紙の本
医師とは何か
2019/08/03 16:58
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投稿者:アルテミス - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本は一人の登場人物が医師としてどのように成長していくかについて書かれています。恋愛的な要素も多いのですが、医師としてのあり方に焦点を当てた作品だと思いました
電子書籍
知念実希人らしい内容
2019/04/26 17:08
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投稿者:sato - この投稿者のレビュー一覧を見る
理不尽だったり切なかったり、でも最後は温かい。気持ちよく読み終えられる。
知念実希人らしい内容。読んで良かった。
紙の本
医療ものは
2019/04/04 18:22
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投稿者:おどおどさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
従事した事はないけど、深い話が多く、つい惹かれてしまう。
また子供の頃、骨折して入院した為、看護師さんは本当に白衣の天使だと思った。これを読んで、医療従事者に感謝したい。
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大学病院を舞台として院内の権力争い、医療現場、
三人の研修医の指導を指示など様々な過酷な勤務に耐えている医師。
そこへ怪文書騒動が巻き起こるという医療ミステリーと
ヒューマンドラマ。
大学病院というのはドラマなどでもよくあるように
権力争いがあり、この作品でもこの権力争いがあらゆる所で
行われているのが描かれています。
教授を中心にして、そして医局、そして親しくしていた
と思った同僚、後輩、研修医からと様々な人間関係で
それぞれの争いがありこれだけでもとても疲れそうな気がします。
どこの社会でも人間関係には困難がつきものかもしれないですが、
命を預かっている場所であるのでこうゆう抗争は
極力控えてもらいたいと思ってしまいました。
平良先生のように常に患者側、その家族の立場になって
何事も判断してくれるというのは、患者だけでなくその周りを
和ませてくれて、病気に対しても弱気になっているところに
少しでも元気をもたらすことになるのでこうゆう精神というのは
大事だなと思います。
いくら手術の腕が良いとしても、
人間対人間としての関わり合いだと思うので
治療だけでなく精神面でも支えてくれたら嬉しいかと思います。
医療現場の大きなシーンが何度かあり、
そのたびに適切な治療と患者と家族へのフォローがされていますが、
絵里香ちゃんの世界的にも症例のない病に対しての
病状への取り組み方や患者と家族に対してのフォローの仕方にはとても心を打たれました。
こんなフォローの仕方をしてくれたら
きっと家族の方も心を穏やかに出来るのかと思わされました。
院内に怪文書が流れたことにより
医局内でも更に人間関係が怪しくぎくしゃくして
ミステリー小説らしさがありますが、
思ったよりもミステリー感がそれ程なく、
むしろヒューマンドラマ性の方が強い作品かと思いました。
自分の大きな夢であった心臓外科医という大変な職業を
自分だけで成し遂げるのではなく、その裏で明るい家庭と
明るい奥さんが支えているというところが、
この平良先生の救いでもあり、
それがこれからの先生の将来に明るい兆しが
見えたところが良かったです。
作品中にもあったように
冠動脈は心臓に血液を贈る血管、つまりは命を栄養にしている血管だ。
私たちはただ血管を紡ぎ合わせているんじゃない。
患者の人生をひいては「人」そのものを紡いでいるんだ
人を紡ぐ・・・
人を紡ぐという大事な医療現場につかれている方には
この精神を持ってもらいたいなと思うと同時に、
多くの方に人として大事なことは何かということを
知るためにもこの作品をお勧めしたいです。
知念さんの作品はこれが初めてですが、
とても読みやすく心温まったので
これをきっかけに他の作品も読んでみたいと思います。
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大学病院の心臓外科が舞台。知念さんならではの具体的でリアルな描写に知的好奇心も満たされる。専門用語、いろいろ覚えた。
主人公の、まっすぐでまっとうな医者、平良の顔が脳内でどうしても知念さんになってしまう。
