投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
話の構成が上巻、下巻と全く別の作品
となって読者は混乱と驚きの渦に巻き込まれる。
とにかく上巻では突如犯人の名を叫び
唐突に幕は降りる。
何がどうなったのか知りたくて下巻を
読み出すと予想もしない展開が繰り広げ
られ、まるで劇中劇の様な展開に。
犯人は誰なのか?
これは推理小説では1番大事な事だが
そこを超えて繰り広げられる物語の構成
は見事としか言いようがない。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
下巻の1ページ目を読み始めて、
あぁ、そういうことだったのかと。
そこからは結末まであっという間であった。
何ともネタバレ無しでは説明しにくい作品。
ただミステリーという概念をひっくり返す傑作であろう。
こういうのが読みたかったんだよ。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
面白かった。作中作の謎解きの方がよかったな。(小説のなかでの)現実の事件はなんだかな~な感じ。しかし、こんな異常者にあれ程の作品が書けるのかね。才能ってわからないものですな。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
「カササギ殺人事件」はあくまで作中作。
それを忘れる程に上巻のあの雰囲気に没頭していた者程、下巻を開いた途端にスーザンと同じ憤りを感じる羽目になる。
消えたミステリの結末、転落死した作家、間に合わなかった遺書の書き換え、作中作のモデル達、伏せられていた過去の関係、そして隠された暗号。
時代を現代に移し、新しい謎を振りまきながら下巻は全く別の展開を見せ初める。
古典ミステリの良さを存分に出しながら、下巻の展開と明かされた秘密はある意味とても現代的。
アラン・コンウェイの破天荒な性格が判明しても尚「カササギ殺人事件」は面白いし、それだけでシリーズ物として成立するだろうに、これを一冊限りのトリックとして作中作に丸ごと使ってしまう甘美な贅沢さ。
まさしくミステリファンへのプレゼントだった。
訳で読んでいる以上アナグラムはどうしようもない。けれど暗号に関しては訳者さんに心から拍手。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
ちょっと細切れで読んでしまったので、改めて上巻から通しで再読。これはもう1回、メモでも取りながらじっくり読んだ方がいいかもね。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
読みはじめると、上巻の物語が作中作であることにまず驚愕する。そこからその物語の編集者視点になり話が進んでいく。そして2つの物語は絶妙に絡み合い、最後に私たち読者は真実にたどり着く。読了した後は上質なミステリーを堪能できた高揚感に浸れるはず。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
期待しすぎたのか、私の中ではそれほど上位には入らなかった。
下巻に入り、少し疲れてしまいました。
私としては、1つずつ楽しみたかったなぁ。
ミステリーなのに、私なら迷わず仕事よりギリシャを選ぶな、という感想が真っ先に思い浮かびました(笑)
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
「なんの下調べもせず、批評やコメント、感想を見ずに読んだ方がいい」まさにこの通りの作品だった。
下巻を読み始めた時点で唖然としたのも事実。上巻を読んだ人達は皆、つい上巻を見直してしまったと思う。それほどまでに、精密に作り上げられていた。
ネタバレになるのでこれ以上は書けないけど、ぜひ「なんの下調べもせず」読み切って欲しい。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
タイトルの小説が描かれた上巻、その未完のミステリーの結末を探そうと女性編集者が奔走するのが下巻というひねりの効いた構成。
下巻を手に取るまで、上巻が作中作だということをすっかり失念していた。
犯人は誰だろうと考えながら、古き時代のゆったりとした謎解き小説を堪能できる上巻から、がらりと雰囲気が変わる。作者の術中にみごとにはまり、編集者と同化してとにかくカササギ~の結末が知りたくてたまらなかった。
かつてクリスティなど古典的な推理小説を読み漁った私にとっては、とくに作中作がわくわくして、逆に下巻での謎が解き明かされていく部分では、夢から覚めたような寂しさを感じたほど。
読み終えてから数ヶ月経ってしまい、さかのぼってレビューを書いているのだが、印象に残っているのは上巻だというのも、なんだかね。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
書評が大絶賛だったのでかなり期待していたものの、事件自体にはそんなに驚きはなかった。しかしこの本の本質は、犯人捜しよりもそのプロットにあった。逆に言えばプロットが凄すぎてミステリー自体が少し目減りしてしまった感。よくある、過去の事件と現在との因縁とはちがう、2つの物語。下巻を読むときも、上巻を手放さないほうがいいかも・・・
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
下巻の登場人物を見て驚いた。
上巻と違う!
