投稿元:
レビューを見る
有名な感染症について、感染経路や特性、さまざまなエピソードがまとまっていて、まとまった内容を一気につかむことができた。
ウイルスを擬人化する見方で、自身を複製する事を目的として、宿主に攻撃するか、共生するか、決めている、という視点。面白いなぁと思った。
投稿元:
レビューを見る
昨今のコロナ騒動で少しは知識をつけようと手に取った一冊。予想以上に読みやすい良書。
ウイルスの特性や症状・発生源といった専門的な部分と歴史的な背景や社会に与える影響などジャーナリズム的な部分、どちらもうまくまとまっている。そして初めて知る事ばかりで驚かされた。
人類の歴史はそのままウイルスとの闘いの歴史とも言える。人の移動、都市の発展・過密化、環境破壊が直接的・間接的に感染症の発生と拡大を招いている。
これまでどこか他人事だったがしっかりとした危機意識と溢れる情報を見極めることを学ばないと。
投稿元:
レビューを見る
COVID19のパンデミックは起こるべくして起こった感染症であると感じた。ウイルスを初めとした微生物も生き残るために必死で、それは人間と同じなんだと分かった。
COVIDパンデミックが起こる前に書かれた本なのに、今後は中国南部から重症感染症が起こることが予想されていて、以前から危険地帯と考えられていたのが興味深かった。これからも起こるだろう。
投稿元:
レビューを見る
2021/06/04
2021年15冊目。
タイトル通り『感染症の世界史』を学べる一冊。
ウィルスの変異・進化は人類の発展と共に一定理解できるが、アフリカ大陸の貧困国での教育の欠如、不衛生によるウィルスなどは防げるのでは無いかと考えてしまった。
特に中国の食文化に起因するウィルスなどは全く理解できないし、日本におけるワクチン接種への偏見などは、狂気の沙汰としか思えない。2021年という社会でも定性的な理由で接種しない・させない人いるもんね。
50年前の社会モデルから成長してない側面の一つ。
投稿元:
レビューを見る
53冊目(4-13)
2018年1月発刊
いわゆる「専門家」ではない著者がこの時点でこういうことがわかっていたのであれば、どのような対策をしていたのだろう?
投稿元:
レビューを見る
緊急事態宣言下パンデミックものを、それも小説ではなく環境ジャーナリストのルポで。軍拡競争、赤の女王との追いかけっこ…人類と微生物との戦いの歴史を非常に分かり易く紐解いてくれる一冊。実は自分の人生も常にウイルスや細菌の脅威に晒され続けていたことを再認識しゾッとした。
投稿元:
レビューを見る
オビにあるとおり、「新型ウイルスの発生は本書で警告されていた」。
人類とウイルス、細菌、寄生虫など微生物との戦いの歴史(共存の歴史と言えるかもしれない)が分かりやすく述べられている。
感染症と人間の関係は、絶対的ではなく相対的なものだ。そんな印象を強く持った。
とても面白いし、コロナ対策にすぐに役立つ知識も得られるので、ステイホームウィーク中にぜひ。
投稿元:
レビューを見る
過去、一番の死者を出したのは、戦争ではなく感染症だ。
昔から感染症に人間は悩ませられていた。世界史を語るときに感染症は必須だと思う。
今回、新型コロナウィルスの関係で、感染症の恐ろしさを感じているが、昔から感染症の危険は広がっていた。今回のような流行は、また起きるはず。
そして昔から大流行するのは、人口密集地。
これから人間は、ITを活用し、もっと進んだ新しい生活様式を模索する必要がある。
投稿元:
レビューを見る
今流行しているコロナウイルスのことを予測していたのではないかという内容であった(実際に可能性は示唆されていた)。人口問題、家畜問題、環境問題がここまで感染症に影響を及ぼすものであるとは全く考えもしなかった。人類が自らの欲を満たすために行動を続けると、取り返しのつかないことになるのではないかと思う。これは今まさに我々が体験していることであり、今回発生したコロナウイルスの爆発的な感染は必然的なものであったのではないかと思わされる。感染症は必ず発生する、今発生しているコロナウイルスよりも甚大な被害をもたらす感染症が発生することは間違いない、といった考えのもと、我々がなすべきことを熟考し、行動していく必要があると強く思った。
投稿元:
レビューを見る
インフルエンザ、はしか、風疹、結核、HIV,白血病、エボラ出血熱、マラリア、デング熱、ペスト、天然痘などなど。人類の歴史で、繰り返し発生した疫病の歴史に、現在の新型コロナウイルスCovid19のパンデミックを重ね合わせながら読みました。
世界人口の急増、都市化、高齢化、そして環境破壊などの要因が今後の感染爆発の要素となっていく、という巻末の主張には説得力があります。もともとは、ジャングルの奥地や、寒冷地の湖沼に潜んでいたウイルスが、野生動物や渡り鳥から、家畜、人間へと感染していく過程で毒性を強めていくこと、そして人類の移動が拡大していくにつれて風土病が遠隔地で蔓延することなど、正に今回の新型コロナウイルスで目にした事象が繰り返されてきていたことが良く分かりました。現代では、移動手段の高速化にともないパンデミックの広がりも加速していることでしょう。
また、感染症は人の密集状態により伝染拡大していくため、過去の大規模な戦争では戦死者と同等またはそれ以上が感染症により命を落としているといいます。第一次世界大戦は、独仏の塹壕戦の長期化で有名ですが、両軍ともスペイン風邪の大流行による兵力が調達できなかったことが終戦の一因であったようです。