大学病院での権力争いや、出向先についての医者としての思惑など、それでも医者か!と思わずにいられないことが多い。でも多分これが本当の姿なんだろうな。そんな中でも患者のことを一番に考えて治療、行動できる平良に心が寄り添う。の、だけど、終盤、もしかして…これは、あるいは…まさかの…といやな想像が頭をよぎる。
いやぁ、よかったよかった。こういう結末でよかった。
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この、読み終わった後の満ち足りた気持ちは、他の著者では味わえないかもしれません。
タイトル「ひとつむぎの手」の意味が分かった瞬間に全身を駆け巡る感情が本書籍の全てです。きっとこれ以上は何を書いても蛇足になるでしょう。
どうらや自分は知念侑李さんが創るヒューマンドラマと凄く相性が良いみたいです。
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【あらすじ】
大学病院で過酷な勤務に耐えている平良祐介は、医局の最高権力者・赤石教授に、三人の研修医の指導を指示される。彼らを入局させれば、念願の心臓外科医への道が開けるが、失敗すれば…。さらに、赤石が論文データを捏造したと告発する怪文書が出回り、祐介は「犯人探し」を命じられる。個性的な研修医達の指導をし、告発の真相を探るなか、怪文書が巻き起こした騒動は、やがて予想もしなかった事態へと発展していく―。
【感想】
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天久鷹央シリーズのファンであれば、受け入れやすいと同時に、比較すると興味深いだろう。と、『祈りのカルテ』の感想に書いた。同じ大学病院を舞台とする本作も、また然り。主人公の人物像という点では、本作の方がより興味深い。
本作の主人公・平良祐介は、極めて等身大のキャラクターだ。医師として誠実なのだが、組織内を立ち回るのは下手で、要領は悪い。妻子の待つ自宅に帰れるのは週に数回。しかし、譲れない目標があるから、長年の不遇に耐えてきた。
超激務の心臓外科だけに、離脱する若手は多い。それでも一人前の心臓外科医になりたい。着実に経験を積むライバルに、嫉妬や焦燥が募る。そんな彼が、3人の研修医の指導を任された。2人以上を医局に入れろと、教授は言う。さらには、権力が入り組んだ院内に、怪文書が飛び交う。一発逆転のチャンスかもしれない。
初っ端から頼りない面を見せてしまった祐介に、侮蔑を隠さない研修医たち。しかし、救急現場では見違えるような働きを見せ、また入れ込みすぎをぴしゃりと叱る。3人ともたちまち心酔するのに苦笑するが、これこそ本人がわかっていない祐介の良さなのだ。しかし、彼は自覚してもいる。下心で動いているに過ぎないのだと。
研修の打ち上げで、3人に本音をぶちまける祐介。簡単に踏ん切りがつかないのが、人間というもの。クライマックスに至り、納得する。タイトルの意味は、これか。そして、怪文書の真相は意外であった。背景にあるのは、現実にも聞く話。それでいいのか祐介。どこまでもお人よしで、人間臭い男だ。
教授を頂点とした医局の人間模様は、もちろん興味深いが、本作の本質は、祐介が前を向く過程にある気がする。自分自身、嫉妬や劣等感を抱えて生きてきて、人は人と思えるようになるまで時間がかかった。せめて祐介のように、真っ直ぐでありたいものである。祐介の前途は、きっと明るい。
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タイトルと装丁はとても優しいのですが、内容は病院内のゴタゴタと研修医とのアレコレを描いた、わりとシリアスなもの。優しい気分での読了にはなりませんでした。平良さんの奥さんがとても素敵な人で、家庭に恵まれていたのは救い。最終的な決断を止むを得ないだろうな、と思います。科によって精神的&肉体的負担が違うのだろうな、とは想像していましたが、読めばちょっとため息が。そして、出来れば人として「まとも」な人に診てもらいたい、と思う私。
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大学病院の医局のお話。
平良先生と研修医たちの絆が結ばれていく様が温かくて繊細でとてもリアルだった。
平良先生ファミリーと研修医さん達のその後も覗いてみたい(*´-`)
とても面白かった。
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真面目に、真摯に生きていても、報われないこともある。
でも、そういう生き方は、思いがけない誰かに届いているものなんだろうな。
