうなあと著者の人としての深さを感じました。
自分の子供を宿したと思われる女性にふらふらと移ろっていく真守もまた「こんな人いそう」とリアルで、本気で始まった愛が乱暴に終わっていく様が悲しい。最後に救いがあったのも、人生悪いことばかりじゃないと思えてよかった。他の作品も読んでみたい!
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桃子は誰かに認めて欲しくて、誰かから必要とされる自分の居場所が欲しかったんだろうなと思いました。吉田修一さん、桃子の精神が狂っていく様をとても自然に描いていた…
あと、旦那の初瀬がかなり腹立つというか、昔付き合ってた人を思い出して気分悪い笑
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リアル。
義父母の住む母屋の離れに夫・真守と暮らす桃子。
真守は不貞を働いており、不倫相手の日記部分を読むことで、読者はその不貞を桃子より先に知ることになります。
また、桃子の日記も途中途中現れるので、桃子の気持ちも読み手は知ることができます。
が、この日記。途中で役割がガラリと変わります。
夫の気持ちが離れていく事に気付く妻の気持ち。妻帯者を愛してしまい、幸福と不信感の間に置かれる愛人の気持ち。子供を授かった女性の気持ち。
よくここまで描写できるものだと思います。
みんなそれぞれ、その瞬間、その瞬間では真面目に、誠意と愛情を持って、
いや、愛情がある時は、真面目に誠意を持って向き合おうとするものです。
愛情がなくなった時も、かつて誠意を持っていたという記憶は残っています。
だから愛情がなくなったり、自分に都合が悪くなったりすると、「自分は悪くない」「自分だけが悪いわけではない」と考え、そのように処理しようと、そう見えるように処理しようとするのでしょう。
そういう、人の浅はかさ(少なくとも、私は浅はかだと思います)を、リアルに描いた作品です。
所々と最後で、ほんの些細な事で、人の心は晴れるものだという点にも触れており、これが救いです。
リアルなので、読後は疲れます。
吉田修一氏は、やっぱりすごいです。
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作者の吉田修一に、騙す気なんてないかもしれないけど騙された(日記の部分)。騙されたことに、読み終わるまでというか読み終わってもなお気づかかなった。登場人物の誰も好きにはなれないけど、日記部分の仕掛けに唸ってます。そこに感心したので★4つにしたけど、内容としては★3つ。
李という青年、神出鬼没のピーちゃん、時枝おばさん、床下の穴、連続放火事件・・・。怪しさ満載で気を持たせすぎ。
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不倫もの。軽くさらっと読んでいたが実は構成がこっていてもっとじっくり読めば良かったと少し後悔。良かった。
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不倫を清算できない真守。一方、身重の不倫相手・三宅奈央との再婚を望み帰宅を拒む真守に桃子は呆れ、遂に奈央に直談判を試みるが、出産の決意は固く、義母までもが桃子の様子が変だと態度を変えてきた。予期せぬ結末へと疾走する愛のドラマ。(e-honより)
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真守の罪、奈央の罪、照子の罪、そして桃子の罪。歪な人間関係や生活環境がそれらを産んだのだろうか? 母屋と離れという、近いのに遠い距離感がそうさせたのだろうか? 鞄が底なしになって、引っ張られないように畳をひっくり返したのはその罪に精神を引き摺り込まれないようにするためだっか? 全ての出来事が写真のフレームのようになって連続してさまざまな想像が掻き立てられた。なんだかんだと8年も結婚生活を続けてきたのだから、ことはそう簡単ではない。ただ急転直下でもなければ不満のちりつもでもなくて、一つの因果関係で物語れないところにこの著作の肝がある気がする。
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倦怠気味の夫婦の日常を描きつつ、並行して不倫相手の日記によって、旦那の不倫が描かれている?
上巻から下巻にかけて一変する展開に驚き!