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超高齢化社会の老後破産の事例を克明にレポした本。解説に実態、背景、対応策の提案があるが、本文の方は事例列挙で、気の毒だとは思うものの、これほど困窮していないことに安堵する自分を感じ、また何もしてあげられそうになく、色々と読後感が悪かった。家族や世帯の機能が低下する社会で、支え合う社会というものが実現するのだろうか?という疑問がわく。社会保障の強化にはお金が必要だが、巨額の財政赤字の中、税や社会保険料の負担が大きくなって文句を言うのは、やはり同じ国民なんだよな~。2020年現在、新型コロナの影響で日本の国は更に大変。老後破産どころか国家が破産してしまうのじゃなかろうかと心配な今日この頃。
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とにかく怖かった。本ばっかり買って読んでないで、ちゃんとお金が貯めて人間関係も大事にしようと思った。でも逃げ場ない。
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健康を害して貧困に堕ちる。使いやすいセーフティネットの構築が必要かな。母親が介護一歩手前ということもあり考えさせられる。
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老後破産
長寿という悪夢
著者 NHKスペシャル取材班
2015年7月10日発行
新潮社
今年は「下流老人」という文字も目についたが、こちらは「老後破産」。2014年9月に放送されたNHKスペシャル「老人漂流社会~“老後破産”の現実~」をベースに、番組で紹介しきれなった高齢者の例を含めてまとめた本。「老後破産」は番組プロデューサーの造語だが、こちらもしばしば見かける言葉になった。
年金収入だけでは生活できず、わずかな蓄えを減らしながら暮らす高齢者。いずれ底つきることは分かっているが、何も出来ない。1日1食しか食べないとか、2束100円のそうめんのようなもので食いつないだりとか、もちろんだが、病気になっても医療費を払うと食費がなくなるので行けない、倒れて入院して回復しても、医療費を払ったので生活費がなくなり不摂生をしてまた病気に、といった負のスパイラル。わずかな年金収入のほとんどが今の住まいの家賃に消えるが、安いところに引っ越したくてもその費用がないので高い家賃を払い続け、食費をけずらざるを得ない、というこちらも負のスパイラル。そうしてやがて破綻し、生活保護を受ける。それが老後破綻。
数年前、ごく普通のサラリーマンやどちらかというと裕福だった男たちがリストラされ、ホームレスに陥った話がはやった時期があった。そんな本には、貧乏で惨めな生活ぶりが紹介され、読者はそれを読んで同情はするが「自分はまだましだ」という慰めにもしてきた。老人モノの“極貧物語”に衆目が移ってきたのかという思いも少し持ちながら読んだが、そういう趣旨の本ではなく、いろいろな問題を提示したなかなかに優れた本であった。
なぜ、貧しい高齢者は生活保護を受けないか?
