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投稿者:如水 - この投稿者のレビュー一覧を見る
瀬島氏の章については、本人をよく知っているので、違和感があった。
紙の本
怪物というよりも怪人だ
2019/08/24 12:24
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投稿者:とも - この投稿者のレビュー一覧を見る
激動の昭和、戦争の昭和に活躍した人々を幾人か取り上げ、そこから昭和とその人物を取り上げる。
今回取り上げたのは
・東條英機
・石原莞爾
・犬養毅
・渡辺和子
・瀬島龍三
・吉田茂
と、昭和を語る上で必ずや出てくるであろう「キーパーソン」である。
特に胸を打たれたのは渡辺和子の章で 、父である渡辺錠太郎が二・二六で打たれたあの日のことを語るシーンである。
当時まだ9歳だったというが、あの二・二六当日の状況は、2016年のインタビュー時でも色褪せることなく覚えている(齢80を過ぎても)。
あの惨劇を目の当たりにした少女は、やがて修道女となるが、実行部隊の青年将校もさることながら、その後楯にいた高官達を赦すことが出来ないという。
また、瀬島龍三の章に於いては、今も続く(?)エリートのズル賢さを垣間見ているようで、自己顕示欲が強い如何にも官僚的であると言わざるを得ない。
また、ソ連のスパイという指摘には驚いた。
吉田茂の娘(三女)の和子(麻生太郎の母親)による、吉田茂像も面白い。
ワシントン講和条約締結前後の、日本の舵取りを任された吉田茂の苦悩と、その後の姿をよく表している。
昭和という時代を俯瞰で見るならば、極めて重要な視点、構図である。さらに付け加えれば、各々の人物だけでなく、その背景にある人物像や人間関係を取り上げている事に注視し、読みといているところがとても面白いのである。
電子書籍
昭和史のドロドロした部分を味わえた。
2018/12/31 22:24
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投稿者:いけたろう - この投稿者のレビュー一覧を見る
陸軍軍部をいかに観念的なものが支配していたか、情念に訴えることが横行していたかをあらためて知ることができた。
渡辺和子さんをして、二・二六事件時、青年将校達を焚きつけて、その後、後ろへ隠れた皇道派の中心人物達は許せないという事実は、
未だ、我が国の暗部、責任を持つべきものが隠蔽、欺瞞にはしり無責任を通すという暗部を浮き上がらせるものだと感じた。
紙の本
人に歴史あり
2018/10/26 20:39
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投稿者:真太郎 - この投稿者のレビュー一覧を見る
戦前戦後の偉業、ただし見方によっては異業を成し遂げた歴史上の人物たちの、これまた近くにいた人から見たそれぞれの人物像が、教科書にはないこともあって興味深いです。
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保阪正康の著作には、昭和史の大きな流れを扱ったものと、小さいポイントを掘り下げたものと2タイプあるが、これは後者のカテゴリーに入る。昭和の歴史を見つめた当事者の聞き書きをもとに、深層に迫っていく。いささか重箱の隅をつついている感は否めないものの、年表や出来事を羅列するだけが歴史の綴り方ではないとも思うから、これはこれで正解なのだろう。
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講談社現代新書今月の新刊。丁寧なインタビューと一次資料の読み込みにより昭和史の謎に迫る。第1章の東條英機についても予断を排してその存在を再構築していく様が白眉かつ痛快。2章以下は 石原莞爾、犬養毅、渡辺和子、瀬島龍三、吉田茂。2018年必読の書。
以下本文p13-14より 東條英機論
…とにかく強引で、自分に都合のいい論理しか口にしない。(中略)いわば人間形成が偏頗なのである。こういうタイプの政治家、軍人は三つの共通点を持つ。「精神論が好き」「妥協は敗北」「事実誤認は当たり前」(中略)(その点では安倍晋三首相に似ているともいえるが)。(中略)つまるところは「自省がない」という点に尽きる。(中略)その行き着く先は国家存亡の危機である。
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読了。
