紙の本
事件は重いが、ライトな語り口の科学ミステリ
2019/08/02 14:40
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投稿者:しょうちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
イラストが女子中学生~小学高学年には人気がありました。
女の子ウケするイラストだったのかな?
そういう意味では、「リケジョ」がテーマのこの小説にはピッタリだったように思います。
おかげで、科学が苦手な女の子たちが「かわいい」と反応していましたから。
小説は、科学知識があれば楽しめますが、ミステリとしてはライトなものなので、科学に疎くても十分に面白い内容となっています。
(事件そのものは重い)
ワトソン役となる、運が悪い男の子がもうちょっと魅力的だったらなとは思いましたが、ヘンに恋愛要素を強調していくぐらいなら、これぐらいの距離感の方がいいのかな。
個人的には面白かったです。
電子書籍
真理の探究
2022/06/05 07:20
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:藍花 - この投稿者のレビュー一覧を見る
神楽坂愛里は農学系修士1年生。科学を愛し、努力でノーベル賞を目指す。同じ研究室の4年生、福豊颯太は周りを巻き込む不幸体質。
颯太の飼育するラットの集団死、颯太の親友の殺人未遂事件。愛里の親友の死も事故ではなかった。愛里のたどり着いた答えは?
最近、リケジョが主人公の別作品を読んだところですが、こちらも主人公の理系女子に思いを寄せる男の子が出てきます。農学部が舞台のお話なので、化学、医学、生物学との知識が駆使されます。愛里も目的のためには手段を選ばずということで、結構無茶をします。真理の探究とは、こういうものなのかもしれません。
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農学部のリケジョの話ですが、出てくる内容は自分が学生時代に過ごした理工学系と変わらないので、懐かしさを感じました。
最初のラットの一斉死の話が特にトリックも犯人の悪足掻きに対する追い討ちの推理も面白かったです。
2話ともミステリとしては面白かったのですが、主役2人のキャラに最後までちょっと馴染めなかったのが申し訳なく。
キャラクター小説より、もっとティーン向けのライトノベル感がしたので。
大学に警察が何度も来て逮捕劇を繰り広げた割に、その後何もないところとか(普通ならマスコミが騒ぐ)少し気になる部分もありました。
大丈夫かしら、この大学。
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一体、頭の中はどうなっているんだろう?と不思議になるほど、色々考えている愛里。ちょっとしたことも謎を解くヒントになる。そんな愛里の行動の根幹は科学に真摯に向き合うこと。そこがぶれないのはすごい。周りに流されずに、自分が大切にするものを持ち続けるって、大変なことだから。
愛里ならもしかしたら本当にノーベル賞を取ってしまうのでは...。と思ってしまった。
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・ミステリ。リケジョが理系らしい? 思考で謎を解く。ということになっている。
・動物棟のラットが五十匹まとめて死んだ。感染症が疑われる中人為的なものを感じた愛里は。
・颯太は持ち前の不幸体質で零下二十五度の冷凍室にスズメバチを召喚する? 愛里と林原にとってかなしい事件。
・おそらくシリーズ化するのでしょう。
▼簡単なメモ
【小倉楓/おぐら・かえで】愛里と同期の修士一年。小柄でかわいくアイドルのようなアヒル口。
【甲斐重雄/かい・しげお】動物棟の責任者である初老の教授。厳しいので有名。
【神楽坂愛里/かぐらざか・あいり】主人公。東央大学大学院一年。ノーベル賞を目指している。何よりも努力をした経験が大事だと思っているが自分に足りないのは運だとも感じている今日この頃だった。清楚なタイプの美人。
【坂井直人/さかい・なおと】竜崎恵美の恋人。東央大学理学部生物科四年。
【笹島誠治/ささじま・せいじ】愛里が所属する研究室の助教。37歳、子どもが生まれたばかり。
【澤田康介/さわだ・こうすけ】愛里と同期の修士一年。身長180cmのさわやかイケメン。筋トレやランニングが趣味。
【須藤研究室】愛里や颯太が所属する研究室。主の須藤先生はまだ出てこない。
【遠崎留美/とおざき・るみ】坂井直人の隣室に引っ越してきた女性。
【林原和明/はやしばら・かずあき】颯太の同期で四年。テニスが人生の中心にあり腕前は国体級。解剖が上手い。
【福豊颯太/ふくとよ・そうた】東央大学四年。愛里に惹かれているもよう。不幸を呼ぶ男。不幸体質というのは別の面で見れば好運体質でもある。その程度ですんでよかったねとかその不幸なできごとがあったからより致命的な他の不幸を回避できたのかもしれないとか。
【マウス】ハツカネズミ由来の小型実験動物。
【ラット】ドブネズミ由来の実験動物。とてもかわいい。
【竜崎恵美】愛里の数少ない友人の一人。農学部ではなく理学部修士一年。きらびやかな美人。109が素数なのを喜ぶ愛里を「キモい」と言う。
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理系的なことをわかりやすく、でも陳腐にならず説明してくれているのは面白い。
伏線も全て回収していて、スッキリです。
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推理に必須なデータが後出しだったり、一般的とは言えない特殊な知識だったりで、ミステリとしてはアンフェアで評価できない。キャラものとしては標準かな。評価ポイントはリアルな実験室や理系大学生の描写になるかな。
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トリックというか謎解き自体は面白かったと思う。けど、いくら相手に合わせちゃうとは言え、結構合理的な考え方しそうな子が、次の相手に待ってもらいつつ今彼とキスし続ける感性がわからん。結局バレてるし。そりゃ怒りもかうよ。あと警察がめっちゃ謙虚で優しい。
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真面目な大学院生のリケジョが事件を解決していく。
1つ目の話は良かったけど、2つ目の話で警察の早すぎる対応や素直すぎる謝罪だったりにいろいろ違和感感じてしまった。
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さすがに、理系の実験を語る部分では、作者自身の経験が生きていて、ぶれなく非常に読みやすい。(理系じゃない人が、耳学問で書くとこうは書けないと思う。)未来のリケジョたちへ。
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登場人物の福富颯太
他人を不幸にする特性の持ち主。の一文でもう笑ってしまった。
物語は主人公を含む周りとの会話を主にした進め方で、時折出てくる理系用語も解説してくれるので非常に読みやすい。ライトノベルを読んでいる感覚に近かった。短編が2つ収録されており、どちらも謎解きミステリーである。一番印象深かったのは、ミステリーの事件と言うと殺人や誘拐といった被害者が人間であるケースが多いが1部での事件はマウスの大量殺害であった。どのようにしてマウスを同時に殺害したのかも理系の実験用具やエピソードを交えながら解き明かしていったので、大学時代の実験時代が読みながら思い出された。
そして「努力したという経験です」その経験こそが、その思いこそが人を成長させるのだ。学生が経験で得るものは金でも栄誉でもない。経験だ。
この1ページがとても心に響いた。私の大学の研究はとくに大きな成果を残してもいないし学会での発表も行っていない。正直就活のためのエピソード作りとまでしか思えていなかったが、経験としては今後の人生の糧になるのかもしれない。そう思えるようになった。
研究をする機会は恐らく今後の人生でないと信じたいが、社会人になり今後経験したことの無いような業務に携わることもあると思われる。たとえその業務が成功しても失敗しても、無駄だったと思わなく経験になったと考えられるようにしたい。