紙の本
おもしろいのですが改題の理由が解せないため星一つ減
2020/11/16 23:13
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:6EQUJ5 - この投稿者のレビュー一覧を見る
魅惑的なタイトル!と思ったら、「金色の獣、彼方に向かう」を改題した本でした。既に持っている! 恒川光太郎さんの本には思わず手が出てしまいます。しかし何のための改題なのでしょう?
紙の本
九尾の狐伝説
2022/11/13 17:34
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投稿者:Koukun - この投稿者のレビュー一覧を見る
中国や日本の昔話にある「九尾の狐」伝説を思わせるような獣を狂言回しに使った作品である。どの作品にも幻想的な風景が目に浮かぶような文章を書く、この作家の特徴がとても良く出ている。特に「風穴」の渦巻きは印象に残る。
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怖かったけど、一話の蒙古の残虐さが嫌で仕方なかった。
この作品も改題して、新しく出した本なのねー。
読んだことなかったからいいけど、こーゆーのやめてほしい本当に。
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異世界続きw
短編4つ。
最後のだけ読んだことあった・・・と思ってたら、『金色の獣、彼方に向かう』の改題だった・・・ってことは再読じゃん!?
覚えてないワタシってどうよ?大丈夫か?(^_^;)
以前読んだ時の感想は・・・期待外れだったらしいw
今回はそうでもなかったな。
やっぱ、夏と異世界は合うのかも?w
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大変久しぶりに恒川作品を読んだ。幻想的で残酷性があって怖くもあるのに惹きつける、目を離せなくなるような筆致は相変わらずだと思った。
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元寇の時代に日本に流れこんで来た鼬の様な妖怪が、短編集ながら形を変えて生き続けていたのかなと思わせられた。
ここはどこの世界?現実なのか幻なのか?
恒川さんの世界観が相変わらず面白いが、ちょっと不気味でもあった。
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4つのお話からなる物語。
ある場所において言い伝えられている伝説や伝承といった類のものは、もしかしたら本当に昔は存在していた何かから起こったものなのかもしれないというような感覚。
内容は全く違うが、米澤穂信著「リカーシブル」を思い出した。
不穏なだけでも神秘的なだけでもない、歴史においてごく当たり前に存在していた金色の獣の話。面白かった。
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4本の短編集。どの本も生と死の狭間にいるような…不思議な話だった。金色の毛に白い筋が入った美しい鼬が共通で出てきてそれがまた神の使いなのか?夢使い?とにかく死の世界との懸け橋とも言うのか…感じたことを伝える文章力がないことがもどかしいが、とにかく現実世界にいるようで異世界にいるような本当に不思議な話。
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相変わらず読みやすい事この上ない。
集中するとサクサク行ける。
鼬にも似た金色の獣にまつわる話。
鎌倉時代から現代までを巡るテーマに沿った4作。
特に連作短編というほどでもない。
どれも好きだけど、一番好きなのはラストかな。
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短編連作ではないが、金色の鼬を媒介とした四作品を収録している。雰囲気は【夜市】に近く、中でも表題作の【異神千夜】は著者の作品の中でも傑作と言える。読んでいると、頭の中で著者が描く風景が構築されていく。この読者に風景を想起させる幻想的な文章は比類ないものであり、数々の賞を受賞していることも頷ける。次の作品を読むのが楽しみだ。
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時代や背景は違うものの、イタチに纏わる4編。どれも読み応えがあった。恒川光太郎さんの作品はまだ4冊目だが、解説に書かれていた『日本人の記憶に刻まれている独特の異世界』という言葉がぴったりくる。
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金色の獣(イタチ)とそれに関わった人々の話。短編4つ。
相変わらず、するりと入り込んでくる文章が心地良く、その心地良さのまま、こちらとあちらの境界が酷く曖昧な世界へと引き込まれていく。
「風天孔参り」が印象深い。あれはなかなかに抗い難い誘惑であるのでは?
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ずっと目をつけてた作品、今月のKindle Unlimited作品になってて念願の読了!
