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前作の「サピエンス全史」より面白いです.ちょうど始まりが感染症の話なので,読んでしまいました.まだ「下」は読んでいません.
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「サピエンス全史」が大きな話題になった著者の第2段。前回が現在の情報科学、生物・認知科学の急速な進展を踏まえた思考法と、その結果近未来に起こるであろうパラダイム・シフトについての歴史に関する話だった。これに対して本書はより哲学的領域の「ホモデウス」=21世紀の超人論として期待して読み始める。
が、前半を読了すると、やはり今世紀大きく進んだ情報&生物科学を踏まえた新たな歴史認識の叙述であまり新鮮味はない。刺激的な部分もあったが、退屈に感じることもままあった。
前作も正直なところ、20世紀終わりからの生物学や脳科学の発展についてある程度読んだり(特に橘玲さんの一連の著作は素人には刺激的だった)していたので、ぶっちゃけ新鮮さは無かった。旧来の歴史書しか親しんだことがなく本書や前作のサピエンス全史を読んだとしたら、非常な衝撃を受けるだろう。前作が世界的に大きな反響を読んだのはそこにあるのではないかと思うし、一部の好きものからより一般化する起爆剤となりそうなのは大きな功績だろう。これからは哲学や社会学、歴史を論じるにもも、情報・生物学などの新しい知見が必要になってくると思う。
読了して物足りなさを感じたので、アマゾンのレビューを見てみたところ、訳者のあとがきがよくまとまっているとのこと。下巻はまず、そこから読んでみたところ、確かにそうだった。
で、後半には期待したい。
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「ホモ・サピエンス全史」を受けて,人類の未来についての考察がこの本の主たるテーマです。
上巻は,人類と宗教の関わりについて,詳細に述べてあります。
簡単な内容ではないのですが,今まで考えたことがないテーマだけに,非常に興味深いです。
ここから,下巻はどんな展開になるか,楽しみです。
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人類ホモ・サピエンスは今までの歴史で最悪の敵であった飢饉、疾病、戦争を克服しつつある。今後は不死、幸福、神性の獲得が目標になるだろう、と述べている。ホモ・サピエンスがホモ・デウス(ゼウス=神)になるためにはどうすれば良いか。既にサピエンスは人間以外の動物から見た場合、神になっている。家畜は誕生、出産、食事、死亡まですべて管理しており、野生動物はどんどん姿を消している、というところはなるほどと思った。
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===qte===
ホモ・デウス(上・下) ユヴァル・ノア・ハラリ著 “神”へと昇りゆく人間の運命
2018/11/3付日本経済新聞 朝刊
日本でもベストセラーとなった前著『サピエンス全史』で、著者はわれわれ人間(ホモ・サピエンス)がたどってきた長い歴史を大きく見渡し、その鳥瞰(ちょうかん)図を踏まえた印象的な歴史物語を展開した。20万年前に出現したホモ・サピエンスは、7万年前の認知革命によりネアンデルタール人に打ち勝ち、1万年前の農業革命により社会経済体制と帝国主義を確立していった。そしてほんの5世紀前から始まった科学革命が現代人の生きる世界を形作ったと著者は言う。
ハラリは『サピエンス全史』の最後の章を「超ホモ・サピエンスの時代へ」と銘打ち、サピエンスをとりまく世界はこれから将来に向かってどのように変貌を遂げるのかを予告した。その続編である『ホモ・デウス』は“人間”としてのホモ・サピエンスが“神”である「ホモ・デウス」へと昇っていく運命の道筋をたどる。前著と同じく、広範にわたる史実や知見に基づいた著者の長い物語を読者は存分に楽しむことができるだろう。
現代のホモ・サピエンスに求められる次なる挑戦は、最先端のテクノロジーを身につけることを第一に考える「テクノ人間至上主義」と身の回りにあふれるデータを貪欲に取り込む「データ至上主義」であると著者は提唱する。このふたつの基準を満たすアップグレードされた次の段階がホモ・デウスという“超人”だ。このハイスペックなホモ・デウスが、“ビッグデータ”と“IoT(すべてのモノのインターネット)”が充満する生存空間の中でいかに生きるのかを具体的に描き出そうとする。
