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投稿者:earosmith - この投稿者のレビュー一覧を見る
印象派、と冠された美術展は良く見に行きますが、では印象派とは何か、と言うと説明は出来ません。そんな私にもわかりやすく、楽しく読めました。
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印象派に至るフランスの近代絵画史の流れを取り上げている。
15世紀、ルネサンスの発祥地イタリア、そこから影響を受けたフランス人。
彼らがいかに絵画という芸術活動の社会的地位を上昇させるか?という意識から発生する美術アカデミー。
知識や理性に基づく「読む」というリテラシーの必要な宗教画を中心としたフランス古典主義が美術アカデミーの下発展する。
そのアカデミーの中でも理知的な古典主義に対する情緒的、色彩豊かなロココ主義、フランス革命後皇帝ナポレオンの誕生とともに再び揺り戻しが起こる新古典主義、そのあとに来るのが印象派だった。
印象派はそれまで主に宗教や歴史を題材としていた新古典主義とは異なる「現在」の風景、風俗を切り取り、鮮やかで明るい色彩を表現した。
本書では、エドゥアール・マネ、クロード・モネ、ピエール・オーギュスト・ルノワール、エドガー・ドガ、ベルト・モリゾ、メアリー・カサットと全6章の内2章以降に各人物を割いている。
彼らはほとんどが中流以上の階級であり、フランス革命以降急速に浸透するブルジョワ社会に生きる人々だ。また、同時期に世界的に影響力を増してきたアメリカという印象派が人気となる市場の存在も大きく関わってくる。
ブルジョワの台頭という意味でフランス革命と100年ほどのタイムラグがある、印象派という革命はまさに革命的だった。ブルジョワジーの革命の文化的側面としても。
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章立てが明快で読みやすい文体、また、それぞれの会が照会が手厚くて、本の熱さの割には初心者にもかなり読み易い良い本だった。
それぞれの関りが芸術面、人間関係面、資金面でかなり密接なのでもし人物関係図があると最高かつ完璧。