紙の本
心の痛み
2020/06/29 20:02
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投稿者:earosmith - この投稿者のレビュー一覧を見る
最初は絵に入る方法など回りくどく感じたのですが、どんどん続きが気になってきて一気読みしました。いじめや虐待を受ける側の心の痛みが胸に迫りました。中学時代に数人の男子から悪意を向けられたことがありますが、十数年後に加害者と偶然すれ違っただけで体調を崩し、心の傷は何年経っても癒えないものだと驚きました。いじめの加害者や虐待する親にもっと罰が当たればすっきりするのに、と思いましたが、書かれていないだけで何かあったかもしれないし、そうもいかないのが世の中だとも思います。とりあえずいじめという言い方は止めて傷害罪や暴行罪、虐待をした親には厳罰を。
紙の本
中に入れる絵をめぐる物語
2018/11/11 17:28
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投稿者:たっきい - この投稿者のレビュー一覧を見る
主人公は中学3年の真という男の子と城田という女の子。ふとしたきっかけで、中に入ることができる絵を手に入れた真。そこには城に囚われた女の子が!ゲーム好きの宮部さんなので、てっきり絵の中に入って大冒険、かと思ったのですが、そこは予想が外れました。城田が自分をしっかり持っており共感が持てます。結末もスッキリ。読み終えて、やっぱりうまいなぁと思いました。
紙の本
以前考えたこと・・・
2018/09/09 23:19
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投稿者:やす - この投稿者のレビュー一覧を見る
昔、そう、高校生の頃に考えたこと。
絵に中に入り込むことはできないのか・・・あの時ああしてたら、どうなったのか・・・
そんなことを、一つの小説としてまとめあげてきれた、その成果物がこの本だと感じた。
パラレルワールドはある、いや、ないはずはない!
そう思い、そのうえで、今をどう生きていくのか、しっかりと考えていきたい。
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第1章 古城のデッサン
第2章 塔の中の姫君
第3章 探索仲間
第4章 城主
解説 池澤春菜
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最近、仕事が面白くないのが影響してか、通勤の電車の中で本を読んでいてもなかなかグッとくることが少ない。
この本も何を読もうかとランキング見たりして選んだのだけど、あまり興が乗らず…。
前半部分、真と珠美の関係や背景を描かねばならないからこうはなるのだけど、なんだかまだるっこしい。
後半部分、塔の中の少女の存在を元に急展開するのだけれど、何だか佳い話風にまとめられて、うまいこと作者に丸め込まれた感じ。
真や珠美やパクさんの境遇や心情に寄り添うには、自分の今の精神状態はあまりに良くなさそうと自覚する。
最早この歳になり人生を変えたいとも思わず、勿論悔いが残っていない訳ではないが、それなりに頑張ったではないかとの思いはあり、やり直したとしても自分は変われないとの諦めみたいなものもあり。
どこか別の世界で別の自分がもっと成功しているなら、それで良いかな。
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リーディングカンパニーで朗読を聞いてから文庫化を待っていた。
それぞれの持つ自分ではどうしようもない事情が、自分の昔の悩みだったり環境だったりと重なって切ない。
「入り込むこと」は本を夢中になって読む人にはわかりやすい感覚だが、文章にするとこう表現されるのかと感服した。
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ファンタジーだが、ミステリーでもあり。。。
主要な登場人物は、中学生二人と大人ひとりに、あとひとりだけ。
なかなかに深い話だが、とにかく面白かった。
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絵の中の世界をめぐる冒険ファンタジーかと思い、読み始めたのですが、どちらかというと社会問題等、現実世界の比重の方が高かった気がする。
イマイチのめり込めないまま読み終わってしまった。
個人的には「ブレイブストーリー」の方が好きかな。
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手元に置いてから半年以上、ようやく心のゆとりが持てたので読み始めた。あらすじで大冒険ってあったので、そういう気持ちになってから、、、って思ってたのだけど、想像していたのと全然違ってた。ほぼ日常からの延長線なファンタジー。主人公と一緒に、誰かが描いた絵の中に入り込めている不思議をどう受け入れていいのか、なぜ、なんの為に?って入り込み過ぎて一気読み。
宮部さんの作品はほんと久しぶりだったけど、昔はまってた時の高揚感を思い出した。
映像で観てみたい、映画だったら観に行くだろうなって、そしてなんだかわかんないけど込み上げて泣いちゃうんだろうなって思った。
