紙の本
警察において秘匿される組織とその目的
2018/03/11 18:04
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ドン・キホーテ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は今野敏が、警察の若き人材がどのように育てられるかを描いたものである。若き人材が主人公で、交番勤務の地域課から警察現場のエリートとして成長していく過程を描いている。今野は事件が起きない警察小説を書きたかったようだ。
その意味では警察の部署や特殊性も大いに加わっている作品である。似たような環境と言えば、自衛隊であろうか。銃器を携帯し、しかも自動小銃を扱う警察の部署とはどこであろうか。
本書ではどのような過程を経て一人前の現場警察官になるかがかなり詳細に描かれている。けっして読者を飽きさせるようなシーンはない。できれば、特殊な職場ではなく、交番勤務の警察官の場面を増やしてほしかった。
時間の起きない本書のような小説も結構読ませる構成になっており、そこはさすがに今野の腕前が冴えている。警備、公安の分野は秘匿するのが当たり前になっている。生活安全などとは正反対の役割を担っている。警察の組織にはまだまだ一般には知られていないことが多い。そのことを理解できる本編であった。
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いち警察官がSATになるまでを描いた作品。警察を題材に小説した小説は緊張感やシリアスな展開を期待させるものと思いますが、本作は不思議とのんびりとした雰囲気すら感じます。
あとがきにあるように、ものものしい事件がほぼないことがその大きな要因と思いますが、主人公ののほほんとした性格もその大きな一因と思います。
その雰囲気は、このジャンルではつまらなさにつながってしまいそうと思っていましたが、妙なことにそのようなことはなく、むしろ意外と楽しめました。学園もののような、いろんな登場人物たちが協力したり衝突しあったりしながら成長して行く姿を見られる点が、本作の面白さなのかな、と思います。
次回作があるかわかりませんが、本作で成長した柿田や桐島、藤堂たちがSATとして活躍する姿を描いた作品を読んでみたいところです。
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新米巡査・柿田亮は、自分が警察官に向いているのか悩みつつも、異動先の機動隊で激しい訓練を受けていた。そんな柿田に、ハイジャックなど凶悪事件を解決する特殊急襲部隊『SAT』入隊の声がかかる。
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主人公の性格によるものか、作者の意図したものか、淡々としている。ひたすら淡々としている。解説書を読んだような後読感。悪くはないが、心弾むことはなかった。
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事件が起きない警察小説。
起きてはいけない事件を想定して日々訓練を続けるSATの考え方がよかった。
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新人警察官がSATになるまでの成長物語・・かな。
物語としてはそんなドラマチックではなかったな。
ただ、主人公のキャラがいい味だった。
あの性格、考え方は見習いたい。
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事件のまったく起きない警察小説。新米巡査の柿田くんの成長物語。自衛官の市ノ瀬さんとの会話が良かった。
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2018049
新米巡査から機動隊。そしてSATへ転身していく柿田の活躍を描く。と言っても何かしらの事件が起きるのではなく、日々訓練の毎日を描く。
主人公の柿田は、目の前のことに、一生懸命な体育会系。本人には、その気がなくても、まわりが面白味を感じてしまうらしく、あれよあれよと精鋭舞台に移動していく。
SATが、テロから日本を守る最後の砦であること。そして、隊員の活動が報われることが決してあってはならない。訓練は実践のように。実践は訓練のように。警察や自衛隊の様に誰かのことを思ってやる仕事に、決して無駄はないと思いたいです。
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このところ多忙につき、読感を書いている時間がない。
とりあえず、読みましたということで、読了日と評価のみ記載。
2018/6/26
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今野敏の警察小説。
今回のは取り立ててダイナミックな展開がなく
のんびり読んだ。 可もなく不可もなくという感じ。
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警察小説だけど青春小説の側面もあるかな―と言う1冊。
新人警官の主人公が目の前のことに悩んだりくじけたりしながらSATの隊員になるための訓練を受ける日々のお話。
なんとなく吹く風に身を任せて気付けば……みたいな頼りなさもあるけれど、訓練をしながら自分に何が向いているのか考えている姿は前向きで応援したくなる。
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若き警察官がSATの隊員に登用されるまでを描いているが、悩み苦しむ姿は少ないなど物語に起伏はなく淡々と進んでいく。読みやすいがやや物足りない。
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何か事件が起きるものだと思っていたんですが、主人公の成長が書かれていくだけでなんだか拍子抜けしました。
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警察小説を読んでいると、いざという時にはSATという特殊部隊が登場する事が多いです。立てこもりや、テロリストとの対決には欠かせないです。
警察官になり機動隊に移動しSATに入隊するまでを、リアルな内容で書いていますがSATって取材なんて出来るのかなあ。どうしたんだろうか。気になる。
本作はある意味警察機動隊関係観光案内なところが有って、時系列で一人の青年を追っていくドキュメンタリーみたいな印象です。興味ある人には面白いけれど、興味ない人には退屈だろうなと想像できます。ちなみに僕は面白かったです。
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新人警察官の成長譚といったところでしょうか。あれよあれよという間にSATの一員に、というストーリー。本人が自分のすごさや良さを自覚していないながらも、なぜか周りからは相当に評価されているという、そのギャップがおもしろかったですが、やはり今野敏の警察ものとしては事件がおきないのがちょっと物足りないかな。ということで星の数は標準の3つとしました。