紙の本
朝が来た
2021/11/19 14:40
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投稿者:ヤマキヨ - この投稿者のレビュー一覧を見る
冒頭からわが子をめぐるトラブルで振り回される展開。わが子の言葉を信じるのか、「被害者」の言葉を受け入れるのか。一般的にはわ我が子を支えるものだが、この子は血のつながりはない「特別養子」。「こんな子をもらうんじゃなかった」と思うこともあるかもしれない。
少し前に読んだ「そしてバトンは渡された」では、離婚や再婚で家族の形が変わる中で、家族のつながりについて感じるところがあった。本作では特別養子を通して、生みの親と育ての親、そしてやはり家族の形態についての問いが立てられていたように思う。
不妊治療や望まぬ十代の妊娠など重いテーマもあって、途中読むのが苦しくなる部分も。その先に迎える「朝」でだれが日を浴びることができるのか。
紙の本
子供の存在。
2019/07/13 02:06
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投稿者:優乃 - この投稿者のレビュー一覧を見る
自分は子供には恵まれたので、
本当の意味で理解することはできないと思いました。
そこまでして欲しい存在になるのだろうか。
ありのままの現実を受け入れることは無理なのかな。
人の価値観は本当に様々だと思わされます。
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評価に迷った。☆5でも良かったかも。☆4.5と言ったところか。
幼くして子を授かり、生まれたばかりの我が子を養子縁組に出したひかりと、その子を養子にした佐都子の二人の人生。
特にひかりの章は涙なしでは読めない。
「広島のお母ちゃん」って呼んでもらえたことで、ひかりの人生が少しでも楽になれたのかな。
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一気読みした。最後は泣けてしまった。
育ての親夫婦と、生みの親の両親の対極さから、親になることの責任の重さを改めて感じた。
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ひかりの浅はかさにイライラしたり呆れながらも、朝斗くんの両親の優しさや毅然とした態度に救われました。
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不妊治療の末、「特別養子縁組」の制度によって子どもを迎えた夫婦と、生まれたばかりの我が子を託した少女、二人の視点から語られる物語。
不妊治療や望まない妊娠、養子縁組制度についてなど、社会問題にフォーカスした話だった。女性の生き方、母親になる、ということについて考えさせられる。
難局を乗り切って心温まる結末……なのだろうけど、実際にいまの社会が抱えている問題だけに、完璧なハッピーエンドとはいかない。自分のいる場所のすぐ傍にある社会の暗部が描かれていると思うと、とても怖かった。
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辻村深月だし、本屋大賞ノミネート作品だし、ってことで早速ゲット。本書のタイトルでもある最終章がもたらすカタルシスは、さすがって感じの納得の結末。ただ、色んな制度とかを説明したに過ぎないと思えてしまう第2章が、個人的にはどうしても蛇足に感じられてしまい、作品全体の評価に若干影響してしまった。
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この本を手に取る直前に、『特別』養子縁組という制度を知った事もあり、物凄い勢いで読み終えた。
離れているにせよ、一緒に暮らしているにせよ、どれだけの形の親子がいるんだろうなと改めて思った。
私にとって大切な本になりました。
結末は肩を撫で下ろしましたが、この先が読みたくてたまりません!
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ストーリーの魅せ方が上手い作家さんだなぁ、と思いました。少しだけ読むつもりが、どうしてこうなってしまったのか、気になって気になって、一気に全部読んでしまいました。
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本屋大賞2016年5位。特別養子縁組で子どもを授かった夫婦と子供を手放した母親の話。それぞれの人生の苦悩を丹念に描いていく。特に実の母親が出産後追い込まれていくのが辛すぎて途中でいやになる。イノセントデイズもこんな感じだったけど、辻村さんの方がさらにリアリティがあって感情移入のさせ方がうますぎる。断然きつい。同じシーンをそれぞれの女性の一人称視点で描き分けるのも、ありそうであんまりない手法。個性の書き分けだけでなく、感情をくっきり書き分ける技術が必要だけど、違和感なく鮮やかに描き切ってる。すごい。ラストシーンはびっくりするけど、なんだか救われた感がある。うまいと思う。
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人生って、思い通りにいかないよなぁ。
ひかりの人生がやるせなくて切なくて・・・
どうしようもなく堕ちてしまうのが悲しい。
佐都子は、いい「母」だな。
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こんなに人の気持ちや情景に寄り添える作家さんがいらっしゃったとは、、、伝える才能に嫉妬しました。未経験の想いがたくさんでしたが、共感し、涙があふれました。
たくさん女性に読んでもらいたい一冊です。
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読書の秋、ランキングと皆さんの評価を見て買ってみたが…。
子どもが出来ずに特別養子縁組制度を活用して子供を授かった夫婦の今と、意図せぬ妊娠で出来た子供を他人の手に渡さざるを得なかった女子中生・ひかりのその後。
子宝に恵まれず不妊治療まで行った夫婦の、縁組制度のことを知り養子を引き取るまでの過程や幼稚園に行くまで成長した子供との暮らしが描かれる前半。
調べたことを小説の型に嵌めていったようなところは感じるが、子供が出来ない夫婦の苦しみ、不妊治療の辛さや養子を引き取ってからの子育ての苦労が丁寧に描かれて、これはまあいい。
辛苦の果ての幸福の時に、突然産みの母が現れ、そして警察が訪ねて来る段になって、話はミステリーっぽくなっていくのかとも思ったが、豈図らんや。
ひかりを描くパートになると、彼女が妊娠してから堕ちていく過程や嘆き狂う家族の姿は、なんだかそこらから引っ張ってきた感じでありきたりと言うか陳腐と言うか…。
途中で読むの止めようか思いながらなんとか読んだが、最後のほうは斜め読み。
ラストで無理やり佳い話風に収まっちゃったけど、なんの捻りもないお話で、何を伝えたかったのでしょうという感じ。
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特別養子縁組で関わった、養母と実母を描いた物語。
実母であるひかりの生き様が後半を占めるのだが、本当に痛々しい。
彼女やその彼氏のあまりに無知な言動と思考に、正しい性教育の重要さを考えてしまう。
そのため、年齢設定もあるが、養母である佐都子の大人な対応がまるで聖母のように映る。
そして、二人の子供である朝斗は、文字通り太陽の光のように眩しい。
ラストはタイトルどおり、朝焼けに包まれ、希望に満ち溢れて終わる。おすすめ。
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比較的高齢で授かった一人息子の朝斗を含め、理想的な親子三人で日々を送る佐都子。トラブルにも親子の絆は揺るがず、前半の物語は収まる。
そんな佐都子のもとに一本の脅迫電話が入り、後半、もう一人の主人公ひかりの物語へとつながる。
最近、この著者が書く作品に性的な話題を扱う割合が増えて来ている。日常の感覚をうまくすくって感動的な物語に仕上げてきた作品群が好きだったので、安易(ではないのはわかっているが、頻度として)に性問題を絡めるのは「そうしないとドラマが作れない」ようになってしまったのか。
少々残念。