雄弁な著者の歴史観にひきこまれる読者はきっと多いだろう。しかし、将来に及ぶ歴史の予測や予言には多かれ少なかれバイアスが忍び込む。著者が想像する“選良”としてのホモ・デウスはもはや生物学的な自然や環境とは切り離されてしまった存在なのだろう。デウスとはいえ、そこに神々しさは微塵(みじん)も感じられない。むしろ、たえず新規アップグレードを求められ、さらなるデータに追われ続ける悲哀が浮かび上がってくるようだ。あなたはほんとうにホモ・デウスにバージョンアップしたいですか? 私ならむしろそこからダウングレードしたいなあと感じてしまった。
《評》進化学者
三中 信宏
(柴田裕之訳、河出書房新社・各1900円)
▼著者は76年生まれのイスラエル人歴史学者。同国のヘブライ大で歴史学を教えている。
===unqte===
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「サピエンス全史」はある程度の過程を考えて読めたけれどこちらはいきなり人類とテクノロジーとの未来ということでちょっと馴染めない。たとえ話も理にかなっているようで、それでも国民性の違いのせいかイマイチ、ピンと来ない気がした。
でもまあ、知的欲求を満たしてくれるような気がして☆は甘めで。
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テクノロジーによる人のエンパワメントが身体的領域に侵食する時、経済面だけでなく生物学的にも格差と不平等が生じることになる。この不死と至福を追求する極一部の人間(ホモデウスに近づき続ける)の存在感が増すほどに、大衆が感じていた他の生物に対する人類の特別感や、ひとりひとりを尊ぶ人権が軽んじられると同時に、人間がアルゴリズムに取り込まれてコントロールされるという世界観が支配的となる。
ハラリ氏はこの流れを「人間至上主義(フランス革命から引き継がれて、世界人権宣言でグローバルに浸透させてきた民主主義の根幹の価値観・前提条件)」が「データ至上主義」に支配されて崩壊の危機に直面すると表している。
人間は遺伝子に支配されており、その遺伝子も4つの塩基で構成されている以上、四進法と捉えるようになるのではないか、とも。学術界、生物学、進化論、どの層においてもエビデンスベースというデータ主義が支配しつつある。
人口動態のアンバランスが生じた集団では社会保障の重さから生じる世代の分断やナショナリズムなどの動きが目立つだろうけど、その間にもひたひたとデータ至上主義が「人のこころ」までアルゴリズムに変換する波が浸透しくだろう。
SFで繰り返し描かれてきた手垢まみれのストーリー、とバカにする人にこそ、手にとってもらいたい上下巻。
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前作「サピエンス全史」で人類発展の根本要因を解き明かした著者が、その延長線上にある未来ではテクノロジーの更なる発達によってほとんどの人類が「無用」になるという可能性を記した未来予測の書。
著者によれば、人類は思考・感情・情動によって機能する生化学的アルゴリズムであり、宗教や貨幣といった実態のない「虚構」の物語を共有することで大規模な社会共同体を形成し、今日では自由主義という新たな物語と科学革命によって神をも超越したが、将来的に科学革命が人類よりも優秀な電子工学的アルゴリズムを生み出し、人が自らの意思決定をそれらのアルゴリズムに委ねるようになると、ほとんどの人類が機械によって代替され、無用の長物となる。つまり人類の発展が人類の自己否定を招くという皮肉な未来が予測される。
それでも著者は、これはあくまで「予測」であり、過去に学ぶことで未来は変えられるというが、かといって何か有効な手段が提案されるわけではなく、読者に対していくつかの根本的な問いを考え続けることを訴えて本書は終わる。これだけ説得力のある「予測」を覆すことが容易でないことは明らかであり、せめて自分が死ぬまでにこうならないことを願いたくなる。人間とは何か、新たな技術とどう付き合うのかといった論点をこれまでにないスケールで深堀することができる歴史的名著。
