紙の本
過疎の町
2020/08/22 08:38
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投稿者:吉村ファン - この投稿者のレビュー一覧を見る
人口減少による過疎化の町に
巻き起こるいろいろな騒動を描いて
ユーモアあふれる作品。
かって住んでいた町に思いをはせている人も
多いと思う。
そんな物語。
紙の本
田舎の暮らし
2023/06/07 16:18
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投稿者:hid - この投稿者のレビュー一覧を見る
ずっと同じ人達とkルアス訳だから、キツイ麺貼るよね。
今は若い人たちでも、いずれは歳を取るわけで。
そうなったときに、若いときの気持ちを保てるかどうかは
かなり厳しいんじゃないかなあ。
紙の本
ドキュメント番組のような作品
2022/12/03 11:26
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投稿者:Koukun - この投稿者のレビュー一覧を見る
北海道の寂れた過疎地を舞台にしたドキュメンタリーのような作品である。前半の二三編は身につまされる様な話ばかりで、読んでいてげんなりしてしまった。後半になってやや話にドラマらしさ、劇的な部分も出てきて読む方も張り合いが出てきた。そういう意味では巧みな構成 と言えるかな。
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北海道苫沢町という田舎町が舞台の連続短編集。近所の人はみんな知り合い、ちょっとしたことでも大事件!こんな町も温かみがあっていいな。そして少しくすっとできるのは奥田英朗作品ならでは。
向田理髪店は憩いの場なのか、みんな集まってくる。散髪は二の次笑。長所も短所もみんな分かってる。地元のつながりっていいよね。
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かつては炭鉱で栄えたものの、今は財政破綻で衰退の一途を辿っている北海道の架空の町を舞台にした物語。
向田理髪店の店主である康彦を中心に、田舎の現実をじんわりと読ませていく連作短編もの。
驚くほど狭い人間関係であるがゆえの息苦しさと長く続く関係からの地縁が混ざり合って、ほどよい温かみのあるものになっている。
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苫沢町にはモデルとなった町があると思うので
滅多なことは言えないのですが。
あくまでもフィクションとしてのこの作品への
レビューですので、お許しください。
経営破綻し、消えゆくしかない運命にある町。
その日常が向田理髪店の店主、康彦の視点から
描かれていきます。
昭和の匂いがするエピソードの数々は
実際には、現代の都会で暮らす大多数の人には
経験すらできないようなこと。
さらにその展開は、苫沢町の持つ独特な環境と
そこに暮らす人たちの境遇あってのもの。
つまりは、現実離れしています。
そこにぽつりぽつりと帰ってきた若者たち。
その動きは大人たちをハラハラさせますが
確実に色褪せた町の光景を明るく色づけ始めています。
滅亡の危機に瀕し、誰もが全てを諦めた国。
そこに希望に満ちた若者たちが現れ、国の運命すら
動かしてゆく。彼らは冒険者であり、英雄。
私はこの作品にそんなファンタジーの世界観を
重ねることができました。
康彦は近い将来、この町を救った英雄たちのことを
次の世代へと語り継ぐ、語り部なのでしょう。
だから傍観者の立ち位置で、物語には積極的に
関与しません。
手前勝手な読み方ですが、ご勘弁。
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自分の実家の方で起きてそうな話そのまま。
誰かに勧める感じでもないが読後に心から良かったと思う本。奥田さんはこの手の書き物が本当に上手い。
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口先だけでは抗うことが出来な程の過疎の現実をまざまざと見せつけられる。光など無いように見えるがそんな街も生きている。誰も座して死を待つことを望んではいないのだ。
あらすじ(背表紙より)
かつては炭鉱で栄えたが、すっかり寂れ、高齢化ばかりが進む北海道苫沢町。理髪店を営む向田康彦は、札幌で働く息子の「会社を辞めて店を継ぐ」という言葉に戸惑うが…。(表題作)異国からやってきた花嫁に町民たちは興味津々だが、新郎はお披露目をしたがらなくて―。(「中国からの花嫁」)過疎の町のさまざまな騒動と人間模様を、温かくユーモラスに描く連作集。
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田舎の距離感、それに伴う息苦しさやあたたかさが描かれていて、痛いくらいよくわかる。全体を通してシリアスとユーモアのバランスが程よくて、うまいなぁと思った。
私は田舎の出身だが、都会の人とのギャップはいかんともしがたい。生まれ育った環境というのは、言葉では説明できないものなのだ。それをひと際よく表しているのが、最後の「逃亡者」に出てくる和昌の台詞だと思う。その台詞が本当に良くて、救いに満ちていて、苫沢の明るい未来を願わずにはいられなかった。