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尾垣真が銀行で見つけたリアルな城の絵。触れると中に入れる。城田珠美と共に中へ入り、謎を解く話。直前まで、宮部みゆきの別の本読んでたけど、全く違ってる。中学生の心情がすごく描かれてるし、シンちゃんとタマちゃんの不思議な関係、友情?も素敵だと思う。
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面白くなかった。
スッキリしなかった。
それほど思い入れのない絵の中の少女は、ましな人生を手に入れたのに、主人公の女の子は今まで通り。
いじめっ子は、特にお咎め無しで終わったのが何だか悲しかった。何かあってもワザとらしくて変な話になったのだろうが、スッキリしなかったのは確かなので仕方がない。
絵の中に入り込む仕組みがよくわからないから、物語に入り込めなかった。
ちょっと残念
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2018065
中学生の真、珠美、漫画家アシスタントのばくさんの3人は古城のある絵の中で冒険することになる。
この本のテーマである変わることに対する期待と恐怖。それを受け入れるかどうかは今がそれを決める。どんなに辛い過去があったとしても今が幸せなら現状維持を願うかもしれない。でも明日の自分はわからない。
中学生の真は平凡ながら満足の行く生活を送っている。珠美は家庭に大きな問題を抱えている。自分の生きてきた過去は変えられない。それでも何かを変えることが出来るとしたら過去でもなく未来でもなく今、何をしているかだと改めて思う。
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表紙の「王国の城」は、実は絵ではない。ということに気がついたのは、物語を半分近く読んだ時だった。
目次の前に「装画 れなれな(イラスト資料提供 PPS通信社)」とある。これだけならば、「凄い絵だ。確かに、こんな絵ならば物語にあるような不思議なことが起きてもアリかも」と思ったかもしれない。資料提供は、物語通りに何処かの世界遺産のお城の写真を提供して貰ったのだろう。そんなことにまで気を使わざるを得ないほどに重要な絵なのである。ところが、その後に「撮影 帆刈一哉」と続く。「えっ︎写真だったのか?」まるで写真絵画のように見えた椅子や机は、ホンモノの教室だったのだ。だとすると、これは流行りの黒板アートというヤツか。物語に出てくる件の絵は黒板アートではない。でも、物語のテーマにちゃんとあっている。教室の風景も物語のテーマの中で重要な意味を持つだろう。また、心を込めて描いた絵に感動するということも、この絵の「意味」にこだわることも、物語のテーマに深く関係する。
だから、この物語を紹介するに当たっては、この表紙の絵(写真)のことを、ただいろいろと呟けばそれで足りる。あまりにも淋しくて、つまらない絵と思ったならば、貴方はこの物語の登場人物にはなれない。尾垣くんも城田さんも、パクさんも、写真からでも十分絵にアクセス出来る感受性を持っていた。宮部みゆきの小説自体が、作品世界にすっかり自分を溶け込ませる体験を提供する。だから別の言葉で言えば、宮部みゆきの小説世界に入ることが出来た人は、この絵に出会ったとき、彼らのような体験も可能かもしれない。小説の愉しみ方は、正にそういうことなのだろう。とも思う。
話は、キチンとファンタジーの王道を経て着地する。パクさんの名前は、2ヶ月前に亡くなった高畑勲のあだ名から採ったのだろう(あだ名の付け方がまるきり同じだ)。私の頭の中では、常に(壮年の頃の)高畑勲アバターがずっと活躍していた。
2018年6月読了
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パッとしない中学生・真くんがある日見つけた古城の絵。そこから始まる出会いと友情、冒険、謎解き。
『こんな設定のこんな世界のこんな冒険』と宮部氏が楽しんで作り始めた設定なのかなとワクワクしながら読み始めたが、読み終わりは宮部氏ならではの安定の優しさ、登場人物への愛着で、物語の終わりと登場人物との別れが寂しくなった。
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自分のことを「壁」だと言い、中学校では空気のような存在の慎。ある日、銀行で変わった絵と出会う。訳あって家に持ち帰ると、なんとその絵はアバターを描き込むことで絵の世界に入り込むことが出来る不思議な絵だった…。移動時間に読む用に書店で慌てて選んだ。パッと見て「絵に入り込む」「冒険小説」というワードに惹かれて購入。少年が絵の中での冒険を通して大きく成長する王道ファンタジー小説かと思いきや、ミステリ要素強め。絵の中を探索するシーンはワクワクするが、絵に入り込んだ後の副作用や、同輩であり協力者の珠美、後に仲間に加わるパクさんの過去、城に囚われている謎の少女と10年前に現実世界で起きた失踪事件など、暗い部分も多い。そして終盤で物語は意外にもSFチックに。自分のした選択に後悔してる人、過去から踏み出せずにいる人に薦めたい。