紙の本
支配への嫌悪
2019/02/14 15:33
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:るう - この投稿者のレビュー一覧を見る
作者が暴力で人を支配しようとする者への嫌悪がくっきり表れている作品。
特に主人公たちの父親が気持ちが悪い。我が子の幸せにミクロ単位の興味もなく、ただ踏みにじるだけ。
このあたりは読んでいて辛いものがあった。
それでも別作品のあの人がちらっと出て来たり伊坂ファンにはニヤリとする物語でした。
電子書籍
そっち系やったかぁ~。
2018/12/26 21:57
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:のこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
望んでた描写のお話ではなかったけど、読む手は止まらず。
彼らが抱えさせられた闇、育てた闇、育んでしまった闇に、誰か寄り添い光を当てられたなら、また結果は違ったのかな?彼らは、拒んだ気もするけれど。
ある人物に、自分の過去について語る男。彼の物語は、現実離れしていて、受け入れがたいけど、彼の目的達成のためには、そのお話が必要だった。
わたぼこりの本名に、笑ってしまいました。
電子書籍
不思議な双子のお話
2021/07/22 02:37
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投稿者:くらひと - この投稿者のレビュー一覧を見る
双子の入れ替わり、と聞くとよくありそうなテーマだが、発動条件は大きな制限があり、その制限を利用した話の展開はこれぞ伊坂幸太郎。
結末は寂しい感じ。優我がワタボコリ連れて脱出、からの風我が高杉撃退、という流れでも「僕の弟は僕よりも結構、元気です」は効果的だったと思うけど、どうなんだろう。
ハルコさんハルタくんとの絡みももう少し見たかった。
紙の本
最後まで読んでよかった
2020/08/02 08:01
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投稿者:かのま - この投稿者のレビュー一覧を見る
読み始めて、心がだんだん重くなり、暗闇にひきずられそうになりました。救いはあるかないか、最後まで読んでもよく分かりませんが、それでも一つの結末を見届けて安心しました。
紙の本
双子の入れ替わり現象が引き起こすストーリー
2019/06/21 12:19
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投稿者:@rikkha - この投稿者のレビュー一覧を見る
双子が誕生日だけに起こる「瞬間移動」。この現象を使って兄弟にまつわる復讐を実現する物語。
私自身はこの瞬間移動という現象に現実さを感じることはできなかったものの、終盤に復讐の事実が分かった時にはとても面白く感じた。
優我と風我の正反対の性格は物語上で重要であるし、兄弟、双子しか感じられる絆のようなものがにじみわたる。
小玉、高杉、ハルコさん、ハルタくん、ワタヤホコルなど登場人物にも個性あり。
閑話休題。
伊坂幸太郎のファンであれば、読んでほしい。
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「フーガはユーガ」
1年ぶりの新作。
伊坂幸太郎の作品であれば500ぺージ超の上下巻でも直ぐに読み終える自信がある!何ならば1000ページくらいでも良いくらいだ。巧みなストーリー構成と伏線回収、印象的なキャラクター、くぅぅと唸りたくなるツボをつくセリフやシーン、多彩な世界観。一度読むと小説家が創造出来る世界の幅の広さや奥深さ、可能性を見せつけられる。
「フーガはユーガ」は、上記のストロングポイントを押さえ、更に双子から醸し出される深い“切なさ”がプラスされている。読了後、痛快さよりも不思議さよりも切なさが優った伊坂幸太郎の作品は久しぶりで、いつもは読み終わりたくないと言う気持ちと読み進めたいと言う気持ちの狭間に挟まってしまう気分になるものだが、「フーガはユーガ」は切なさをこれ以上知りたくないから読み終わりたくないと言う気持ちと双子が切なさを乗り越えた姿を見たくて読み進めたいと言う気持ちの間にいた。
主人公は常盤風我と常盤優我。双子である。風我と優我はある能力が自分達に備わっていることに気づく。ある時だけ発揮出来る不思議な力は、二人だけの秘密であり、巨大な力に屈しない為の拠り所だった。
この力を中心に物語が進んでいくのだが、もう一つ大きな意味を持つのは些細な気まぐれで少女にあげたぬいぐるみである。このぬいぐるみは、風我と優我にとってしこりであり、不思議な力で全てを終わらせることになったきっかけにもなる。
そして最期は、いつもであれば粋なキャラクターの粋なセリフ(と言えば、何故か五反田が浮かぶ)で締めるところではあるが、先に述べたようにそこには切なさもくっついてくる。金魚のふんの様にと言いたいところだが、その切なさは他の伊坂幸太郎の作品との差異に寄与するだけにそんなことは言えない笑。