ものすごく努力して、夢を叶えようとして、道を間違えてしまうこともあるかもしれないな。
でも、道は続いてるんだよね。
努力が報われず、徒労に打ちのめされることもままあるよな。
それでも間違ったことをしていなければ、自分で自分に胸を張ればいいんだよね。
頑張った人が報われるのを見ることは、本当に嬉しいことだけど、まったく報われないことなんて絶対にないはずだから。
「大丈夫だよ」って、自分にも、人にも言ってあげたくなるような、あたたかい気持ちに満たされちゃって、ちぇっ!って感じ〜〜!!www
(ひねくれ者ww)
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病院内の権力争いや、人員不足、患者への対応など。裏側はきっと現実もこうなのかな?と読んでいて感じた。その中で不器用ながら患者の気持ちを優先して考えてくれる平良先生。思った事は顔に出るお人好し(*つ▽`)こんな先生が沢山増えて、お医者さんの負担も軽くなれば患者も安心なんだろうな。
平良先生にふりかかる難題。「彼にとって良い方向へ転びます様に!」と願いつつ読むも、彼が望む「一流の心臓外科医になるための道」は閉ざされていく( ;∀;)
周囲の妬み、突きつけられる現実。平良先生の中にも嫉妬や何故?!という黒い感情は渦巻くものの、妬んだ相手を(許しは出来ないが相手のベストである状態を考えて自分は身を引く)おとしめる事はせず、自分に下された厳しい結果も(苦渋の果てではあるが)受け入れ病院を後にする。こんなに柔軟?で、心の強い人凄い。素敵だ。私には到底出来そうにない( ´;゚;∀;゚;)
切ない結びだけれど、平良先生がこだわりから抜け出し、新たな道へ進む姿は清々しくていいなと思った。何より最後に、努力が報われるシーンは涙せずにはいられなかった(*´ェ`*)
面白かった!
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この著者が医師だからこそ書けるのでしょうね
こんなリアルな場面
医局のごたごたも興味深い
でも主人公の真摯な姿が胸を打つ
ヒューマンドラマ
まさにそうだ
新天地での明るい未来が目に浮かぶ
≪ 医師として いや人として これだけは ≫
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大学病院教授の賄賂を糾弾する怪文書。ミステリーのプロットは海堂尊の『ジェネラル・ルージュの凱旋』を彷彿させるが(半ば確信犯的なオマージュ?)本筋は心臓外科医と研修医の成長ドラマ。権力争いから離れて患者を救う医師というキャラクター造形は著者の天久鷹央シリーズにも通じるものを感じた。
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2つのストーリーが同時に展開される。
心臓外科医として6年研鑽を積んできた平良先生。教授から直々に研修医3名を勧誘するように命じられる。出来れば憧れの病院に行けるが、行けなければ心臓外科すら無い沖縄の病院に飛ばされてしまう。辛い生活を送る自らの姿を見せるべきか、それとも取り繕うだけかという判断を迫られる。しかし研修医は3人ともに個性的である一筋縄ではいかないことになってしまう、というのがストーリー1。
一方で、ある雑誌に教授の不正に関する告発が取り上げられる。情報をリークしたのは教授の地位を獲得しようとしている准教授か、医局長か、はたまた別の人間か―。その犯人探しも、ついでに命じられてしまう。もちろん出来なければ憧れの病院に行くことは出来ない。月日が経つにつれて、医局員の教授への信頼がどんどん失われていってしまい、平良先生も早く犯人を探さなければならなくなってしまう。この犯人探しがストーリー2。
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ミステリとしては在り来りな設定であるが、本作はミステリを楽しむものではなく、研修医との人間関係、医局との人間関係、そして自らの夢への努力などを楽しむものと思われる。大筋はストーリー2で、メインは教授の甥(1年後輩)との葛藤である。そこに付随してストーリー1が展開される。
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涙する、ということについては喜び、悲しみ、あるいはその両方あるかもしれない。ご都合主義的な場面もあるためそういうのが受け入れられ難い方にとっては冷める展開かもしれないが、読了感は高いため知念初心者という方にはぜひ読んでいただきたいと思う。