今回のCovid19に対するWHO対応についても物議が醸されていますが、WHOが2009年の新型インフルエンザをパンデミックに指定し非常事態宣言を発出したものの、結局大流行には至らず多くの国が製薬会社から無駄に輸入したワクチンが廃棄されることになってしまったという事実も紹介されています。感染症の毒性や伝染拡大を予測することの難しさを改めて認識することができました。
猫から感染するといわれるトキソプラズマについては、宿主の行動に影響を与えると言われ、猫好きがなぜ猫に取り込まれてしまうのか納得してしまう思いがしました。
投稿元:
レビューを見る
2020年5月
エボラ出血熱、SARS、デング熱…新型コロナ以外にも用心すべき感染症はあったということを思い出した。
終章では世界の抱えているリスクについて言及している。
中国とアフリカは新しい感染症の出現するリスクが高く、しかも中国は春節の大移動が、感染症を広げる下地になっている、と。
中国!春節!新型コロナじゃん!…って思ったけど、考えてみればそれは間違いだ。新型コロナが収束しても、次の感染症が、爆発的に広まる下地がある。
投稿元:
レビューを見る
2020/5/6 読了
感染症の入門書。タイトルの通り、ウイルスがどこで生まれ、どう伝達され、どのように形を変えていったかが説明されている。同じ名前のウイルスでも、いくつかの型があり、同じワクチンは効かない。今回のコロナウイルスもその一つ。
投稿元:
レビューを見る
コロナ禍における、全国民の必読書。
複雑なものを、安易に簡略化させず、複雑なままに私たちにインプットさせると筆者の心意気に感謝。
本書中では、新型コロナウイルス といった、新しい感染症の流行も予期していた。
投稿元:
レビューを見る
(感想:)
コロナ禍のこの時期なので読んでみたけど、面白かった。
ウイルスも菌もふつうにそのあたりにビッシリいるものなので、とにかく消毒・殺菌というものでもなく、高い感染性や毒性や致死率のある病原性のものが現れた場合、どう対処していくか、社会の仕組みに取り込んでいく(ワクチンなども含め)か、ということが要点となる。
人はより大きな集団を作って発展してきた。その集団をばらばらにするようなウイルスではあるけれど、集団の力を発揮する技術は揃っているので、移行や変化に柔軟に対応できるか、それができた集団が生き残ることができる。(コロナ以降も定期的に新型感染症は発生する。)これまでの生き残りの要因には、偶然によるものが多かっただろうが、いまは科学的なプロセスも寄与することもあるだろうか。しかしながら、米国の暴動などみてると、科学や医療やシステムに頼り切りになるのではなく、いつもより少し大きめのものさしで考えてみたり、いまだからこそ倫理を問い直し、温めなおすのもよいかもしれない。技術や道具を用いて物理的な距離をとる社会に移行していくからこそ、スキンシップで感覚的にこなしていたものを、人間の特徴として洗い出し、整理してみてもいいかもしれない。何をどれを次世代に引き継いでいくかを。
(P246)・はしか、水ぼうそう、おたふくかぜ、結核などが流行する先進地域は日本ぐらい
(P317)・日本の結核の死亡率:米国の8.5倍、ドイツやイタリアの4倍。貧困病といわれる結核の罹患率も高い。要因:①高齢化 ②未感染者の増加 ③貧困層の拡大 ④外国人の増加 羅患率は日本人の6倍 エイズとの合併症も増加 20代で新たに発症した結核患者の3人に1人は外国生まれ ⑤多剤耐性の結核菌の拡大
(P325)・コロンブスがじゃがいもを欧州に持ち帰ったが、コレラになるといった迷信に阻まれて食べられることがなかった。プロイセンでのじゃがいもの普及は七年戦争(1756-63)で国内食糧が不足して以降。
(P327)女工哀史:昼夜二交代制の連続操業で働かされたが、賃金はわずかで、当時英国植民地のインドより安かった。重労働・低栄養・過密な寮生活で心身を蝕まれ、ほとんどが二年以内に結核に侵され、解雇または離職して農村戻された。免疫を持たない女工が農村から絶えず流入。
ーワクチン後進国とはきいていたけど、国としての感染症対策がしょぼすぎないか。コロナ対応もかなりずっこけたけど、たくさん払った税金は利権にざあざあ流れてるだけなんだろうか。女工哀史のときに比べれば、庶民の扱いに気を付けてるのかもしれないけど。
投稿元:
レビューを見る
仕事のために読んだ一冊。
ウイルスや細菌は、人類が生まれる遥か大昔から地球上で生存してきた。地球上で最も成功した種であると言っても過言ではない。
小ささや遺伝子の少なさゆえに、変異は早く、人間がワクチンを開発しても、それに対する耐性を短期間で身につけてしまうことも少なくない。
人類史で最も人が死ぬ原因となっているのは、災害や戦争でもなく、感染症による。今話題のCOVID-19も例外ではない。
人間や動物に寄生して行動パターンを変えてしまうものだっているとか。そして、白血病の発症要因にもウイルスが関係している事実を知って驚いた。
「病死」となんとなく片付けてしまっている死因は、実はウイルスや細菌由来だったなんてことは少ないことだろう。
どんなに金や時間をかけても突然変異でその網をすり抜ける。人間が感染によって身につけた抗体でさえも、だ。
人類とウイルスや細菌との死闘は、人類が地球上に存在し続ける限りつづいていくことだろう。