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4話からなる。
人情江戸歳時記と、描かれていて、どれも物づくりの話が、基礎と、なっている。
「蠟梅」針仕事 袋もの
「木いちご」鼈甲細工師
「藪椿」漆器の塗師
「恋の櫛」柘植細工師
どれもが伝統を受け継ぐ仕事であるのは、良いのだが、どれもこれも、お金にまつわる話であり、蠟梅など、男の口車にのって、貯めたお金を全て取られてしまう女が、描かれている。
最後は、元のさやにおさまるのだが、、、これでいいのだろうか?と、わだかまりが、残るのでは・・・・
「木いちご」にしても、幼馴染にお金を用立てるために、無理をしたのに、それは、賭博へと、化してしまう。
最後に、賭博で稼いだお金で、返って来るけど、その友人は、死してしまう。
「藪椿」塗師が、好意を持っていた女は、嫁したのに、情にほだされて、お金を貸してしまうのに、持ち逃げされる。苦労を知っている糟糠の妻おすぎが、目に見えない所で、尻ぬぐいをしている。
「恋の櫛」 武士でも、ここまで、お金に貧窮しているとは・・・・
しかし、この最後の物だけが、未だ、お金の困窮だけでなく、未来が、明るいように見える。
煩悩に翻弄される人間を描いているのだが、、、、人情味あふれた作品の方が、好きである。