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最近、「意識とは何か」という点に関心が強いせいか、動物(うち家畜)に意識と呼べるものがあるのか、情動とは何かなど、想像力を逞しく読めた。宗教の部分も実に興味深かった。読書に没頭できる1冊。
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下巻まで読んでようやく上巻の役割と主張が理解できた。
導入部や目次で全体理解に努めてはいたものの、上巻は例え話が多く訳も難しく書かれており、心が折れかける。
上は流し読み→下巻→上巻を再読が良いかもしれない。
(読解力のない人に限るが)
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人類の未来について書かれた本は多数ありますが、本書はそれとはちょっと違った目線から書かれています。そこの話をする前に、人類はいったい何を中心にして考えて行動してきたのだろうか。その歴史を上巻では語られています。人はこれから、どうなろうとしているのだろうか。それはどういったことをもたらすのだろうか。それを知るために、人とそれ以外の生物を分けているものの実態を知るところから始まります。感情とは意識とは何かというよりも、そもそも必要なのか。これが、人に何をもたらしたのか。そこから生まれた宗教を語ることで、それが見えてきます。
これからの人類の未来を知ることについて、また違った観点から考えることのできる内容です。そしてこの目線は必要なものだと思います。本書からそれを感じました。
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前著である「サピエンス」では壮大な人類の歴史を語った著者が返す刀で、切り込んだのは人類の今と未来、上巻では歴史的観点、哲学的観点に脳科学的な分析を含めて現人類を語り、現代の宗教は科学理論を新種の神話とした人間至上主義と決定付けます。
その理由としてとても納得感があったのは、宗教は秩序を重んじ科学は力を生成し、集団的な組織としては真理より秩序と力を優先するというところ、真理の追究は異端の始まりなのだ。
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飢餓と疫病と戦争を克服しつつある人類。幸福を求める権利が幸福を得る権利の主張に変わってしまった現代。ホモサピエンスの特徴は想像上の秩序、協力のネットワーク。宗教とは神が創りだしたものではなく、人間が生み出した秩序。
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ホモ・サピエンスに続くノア・ハラリのベストセラーの上巻。全般的に訳の問題かもしれませんが、人間の価値観を宗教という概念でくくって訳しているのは、ちょっと違和感あり。また、宗教や科学に加え、哲学も一つの人間の価値観を形成する要素と考えるが、哲学に関する考察がないのも残念。とはいえ、人間の価値観の本質を見事に描いてみせるその博識な様に圧倒されます。下巻も期待感大です。
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前のサピエンス全史も大概おもろかったが、個人的にはこちらのほうが好きです。ハラリが挙げていく例はほとんどが見聞きしたことがある話だが、それらをテーマにそってエビデンスとして並べられると非常に説得力があって魅力的に感じる。積み木、レンガ、レゴで何かを作る人のような。一つ一つのブロックは誰でもみたことがあるアレ、でも組み立て方によっていろんなものになるというタイプ。やっぱりコレもってくるか、という例もあれば、そこでそれ?!って面白いものもあり、それこそ普通に日本で成長していく過程で義務教育やら義務でない教育やらで学ぶ事は、人生を生きていく上でどういう必要性があるのか?という事に気付かせてくれる。基本ものすごく客観的でフェアではあるがイスラエル人故に出て来るんであろう筋が見えるところもあり、それがまた面白さに感じる。
結局のところ、インディビジュアルちゅうのはなんなんか。”私””あなた”というのはなんなのか?という問いがなんどもなんども心に浮かぶ。ホモサピエンスはどこへ向かうのか?神のように(Homo Deus)なるのを目指してるんか、そうなるとアニミズムが血に流れるニッポン原住民には出てきにくい考え方のようにも感じないこともない。