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投稿者:七無齋 - この投稿者のレビュー一覧を見る
戦時中の出来事だけでなく人が移り住み現在に至るまでの歴史をひも解いた貴重な本。悲惨な歴史が今も影を落としている現状も訴えている。
有名で、知られていない島
2021/07/29 23:14
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投稿者:ichikawan - この投稿者のレビュー一覧を見る
硫黄島といえば多く人が第二次世界大戦末期の激戦を思い浮かべることだろう。ではこの島の歴史をそれ以外、どれだけ知っているだろうか。硫黄島の「国策に翻弄された130年」は日本近代史を煮詰めたようなものなのかもしれない。
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2019年1月読了。
戦前は一攫千金を夢見て流れ着いた者、島内企業の労働者として働いた者、戦中は本土防衛の前衛基地としての島において戦いに参加した者、硫黄列島との関わり方には諸相があるが、戦後は一転して一般島民の帰島が許されず、今以て容易に出入りできない状態が続いている。
本土の復興の影で、在沖米軍、硫黄列島、北方領土といった「辺境」においては、住むことはおろか立ち入ることもままならない状態になっている。
「平和な本土」に住まう者はそこをどのように見るか、「自分が生まれた場所に入ることができなくなったらどう思うか」、こんなことを考える一冊だった。
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硫黄島の地上戦についての書籍かと思ったが、それだけではなく硫黄島に先住していた人々を主たるテーマとしている。
戦前から硫黄島にプランテーション経営がされており、会社(東京本社だが)まで存在していたこと。小作人含め1000人以上居住していた。島民たち地上戦前に本土へ強制疎開させられ、非常に苦しい生活を強いられており、帰島を望むも未だ叶っていない。
このような事実を本書で初めて知った。硫黄島といえばどうしても地上戦に目がいきがちだが、その裏でこのように苦難にあえぐ人々がいることは忘れてならないと感じた。
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硫黄島にかつて住民がおり生活が営まれていた事を初めて知った。また西表島の炭鉱でもそうであるが島嶼という閉鎖空間の中で酷使され搾取され続けた人達が日本の近代化の中にあったことも教育の中で教えていくべきものであろう。
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硫黄島がいまだに住民が帰れない島でいることがわかった。前著、群島の社会学の硫黄島に特化した本という感じか。映画についても論究がありバランス感覚のある良著である。
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硫黄・小笠原諸島や、ミクロネシアなどの南洋諸島の観点から見たら、戦後のサンフランシスコ講和条約や冷戦の米ソのレジームがクリアに理解できるようになった。
日本本土の戦後復興と、軍事的最前線におかれた朝鮮半島や台湾、軍事利用下に置かれ住民が基地被害や強制移住または核実験による被曝を強いられたミクロネシア、軍事占領下に置かれ住民が基地被害や強制移住を強いられた沖縄・小笠原・硫黄列島が相互に連関しつつ展開していた。
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映画を見て私も、わざわざ兵隊さんたちのために硫黄島に来てくれてたのか〜とか、日本先戻しといたの本当に正解だったよ!って思っていた。
島で取れる食べ物もあったし元々住んでた住民もいた。神社もあったし学校もあった。
その上激しい地上線の場として知られてはいない。
住民が元からいなかったことにされている。これはいけない。歴史を学ぶ価値があるなと思うし、戦争は住んでいた住み続けたかった土地を奪った上、あとは勝手に生きろと責任取らないしいいことがひとつもない。
住んでた住民がそのまま硫黄島で兵隊となってしまうの本当に悲しい。
というか、硫黄島の兵隊さんがほぼ家族がいだという事実も悲しい。自分たちの家族を守れると必死だっただろうな…
アメリカに島を囲まれ、一度も救援もなかったと知り生き残ったって死んでしまうじゃないかと。
硫黄島についての事実を知れば知るほど、
当時戦った人たちの気持ちを想像すると(しきれないけど)本当に悲しくなる。すごいなとも思う。
もう少し硫黄島についても学校で学ばせるべきだと思う。