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社会部は傍流で、政治部が主流ということか。
社会部同期5人それぞれの視点から書かれたエピソードは興味深く、記者の有り様を表すものだったが、最終編は作為感にカタルシスを感じられない。(という点は下村敦史の「黙過」にも通じる)
昨今の政治状況も下敷きにしていると思うが、政治部が親権力で、反権力の社会部が正義というステレオタイプな構図はいかがなものか。
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第159回直木賞候補作。
(受賞はファーストラヴ)
選考委員の評価のとおり、普通過ぎる印象。ただでさえ狭い新聞社の中での展開なので、あっと驚くような展開が欲しかった。
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第159回直木賞候補作品。
新聞社内で黄金世代と呼ばれる同期のメンバー6人。最も優秀と思われた男は訳あって総務部門へと転身するが、残りの5人は社会部で張り合っていく。社内の派閥争い、上司との軋轢などの中、彼らはたった一つの椅子の社会部長を目指す。そんな中、会社の大スキャンダルが発覚。彼らのとった行動は。。。
対立軸として多少政治部が出てくるものの、ほぼ社会部ネタ。第二話で南雲が活躍する「逆転の仮説」が面白かった。
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近いところで同期と、社内での部の争い、他紙との競争と
競ってばかりの毎日では最近の子はこの業界を敬遠するだろうな。
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早さではネットに敵わない。部数広告代が少なくなり人員少なくしても事件が減るわけではない。大変な世界だ。優秀な若者が目指してほしい。
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大手新聞社の東都新聞(モデルは恐らく産経新聞)を舞台に、スクープにかける男たちの熱い思いに加え、会社という一組織の抱える問題を炙り出したのが本作です。
社会部と政治部の軋轢というのはなかなか興味深く、新聞社に勤める人ならいざ知らず、一般の読者にすぎない私には耳にしたことこそあれ、これまでであればあまり意識しなかったと思いますが、本作を読んで新たな視点で新聞に触れることができそうです。
硬派な社会派作品である一方で、途中に家族とのエピソードを織り交ぜたりしていますが、それで物語に緩急がついているかっていうと微妙で、期待通りの効果は上がっていないように感じました。
また、こんなに一新聞社がスクープを連発するっていうのもあんまり実感がわかなかったです。
さらに言うと、この手の作品ですとどうしても横山秀夫さんの『クライマーズ・ハイ』と比較してしまうのですが、文体の緊張感や一つ一つのエピソードにおいて、やはり物足りない感は否めませんでした。
ここは連作形式で6人の視点を織り交ぜるよりも、1人の視点で大きな事件を扱ったほうが良かったのではないかと思います。
もしくは、せっかく意外性のある人事案だったのだから、これを最初に持ってきて、離れ離れになった5人がそれぞれの地で格闘する姿なんかも読んでみたかったですね。
続編を待ちます。
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新聞記者だった著者が描いた、新聞記者が主人公の物語。
非常によく出来た同期入社の6人を中心にした6篇の短編からなる連作集。
同期の絆を大切にせよ、との社長からの暗黙の教えが重みを増す。
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Five plus one newspapermen の副題のとおり、1998年に東都新聞に入社し、地方支局経験後に本社社会部配属となった同期6人、それぞれの性格、状況を通じて、新聞記者の想いや取材、裏取り、編集会議から報道までの新聞が出来上がるまでが描かれ、テレビや雑誌、そしてネット社会の進展とともに変化してきた新聞の位置づけ、変わり映えしない取材先(記者クラブや政治家など)との関係、スクープのプレッシャー、社会部と政治部の対立など、新聞社や記者のリアルが伝わってくるよう。
6人それぞれの視点での6話で、各キャラクターが描かれ、プロローグとエピローグを加えた全編で新聞報道の在り方が語られるという構成で、サクサクと読んだ。
どこかで聞いたことがあるような事件ネタがいくつも出てくるが、それだけにやや盛り上がりに欠けたように感じる。
18-93
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東都新聞社のエース級記者たち-みんなくせが強い-が新聞社の中で上司や部下、同期、取材先と揉まれる物語。新聞社ほど旧態依然とした組織になっている業界はないだろうが、まさにそのような内幕を描く。組織ってややこしいなと感じるだろうが、どの業界も多かれ少なかれあることなので、社会人であれば、社内あるあるとも読めるかもしれない。個人的には知らない業界ではないので、余計にリアリティを感じてしまい、暗い気分になった。
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記者としてのプライド、男としてのプライドがぶつかり合い、ある時は敵、ある時は見方となる同期6人。腹立たしく感じる場面もあり、悔しくも最後にはニヤリとしてしまう。6人の視点で切り替わる物語は、それぞれの心情を垣間見る事が出来て面白い。彼らがどんな想いで決断を下したのか。そして、最後に待っていた最強の布陣。気持ちが最高潮に高ぶる結末!面白かった(*^-^*)
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3.8
東都新聞・社会部記者・植島、図師、城所、名雲、土肥の五人、そしてその優秀な人材が揃った同期中トップの評価を受けながら社長秘書から人事へと転身した北川を含めた6人の物語。
各分野で、それぞれが独自のコネクションを持ち、数多くの成果を挙げてきた彼等の、ネタ元との虚々実々の駆け引きや、社内の他部署との確執。権力闘争もからまる同期との出世レース。そしてその決定権を握る立場に立った北川の思い。
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新聞記者と言う職業は想像した事もなかったが、私の時代ではかなり知的な職業だったかもしれない。
しかし今の時代では、新聞の購読者は減り、夜討ち朝駆けの職業は敬遠されて、なり手は多くはないだろうな。
特ダネをスッパ抜く事と同期での出世競争が密接に絡みながらの話はなかなか面白かった。
私が会った新聞記者はずうずうしい人が多く、職業がそう言う人間形成をするのかもしれない。
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社会記者同期六人をそれぞれ主人公に、東都新聞という新聞社を舞台にした連作です。各々の関連が深いので連作というか長編なのかな。
事件の内容がどうこうという事は無く、社会記者としてのプライドや、地位を得たからこその不自由さ。同期の反目と共感。そういった色々な要素を一つの紙面に昇華する道のり自体を主人公とした小説です。
感情移入したい人には不評かも知れないけれど、筆者は自分のいる新聞業界そのものを書きたくて、他のエンタ-テイメント要素をあえて排除したのではないかと感じました。そう考えると俯瞰で見たようなこの書き方も頷けると思います。それでも最後の最後に筆者の熱い思いが見えたような気がしました。
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社会部記者の矜持を、同期6人の人間模様を重ねながら描く。元新聞記者の著者でこその作品だが、今ひとつインパクトに欠ける印象。
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直木賞候補作。同期、しかも優秀な新聞記者5+1の物語、短編集、社会部の記者と人事部社員。抜いた抜かれたの毎日、昇進の野望、家族への思い、等身大の記者が描かれているのかな。リアリティを感じるが、どうも男社会を感じたというか身近な世界でないからか、業界見学のよう。最後の章の北川の話は北川の辛さが出てて良かったです。お仕事小説として一つの勉強になりました。