そして上巻で尻切れトンボになっていたサー・マグナス殺人の犯人がわからないまま。
小説の中の殺人と現実の殺人が絡み合い本当に面白かった。
そしてこの展開に驚いた。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
下巻の1ページ目に唖然.そうか,上巻の冒頭に感じた違和感の理由は,そういうことだったのか・・・・・
上巻は古き良き時代のミステリーに捧げられたオマージュ,下巻が本筋で,それぞれ単独では傑作とはならないレベルのようにも思うが,両者を入れ子にする構成・アイディアの妙で「ミステリが読みたい! 2019年版」海外部門1位に.
この作者にとって,ヤングアダルト小説やホームズもの,ボンドもの,ドラマ脚本以外の,初のオリジナルミステリー,とのことなので,若い人かと思ったら既に63歳.芽が出ない作家志望者のパッとしない小説,純文学を気取ったコピーもどきの小説を作中で書き分けてしまうなど,大御所です.女王陛下から既に叙勲もされています.
本書については散々言われていますが,ぜひ予備知識無しで読んで下さい.
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
読了し、即パソコンを開いてレビューを書こうとした矢先、このミス海外作品1位のニュース。4冠は伊達じゃない。それくらい抜群の面白さであった。
「アガサ・クリスティのオマージュ」と評される作中作と、その作品の編集者である”わたし”を語り手として現実世界の入れ子構造。この2つが絡み合い、最終的に両方の謎が解決に向かっていくのがこの下巻。
作中作のアティカス・ピュントによる謎解きパートの意外性にやられた。そのどんでん返しは思いつかなかった。完敗。ある現象が引き金となって、これまでのすべての出来事の見え方が一変する。そんなミステリの醍醐味を、改めて味わわせていただいた気がした。
海外ミステリはほとんど読んだことはないが、これをきっかけに読んでみたいと感じさせる1冊。いやあ、お見事でした。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
元々大作は好きだし、作中作自体も読み応えがある入れ子構造となった本書は、私のような向きにとっては贅沢とかゴージャスとかいった形容がふさわしい小説かもしれない。
随所で言及もされているが、コナン・ドイルやアガサ・クリスティなどのいわゆる英国古典ミステリーを彷彿させる空気にも満ちていて、嬉しくなる。
「絹の家」を物している著者だから当然ではあるけれど。
発見された作中作の最終章で、ピュント氏が推論のみをベースにしながら、ズドンと断じきるところも、いかにも、”らしい”(笑)。
途中で正直、中だるみするところもあるので、ヴォリュームはもう少し絞り込めたとは思うし、本編・作中作ともに物語の仕舞い方が若干乱暴だなとも感じるが、上質のエンターテインメントであることは間違いない。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
今年の話題作。古典的な探偵小説と現代サスペンスを同時に味わえる、一粒で二度おいしい作品。物語はふたつのパーツの組み合わせで成り立っている。上巻は、名探偵アティカス・ピュントの活躍を描いたパートである『カササギ殺人事件』という作中作で、下巻は、編集者である「わたし」が作者アラン・コンウェイに絡む衝撃的な事件の謎を追うパート。
プロットは巧妙で構成は緻密。容疑者はもつれ合い、様々な動機が見え隠れしつつ、ストーリーは二転三転する。上巻と下巻がカードの表と裏のようで、読み進めるほどにシンクロし、絡み合った糸をほどけばどちらの事件も解決するという鮮やかさで、フーダニットとしての完成度が極めて高い。
やや細かすぎて散らかってる感もあるが、終盤の伏線回収は心地よかった。シニカルなラストも嫌いではない。ミステリを読む楽しみはこういうことだったとあらためて実感させてくれる逸品。アナグラムを違和感なく日本語に訳した翻訳者の手腕とセンスには脱帽です。