七つの謎なのに主な登場人物は六名(笑)。そして何故この六名を怪物としてピックアップしたのか、その基準は良く分からない。
実際、怪物?といえるのは石原莞爾と瀬島隆三、登場場面は少ないが牛島辰熊くらいだろう。
だが、昭和を語るうえで重要だと思われる人物の評伝を通して、戦前~戦後を俯瞰する、という試みは成功しているように思える。
但し、特段新たな発見は無い。
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紹介されている人物、いい面だけでなく悪い面も書かれてあり、引き込まれやすかった。東条と石原の比較がやはり面白い。なぜ日本は戦争に走っていってしまったのか、戦争が始まってもなぜなかなか終わらせることができなかったのか、という点でも再確認でき勉強になった。
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平成という時代のが終わろうとしている今、戦前、戦後の昭和の時代に何が起こり、誰がどんな判断をしてきたのかを2018年の今こそ知らしてくれる一冊。
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東條英機と石原莞爾との確執。
犬養毅とその娘渡辺和子。
瀬島龍三は何をどう改竄したのか。
吉田茂と護憲。
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近現代史はあまり好きではなく、ましてや小説でもなく、ましてや戦中・戦後は一番嫌なのですが、なぜか興味を引かれ読みました。前提として当時の人物、組織、事件なんかをわかっていないと理解しづらいなと思いました。途中、やっぱり受け付けなくて飛ばし読みしたところも多いです。ただ当時の軍の中にも多面的な見方をできる人たちは大勢いて、戦争回避する動きもあったのに結局はそうはならなかったのが残念です。今も昔も大きく物事が見れない自分本位な人が戦争をしたがるんだなと思いました。
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半藤一利と並ぶ昭和史研究の大家である著者が、太平洋戦争の目撃者たる東条英機、石原莞爾、吉田茂ら6名の人物に焦点を当て、それぞれの謎について、膨大なこれまでの研究成果をもとに著者なりの真相仮説を提示する。
特に重点を置いて描かれるのは東条英機と石原莞爾の二人であり、この二人に対するパートで本書の半分弱が占められている。東条英機と石原莞爾の対立関係、というよりも東条の石原に対する怖れや、石原莞爾が描こうとして理想の社会とは何だったのか、そうした問に、具体的かつ百科全書的な著者のこれまでの昭和史の知見がフルに援用されながら、ストーリーが語られる様は見事で、知的好奇心を多いに満たしてくれた。
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平成が終わる中、今一度昭和史、特に戦中、戦後と社会が大きく変わった時代のリーダーたちを知りたくてこの本をとった。
東条英機の文学や哲学、学問を軽視する姿や逆の立場であった石原莞爾など、時代は違えど人間として、現代人にもi-eyところはあった。
特に瀬島龍三のエピソードにあった、平気で一次情報の文書を書き換える姿勢は、現代の官僚と通じるぶぶんがある。70年賀状たった今でも、変わらないところはあるのだと感じた。
ただし、各エピソードに出てくる事件や物事など、ピンと来ない部分がある。それは自分がまだ歴史の理解が足りない部分である。
今、未来を考えるにも、過去も学ばなければいけないと、再認識した一冊です。
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第1章 東條英機は何に脅えていたのか
第2章 石原莞爾は東條暗殺計画を知っていたのか
第3章 石原莞爾の「世界最終戦論」とは何だったのか
第4章 犬養毅は襲撃の影を見抜いていたのか
第5章 渡辺和子は死ぬまで誰を赦さなかったのか
第6章 瀬島龍三は史実をどう改竄したのか
第7章 吉田茂はなぜ護憲にこだわったのか
著者:保阪正康(1939-、札幌市、作家)
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「謎」であるかは別として、昭和史の特定の人物をわかりやすく取り上げてくれる。序盤の東条英機と石原莞爾の対立は興味深い。