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さびれていく田舎町を舞台にした連作短編集。
1つひとつの話で起こる事件が本当にありそうなことでとても面白い。若い世代の流出、地元産業の衰退、独居老人問題等、地方の町村が抱える問題に触れながら、そこに住む人々の心温まる交流がきっちり描かれていた。本当にこういう話を作るのが上手だな。
奥田さんはこんなハートウォーミングな短編集が以前よりも面白くなってる気がする。
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近所の理髪店が大好きだった。老夫婦が営んでいる理髪店で、飛び込み客は受け付けないという完全予約のお店。完全予約と言っても、土日は予約でいっぱいだったが平日は空いている。それでも常連客以外は、どんなに空いていても予約をしないと理髪をしないというマイペースなお店だった。
「忙しいのは苦手なんだよね」というのが店主の口癖で、それでも土日は予約でいっぱいなのは店主の人柄が穏やかで好かれていたからだろう。親父さんが髪を切り、奥さんが髪を洗う。そんな分担がのんびりとしたリズムのなかで行われていて、リラックスすることを求めて毎月通っていた。
理髪料金は洗髪や顔ぞりを含めて4,000円弱。最近では千円ほどで理髪だけを行うチェーン店も増えてきたが、昔ながらの理髪店にはリラックスできるという良さがある。その心地良い時間を味わうために定期的に通っていた。
そんなお気に入りのお店だったが、ある日のこと予約していた日時にお店に行くとカーテンを閉めた店内にポツンと奥さんが座っていた。ご主人が前夜倒れて、救急車で運ばれたとのこと。予約していたお客さんにお詫びするのために、病院から戻って待っていてくれたのだ。
お客さんを大切する気持ちに感動しながらも、ご主人のことが気になった。その後、幸いにしてご主人の容態は大事には至らなかったようだが、お店はそのまま閉じることになった。今からもう10年以上前の話だが、理髪店のポールを見るとこのお店のことを今でも思い出す。
奥田英朗さんが書かれた「向田理髪店 (光文社文庫)」は、過疎が進む北海道苫沢町ある理髪店が舞台の小説だ。苫沢町は架空の町で、かつて炭鉱で栄えたが今では財政破綻をした町だという。モデルになっている市町村は何となく推察できるが、逆に日本のどこにでもありえる町だという感じもする。
向田理髪店を営む向田康彦は、若い頃には都市部でサラリーマンをしていた。元々実家の理髪店を継ぐ気はなかったものの、父親が病気で倒れたことをきっかけに店を継ぐことになる。それから数十年、康彦の息子は札幌で働いていたが、ある日「会社を辞めて店を継ぐ」と宣言し戻って来てしまう。妻は手放しで喜んでいるものの、店の隣をカフェにするとか町を元気にするんだとかいう息子の言葉を、康彦は素直に聞くことができない。それでも、後継者不足の進む苫沢町ではありがたい話だと周囲に諭される。
そのほか、町に映画のロケを誘致する話や中国からの花嫁を巡る話など、高齢化と後継者不足の進む苫沢町で繰り広げられる日常を、向田理髪店と店主の康彦とを中心に連作短編で綴っている一冊だ。
過疎の町が抱える問題を鋭く掘り下げながらも、町の人々の暖かくてやさしい気持ちを描きながら問題を解決していく。登場人物の一人一人がとても個性豊かで純朴で優しくて、読み終わった時にじわっと心が暖まってくる。
理髪店というのは人が集まる場所だからこそ、人の噂や情報が飛び込んでくる。そのため、口の固さや物腰の柔らかさなど、店主の人柄がお店の信用と繋がってくる。私が以前通っていた理髪店にも、旅行のお土産を持ってくる人がいたり理髪が終わっても話し込んだりする人がたくさんいた。
そんな昔ながらの理髪店の良さも思い出させてくれる一冊は、心を温めてくれるだけではなく読んだ人の心を元気にしてくれる一冊だった。
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「何も起こらない系小説」(?)の良作。
舞台設定がまた絶妙で良い。
続篇を強く希望するものであります。
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好きな作家のひとり、奥田英朗氏の「向田理髪店」を読みました。
かつて炭鉱で栄え、今は高齢化が進む北海道の田舎町が舞台。
ユーモアたっぷりの暖かい人間模様。
6作の連作になっていますが、読んでいてとても気持ちの良い本でした。
みんなにおすすめできる一冊です。
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久々に奥田作品を。
大事件は何も起こらないのだけど(いや、町の人達にとっては起こってるのかもしれないけど)、何故こんなに面白いのか。やっぱり好きな作家。
最近頭が疲れていたので、さらりと読めてホッと暖まるようなストーリーが心地好く感じました。
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田舎はこんなに牧歌的なのか?
馳星周「約束の地で」は、同じ北海道の田舎の連作だが、真逆で田舎の生きずらさを描いているので、合わせて読みたい。