このぬいぐるみに加え、絶対悪との対峙や悲しい別れ等切ない要素が多い。終わりのシーンも切ない。しかし、読み終わってみると、好きな伊坂幸太郎作品のBEST3に入るくらい好きな一冊になった。
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全幅の信頼を寄せているが、なにか少し引っ掛かりがあって、読み終えて、読み終わったことに対してほっとしている自分がいる。
歳を取ったってことかなあ。
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今年読んだ本の中で一番良かった。伊坂流ジャスティス全開だし、ワタボコリの再登場やタクシーのシーンは嬉しいサプライズだった。でもその後期待を裏切られ、電車のなかだったのにボロボロ泣いた。最後はハッピーな気持ちになれた。
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伊坂幸太郎らしい、スーパーナチュラルな要素を含む双子もの。よくまとまっていてなかなか良いのだけれど、結構救いのないところもあり、単純にいい話ではないことをどう評価するかがポイントかも。
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兄弟がテーマの作品は久しぶりかもですね。
テーマも簡潔だし、らしいな、と思うのですが、もう少し作品の掘り下げが欲しかったかも。
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半分過ぎたあたりからなりふり構わず一気読みでした。あまりに一気に読みすぎて、せっかく散りばめられた比喩や文学的表現をすっ飛ばしているかもしれません…伊坂先生、ごめんなさい。
毎度のことながら、伏線をキレイに回収する伊坂さんの作品はお見事です。
次々浮かんでくる疑問…
①ボーリングの球はどこへ行ったのか?
②風我のこと以来、小玉はどうしているのか?
③優我の話の「嘘と矛盾」とは?
④母親はどうしているのか?
⑤ハルコさんはどうしているのか?
④と⑤に関しては明確には描かれていないから、描かれていることで全て、なのかな?
伊坂さんはいつも究極のエンターテイメント!といっても過言ではないほど、面白い作品を描いてくださいます。そこに潜む悪、それが苦しいことも多く、時にしんどい。「アヒルと鴨のコインロッカー」は、特にそんな印象があって。
「フーガはユーガ」も、とても苦しい作品なのに、最後はほっこりする終わり方をする。今回は、いつにも増して、しんどかった印象があって、それでも、代償の大きさはあれど、スッキリとした読了感をくれた。あまりの読了感に、次にどんな作品を読むか、考えさせられます。まさに放心状態。
勧善懲悪、伏線の回収、案山子の登場、言葉遊び、等など、ファンにはたまらない新作です。案山子に気づいた時にはとても嬉しくて、長年伊坂作品を読んできてよかったなーと、しみじみしてしまいました。サイン本で読ませていただきました◎
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伊坂さんは嗜虐主義者をよく登場させる。それを楽しんで出しているのではなく、面白いから出しているのではなく、その存在を許しているのではなく、許せないし何も面白くはないのに存在していることを憎んで恨んで登場させる。それを読んでいるこちら側は、胸糞悪い気持ちにはなるが、伊坂さんがそういう気持ちで書いているものだということがちゃんと伝わってくるから、必ず倒してくれると絶対的な信頼があるから、救いがあるとわかっているから、だからこそ安心して読める。
伊坂さんの本の登場人物は、親が異常者ででも子供は親を選べないよね、みたいなのがたまにある。のは、伊坂さんのバックボーンに関係するのか?とかんぐっては見るけれど、上司の話を聞くと少なくとも今は幸せそうなようで、ならまぁいいか、と思う。
ただ、伊坂さん。ワルモンは殺してもいいけど、イイモンはぜひ末永く生かして欲しいなぁ。
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上手いなぁ。
切なくて、クスっと出来て、まさかの展開も前半からの付箋をちゃんと回収されている。
「フーガとユーガ」のアイコンが途中まで何かわからなかったが、「クマ」だったのか。
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伊坂幸太郎ファンなら誰しもが楽しめるのでは。
今作は双子が主人公。コミカルで、淡々としながらも悍ましく、そして切なく哀しいサスペンスとSFが混じったような作品。伊坂作品の中でも読みやすく、割と序盤から始まります。
伏線と伏線が重なって、誰が犯人とかそういうのはもうどうでもよくて、生きてて欲しいとしか思えなかった。どこかで二人が一年に一度の誕生日、飛び交ってないかなと思いながら。
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「 音もなく流れていく雲が、空を撫でていく。空の寝息が聞こえそうな静寂さの中で、町のあちこち、世界のあちこちでは、恐ろしいことが起きている。それは間違いない。」
ここすき。