制度をよく知らない、という点がある。持ち家があるから、わずかだが預金があるから受けられない。年金をもらっているから受けられない。そう思いこんでいる人々は多い。
社会的に生活保護はさけるべき道だという考えを持つ老人。これも多い。
役所がなるべく受けさせないようにする。
年金収入が少なくても、預金があると、それがなくなったらまた相談に来てくださいと言われるらしい。そこで共通に持つのは、底つきた時にもし受けられなければ死ぬしかない、という不安。至極、当然である。いわば生死の境に立たされてからでないと相談に乗ってくれないとは。不安だから預金を減らさないようにする。すると食事は不健康、医者にも行けない、益々負のスパイラルにはまっていく。
ただ、この本を読むと、どうやら一番苦しい線は、年金収入が10万円前後ぐらいのようにも思える。それ以下なら、人が導いてくれたら生活保護を受けるということがありそうだが、10万円前後だとなかなかその気にならない。自分でやりきろうとする。そうすると、病気になっても医療費がもったいないので医者に行かない。結果、大病になる。ところが、全部でなくても少しでも生活保護を受けていれば、医療費は無料になる。
高齢者の極貧問題は、制度上の不備、社会的生活上の問題、個人の考え方など、実にいろいろな要素があって複雑である���では、解決の方法はないのか?そうでもないと思う。例えば、40代、50代の息子がリストラされ職がなく、高齢者の親の年金にパラサイトしているという実態もあり、こちらは将来に向けてさらに深刻だが、お金が一部に集中してしまっている格差社会こそが諸悪の根元であり、「頑張れば報われる社会」にすればいい、などという単純な問題ではないことだけは確かである。
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日本の社会保障制度が機能不全に陥りかけている様子がよく分かった。
分かったけど、今の日本にそれを打開する策が残されているのだろうか。
結局のところ自己責任論に回帰してより一層冷え冷えとした社会になっていってしまうのではないだろうか。
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年金生活をしている人が病院にいくこともやっとやっとの生活であることなど書かれている。生活保護を受けようと思っても自宅があるためにもらえないとか、貯金がある程度あるためもらえないとか、困っていても福祉が届かないことが書かれていた。現代社会の老後の問題が身につまされる。
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2014年nhkスペシャルで放送された”老後破産”を書籍化したもの。
ショッキングは話がこれでもかと出て来る。
・年収120万円以内、家無し、貯金無しで生活保護が受けられるが、貯金が無くなる事の恐怖はこたえられないという。
・皆我慢して、1食100円の食事で凌いでいる。
・病気になってから転落するケースが多い 医者には行けない
・介護サービスも高くて利用できない。
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老後破産に至った方のインタビューを通して、彼らの現状、老後破産に至った要因を取り上げているが、全員共通した要因があり、自分自身の将来を考える上で参考になる。
①厚生年金に未加入:ほとんどの方は自営、もしくは厚生年金加入期間が短く、未加入であり、国民年金のみでやりくりしている。(国民年金も満額で無い事例も)
②生活保護をもらえないと思い込んでいる。もしくは、貯金が多少あるために一度追い返されている。
③完全に孤立している。生活を見守る方がいない。
④支援者がいるが、それによって、かえって公的支援が受けにくく合っているケース
⑤病気になり、働けない
現時点で老後を迎えている世代は比較的年金などに恵まれた世代にもかかわらず、こうした老後破産に至る事例が数多く、今後はさらに老後生きて行くには厳しい状況になることが容易に想像できる。逆に現時点で老後に至っている方の多くは「こんなことになるとは思わなかった。」と語っており、かなり自分で招いた(見通しが甘い)結果であるように見え、あまり共感できなかった。
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老後破産と先日読み終わった8050問題は重なっている。現代の世の中の仕組みのズレが重なって、今後の大きな課題になりそうだ。
自分も核家族、離れて暮らす子供はいるが、自分の老後は自分で始末をつけないといけないとは思っている。
頑張れば自分で始末をつけられる人は良いが、一歩歯車が間違えれば私もどんな老後になるか予想がつかない。そんな時に頼れる国であって欲しい。
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真面目に働いていれば老後も安泰というのは夢物語であることがよくわかる本。
真面目に働くだけではダメで、お金のリテラシーをちゃんと学び、しっかり準備しないといけない。最終的には生活保護という手があるのを知っておいて、どういう状況になれば受給できるのかを把握しておくことが重要と感じた。
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家族形態の変化、働き方の変化、突然の病、年金制度の問題、地方の風習などから老後破産が起きている。
金がなければ生きられない。祖母からの教えを再認識した。明日は我が身…
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老後2000万円問題なんていうけどそれで安心して暮らせる訳ではない。時代の変化によって家族の在り方も変化した。今は高齢者の連帯保証人や身元引き受けや死んだ後の手続きをしてくれるサポート法人なんかがあるよって昔の人にいっても信じられないだろうな。
暮らしの水準が上がって豊かになっても天涯孤独な人は増えてるんじゃないかな。
これがノンフィクションなのが一番怖い。
長寿ってありがたい、おめでたいことのはずなのに。