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昔ながらの文学青年たちのつどい、というか時代背景を考えると作者たちの近くのコミュニティがこんな感じだったのかなーと思うと生々しくて良い。
トリックは凝ったものではなく犯人もおよそ想像ついてましたが、出てくる人々皆怪しい(読者に聖域を作らせない)状況をギリギリまで引っ張るのがさすが。
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初坂口安吾でした。
独特でレトロな文章ですね。
そして登場人物多すぎ&癖がすごい
坂口安吾の周りの作家や芸術家はこんな人ばかりだったのかな?と想像してしまいます(笑)
犯人は特に驚きはなかったけど
終わり方も独特だわー
1番面白かったのは巻末の安吾年表の17歳
「父親の自伝を読み、そのスケールの小ささを知って軽蔑の念を抱くようになる」
この一文が笑えました
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本屋さんに置いてある小冊子「カドフェス2021」に掲載されていた本。著名な作家である著者がミステリーを書いていたことに興味がわいて手に取ってみる。
人里離れた山奥の邸宅に、性格の変わった文化人の男女が集まり、次々と殺人事件が起きていく。本作が発表された時代なのか、登場人物の歪んだ性格の描写のためか、今では差別用語の連発に驚く。
「木の枝は森に隠せ」の言葉のように、犯人たちは目的の殺人を達成する前にカモフラージュとなるように犯罪に手を染めていく。殺人の動機や実際にとった犯罪行動に突っ込みどころがあるかも知れないが、探偵役の巨勢博士が犯人を炙り出す最後の独白で、犯人同士の大喧嘩に違和感を感じ疑問を膨らませた点はなるほどと合点した。
第2回探偵作家クラブ賞受賞作。昭和22年9月から翌8月まで雑誌「日本小説」に連載。
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登場人物を覚えるのに苦労しました。
「誰が犯人か推理してみてください、証拠をあげてトリックも全て正解した人には賞金を贈呈」と著者からの挑戦状があり、場面を自分なりに想像しながら読みました。
その結果、違和感を覚える箇所はいくつかありましたが、あーそういう理由かぁーなるほどねぇとなるところもちらほら…自分は賞金には程遠かったようです。
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安吾の推理小説、はじめはその奇妙キテレツな人物の見本市を面白く読んだが、次第に登場人物と事件の関係におっつかなくなり、飽きてしまった。やっぱり、推理小説は苦手だな。会話などは相変わらず安吾で面白いんだが。しかし、海老塚の発狂シーンは白眉だった。
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2冊目『不連続殺人事件』(坂口安吾 著、2018年9月、新潮社) 1947年から48年にかけて雑誌「日本小説」に掲載された、名作と名高いミステリーの古典。ストーリーテリングよりも犯人当てゲームとしての側面を強く押し出した一作。犯人と殺害方法をピタリと当てた読者に、著者自らが実費で賞金をプレゼントするという趣向には、豪放磊落な安吾らしさを感じずにはいられない。 同時収録されている短編「アンゴウ」は、感涙必至の超名作。 「十八カラットのダイヤかなんか差上げたいが、ないからダメです。」
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古今東西、多くの文豪たちがミステリ仕立ての小説を書いている。物語の多くが何らかの謎をはらんだものであるからそれは当然のことであり、また当人たちもミステリを書いたつもりは毛頭ないだろう。
しかし、中にはミステリを愛し、正面から四つに取り組んだ文豪もいる。その代表的な作家といえば、福永武彦(加田怜太郎)と坂口安吾だろう。
「不連続殺人事件」は、日本ミステリのアンソロジーが組まれる際には、十中八九、収載される名作である。複雑怪奇な人間関係、やたらと多い登場人物(しかもそれぞれにあだ名がある)にたじろぐが、最後まで読み通せば、ミステリにかけた安吾の思いを感じることができるだろう。すなわち、ミステリは論理的で、かつ読者が答えを導き出せる知的ゲームということである。トリックのためのミステリは否定されるし、トリックが論理的であったとしても心理描写が矛盾していれば、それもまた否定される。かくて、安吾は幕間に挑発的な「読者への挑戦状」を挟むのだ。
私が初めて「不連続殺人事件」を読んだのは大学生のころ、その時も犯人はわからなかったが、今回もまるで分からなかった(要するに忘れていた)。学生時代にはあまり感じなかったが、再読して、かなり露骨な女性蔑視、差別表現があることに驚いた。時代の流れを感じる。
この新潮文庫版は創元推理文庫版を底本としており、その編集にあたった東京創元社の名編集者・戸川安宣さんと北村薫さんの対談も収められている。それだけでも手にする価値はある。
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舞台設定は非常に好みだったが、やたらに屋敷の構造が複雑なのと、登場人物も多く、入り込んでいくのに苦労した(文体が現代風でなかったのもある)。
純粋に犯人当てを楽しむことができてよかったが、真相については個人的にはあまり興奮するものではなかった。
緻密に作り込まれている点は本当にすごいと思う。
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山奥にある資産家の邸宅に集まった、詩人、作家、画家、弁護士といった人びと。横恋慕、嫉妬など人間関係が複雑に絡み合うなか、つぎつぎと殺人事件が起きる。
坂口安吾ははじめて読んだが、文章が読みやすく、テンポよくあっという間に読み終わった。
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1947(昭和22)年から1948(昭和23)年に連載された、坂口安吾の本格推理小説。
学生の頃、安吾の初期小説やエッセイにはまっていたのだが、ちくま文庫の坂口安吾全集が絶版になってしまったため、より後年の著作は読んでいない。
坂口安吾はミステリを読むのが大好きで、犯人当て推理なんぞも楽しんでいたそうだ。そんなミステリ好きが書いた、本当にミステリらしいミステリとなっている。
冒頭の1章が長く、ここに大量の登場人物が次々に登場して辟易させられる。そして、その人物たちの無軌道な性の乱脈ぶりや、互いに攻撃し合う猛々しさに驚く。なんだか凄まじい世界を描いている。安吾、暴れているなあ。
私のメモリー回路のキャパを遙かに上回る大量の人物たちとその人間関係に幾らか混乱させられたが、途中から次々と殺されてゆく。ここでは何と8人もの殺人が起きている。そのへんもちょっと事件が多すぎる嫌いがあり、最後の解決編は、果たしてこれで全部解決したのだったかな?と、心配になった。
読んで面白い小説ではあるし、安吾がこんなのを書いたということ自体も面白いと言えるだろう。
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こんなにも苦手なタイプとは!そもそも推理小説苦手?久しぶりだったからかな。たくさんの登場人物にも耐えられない人間になってる私、ショックーー。坂口安吾好き名乗りたかったのに心折れそ。