紙の本
思いは残ったか
2019/08/15 17:09
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投稿者:るう - この投稿者のレビュー一覧を見る
御家のために自らの思いを殺して生きた男の物語もついに終わった。
ここまで自分自身を押さえ付けねばならない生き方は見ていて悲しい。
理不尽な生の果てに理不尽な死を迎えねばならなかった皆の心はどんな形で残ったのか、そう思うと切ない。
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辛い。辛すぎる。こんなにしてまでも自分の思いを秘めなければならないのだろうか。何もかもをすぐぶちまけてしまう自分とは違いすぎるからこそ憧れるのだろう。一気に読ませる。涙が止まらない。なぜこの人は楽に生きられなかったのだろう。
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原田甲斐が、どんな状況になっても自分の信念を貫く姿に感動した。
原田の周りにいる女性陣の、個性豊かな表情にも、勉強になる所がたくさんあった。
いつの時代なのか、歴史が苦手だからわからないけど、上下関係の中で原田のした行動はどこをとっても超かっこよかった!!
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壮大なスケールの話に圧倒されつつ、
感動の波におされます。
悪臣とされていた原田甲斐の生き様をひっくり返す、山本周五郎代表作。
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主人公・原田甲斐の積み重ねてきたものが一挙に爆発するというか、崩れ行くというか。さまざまな人間関係、出来事がつながって終わりに向かって加速していくのがよくわかります。
先日テレビ朝日で2時間ドラマになったのは、本当に偶然のことで、驚きました。私のイメージしていた原田甲斐は、もう少し若くて、もう少し体格がよい人だったのですが・・・
最初からもう一度読み直すと、また、そうとう違った印象になりそうです。
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この小説は江戸時代に起こった仙台藩のお家騒動「伊達騒動」を題材に
している。
主人公の仙台藩の重臣 原田甲斐は、この小説が世にでるまでは、藩政を乱した「悪人」として、捉えられていたようだが、この作品のなかでは、「藩を救った忠臣」として描かれている。
この設定自体も作品の中のストーリーも「人の誤解や偏見の怖さ」それらによって生じるすれ違い・悲劇、「みんな心の奥にそれぞれ想いがあること」をあらためて思い直させてくれる。
これだけ、企業・組織として「スピード」が求められる世のなか、なかなかお互いの思いを汲むことは難しい。
また、それに時間を掛けていると「リーダーシップに欠ける」などとこれまた「表面的な」捉え方をされてしまうこともままある。
しかし、その時々で「思いを汲む」のではなく、常日頃から真摯にコミュニケーションをとり、本気で議論ができる、「信頼関係」をつくり、「意思統一」をはかっておくことがマネジメントの重要な仕事であると思う。
「当たり前」の話だが、これが非常に難しい。。
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誰に認められることがなくとも、ましてや後世の歴史から極悪人の烙印が押されようとも、自らが信じる正義を貫く原田甲斐の生き様に、山本周五郎は「樅の木」の姿かたちを重ね合わせたのでしょうか。登場する人物の栄枯盛衰の様にも何とも言えない悲哀があります。
私は学生時代に先輩の紹介でこの本と出会いました。以来30年近く、折りに触れこの作品のタイトルを紹介することはありましたが...
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【読後の感想や読書会当日の様子などはこちら↓】
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信念を持って事を成すのはいばらの道。孤独に耐え辛抱できるか。死すときでさえ思いを貫き通すことができるか。
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下巻は冒頭から泣いてしまった。死を目の前にした友を見舞い、お互いにもう何も話す事はないな、と目で語り合うところ。原田甲斐、切な過ぎる。目をかけていた毒味役の若者の死といい、元妻の不貞を見た故に敵の元へとやられた若者の死といい、甲斐自身の死に様といい、号泣ポイント多し。
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世に武士の忠義や鮮烈な生き様を語る説話、物語は多い。しかし本作の主人公はそうした苛烈で世間の耳目を引くような忠義のあり方を好まず、別の道を選んだ。人は誰かのために死ぬことができるが、それは本当に誰かのためなのか。献身と自己満足の境界、真の忠義のあり方について一石を投じる作品。こみ上げるものがある最後だった。
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号泣ポイントが多すぎる。
誰から誤解されようと、何をされようと、ただただひたすらに、伊達を守り抜こうとする原田甲斐。なんとも切なすぎる。
最期の最期まで、自分が悪となろうとも、それによって自分の家が断絶されようとも、藩の為にと肚を括っている彼の覚悟に、やるせなさを感じる反面、天晴れとも思う。
これは名作。読むように薦めてくれた人に感謝。
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耐えて耐え抜いて最期の時まで藩のことを考えて。そこまで我慢できるのは約束か主従か信念か。救いもないのに解放感。よかったです。
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上巻は人物関係などを理解するのに苦労した。
中・下巻はもう、ページをめくる手が止まらなかった。
自分に歴史の知識がないことがとても悔やまれた。難しい。
けど、知らない私でも十分にのめり込めたし、感動した。
こんな生き方があるのか…。やりきれない、けれど清々しいほど一筋な原田甲斐、かっこよすぎ。
サムライ→潔く散る みたいなイメージあったけど、この人は違った。
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江戸幕府から藩を守るという目的において、後世にまで残る汚名を甘んじて受け、一族の運命までも犠牲にしてことを成し遂げた。こんなにすさまじいほどの強靭な精神力を持った人間がいたのか?
ただ、こういう人間は、恐ろしいほど孤独なのだと思う。樅の木が、くび白が、そして宇乃が甲斐の心の唯一の安らぎであったのだろう。
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一般的には逆臣とされ、役人としては無能。という伝えられ方がされている原田宗輔という人物を、敢えて汚名をかぶり、耐え忍ぶ忠臣として描いたこの作品は『水戸黄門』や『暴れん坊将軍』も霞むほどの歴史ファンタジーにも思えます。ですが、苦悩しながらも志を貫き通す骨太のキャラクターとして描かれる作中の原田甲斐には、本当はこんな人だったのかもしれないと思わせる存在感がありました。お家の為に尽くす。という考え方は今では通用しないかもしれませんが、喚かず騒がず、黙って集団の為に己を捨てるその姿は読む人の心に必ず響くはずです。