恒川作品は解説までがセット。今回の解説もそうそうそれそれ!という私の言葉にできない感想を分かりやすく書かれていて満足感があるのと、そういう意味だったのか、と改めてストーリーを理解できるようになっている。
恒川光太郎が宮沢賢治に似ている、というのはフッと笑えた。外見のことだとは思うけど、宮沢賢治を思い出す雰囲気が含まれている小説中身も合わせてのことだと思う。土着的な民俗学ホラーと異世界ファンタジーが融合されている、という一文が恒川作品に共通するもので、私がたまらなく惹かれる要素の1つです。
・異神千夜
大作。歴史好きな人は絶対ハマると思う。
元寇に纏わるある数奇な運命を辿った男の人生奇譚。タイトルにあるように異国の神が関わっている。そしてこちらの作品も恒川さんらしい、風がキーワードになっていた。作品とは全く関係ないけど、出だしの遼慶の草庵で徒然草を思い出した。
仁風のこれまでの生き様が人生何回繰り返してるっていうくらい色々ありすぎた。対馬で生まれて南宋人の養子となり、元の奴隷となった後に元の間諜として蒙古襲来に加担する流れ。歴史的に台風によって日本は侵略から逃れる事ができたけど、食糧が倉庫からなくなっていた、というのは授業で学んだ気がする。船に対馬の女性が吊るされていたっていうのもなんとなく思い出した、、
最近読んだ中島敦「李陵」や司馬遼太郎の「ペルシャの幻術士」でモンゴル兵士の話を知ってはいたけど、共通するのはとにかく実力主義。学も出自も関係なく能力を持っていることが全て。だからこそ李陵も仁風もあっさりと仲間に迎えられる事ができたんだなー。
私が1番悲しかったのは陳さんが処刑されたとこ。
仁風の人生がありすぎて感想がそればっかりになっちゃったけど、間諜仲間の鈴華が異神かつこのストーリーのメイン。感想として女って生き抜く力がすごい。終わりには鈴華と仁風の娘が異神を引き継いだんじゃないか、という結末になっている。
読み返したら初めに草案の説明でしっかり木地師の娘が訪ねてきた、と書かれていて全てが繋がるようになっていた。
スタープレーヤー、夜市、風の古道など不思議な異界の話ばかり読んできたけど、歴史小説まで面白いなんて、、、ただただ歓喜です。
・風天孔参り
またしても風がテーマです。
風天孔と呼ばれる竜巻のような現象の中に入ると存在が消滅する。天に行ったとも言われ、その風の集まりは魅力的でもあり、風天孔参りに参加する人は次々と入っていくという異界の塊みたいなお話。情景も心情もスッと入ってきてその世界観にどんどん飲み込まれていく作品です。一気読み不可避。
他の方の感想に、情景描写と人生を感じさせるテクニックが素晴らしいと書いてありましたが、私も激しく同意です。見たこともない情景や、実際に存在しない生き物、時代も国も知らない場所、人にまつわる話を読んで楽しむ事ができるのが小説の一つの魅力でもありますが、恒川さんの作品は現実とはかけ離れた話が多い中、どれも間違いなく作品の中に入り込む事ができます。そして非現実世界が現実にあるかのように感じます。それは情景描写、世界観が完成されたものであり、読み手の気持ちに違和感を感じさせる事がないからだと思います。今回だと、案内人安藤が「背負ってしまうと下ろせない。そういう荷物がこの世にはあるんです。」という言葉を残して風天孔に入りましたが、人生を感じさせる一言です。
私的にはふっと笑えたのは月野優が風天孔参りの一向を「あの人たちは妖怪」と突然妖怪呼ばわりしたのと、安藤さんが岩さんに10万請求するところ。現実感。
・森の神、夢に還る
実態のない私が人に乗り移って色々な人生を垣間見る。私の正体はこの森で殺された少女サクラだった。だんだん幽霊なんだとわかるけど、幽霊というより森の精霊のような描写がされている。稲光山、イタチが前作から引き継いがれたキーワード。というより、どちらも一作目からつながっているのかも。異神千夜の少女がたどり着いた草庵のある山はおそらく今の稲光山のことだろう。イタチも2作目ではイタチが彫られた杖に登場することから大事な神の使いの様な存在。繋がっていない様で繋がっている。
・金色の獣、彼方に向かう
もうイタチメインのストーリー。
最初からイタチのストーリーだったんだ、と腑に落ちる。鼬行者は千里眼を持つというのも昔から。
稲光山一帯が不思議な怪異が生じる現場となっている。墓掘人の存在も。
穴を掘った先に何がいたのか、墓掘人はなぜ生き延びているのか、不思議が重なる。
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一冊読み終わる頃には郷愁や切なさで胸がいっぱいになっていた。初めて読む物語でも、大人になるにつれ失ったものを再び取り戻すような感覚が懐かしさに繋がっているのだろうと思う。子どもの頃夢見たファンタジーが詰まっているのだ。
現実と幻想を繋げて、世界の地図を広げてくれるような本だった。
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4編からなる短編集だが、
それぞれの話に出てくる土地や役職の名称などが別の作品に出てくる上、鼬のような存在がそれぞれの話でキーになる。
それぞれは独立した話で、明確な繋がりもないが、
そこに輪廻のような繋がりのようなものを感じた。
4編の短編を読んだにも関わらず、1作の長編を読んだような錯覚を覚える。