紙の本
いつもの畠中節
2019/09/19 23:11
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投稿者:papakuro - この投稿者のレビュー一覧を見る
前作、「妖モダン」はホラー色が強かったが、本作はいつもの人でないものが絡んだドタバタ謎解きもの。
廃仏毀釈で打ち壊された寺の祟りがらみの連作短編集ですが、神は祟っても仏は祟らないよな。
仏様がたばこを商っているというのも変な話だ。
やたら人が死にますか、主要メンバーは人ではないので死にません。
明治になって、人でないものも江戸時代のように己が何者かを明らかにしないという設定なのでなんとももやもやします。
「アイスクリン強し」の真次郎の店風琴屋のお菓子がよくでてきます。
あと、「警察の実力者、有馬さん」は「若様組まいる」に出てくる巡査教習所の幹事ですね。
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明治の初め銀座の派出所で働く薄給の巡査は、強くて不思議な二人。人間離れしている二人が出会った不思議な事件、さてさて
今の世にも 良くも悪くもこの人はホントに人間? と疑いたくなる人はいっぱいいるよね。
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『明治・妖モダン』シリーズ第2弾。
購入してからずっと積読本になっていたのだが、漸く読了。
前作を読んでからも随分時間が経ってしまった。
おぼろげな記憶と印象では、今作の方が、連作となっているからか、面白く読めた。
(解説も助かりました。誤植見付けたけど)
江戸から明治になって二十年。
時代が変わる混迷期に起きた事件が、原田や滝、百木屋の常連たちを巻き込んでいく。
消えた仏像と、いなくなった人たちの謎。
迎えに来なかった僧たちに会いたい、生死に関わらず、一目会いたいと願う仏の想いが胸を打つ。
時に絡め取られ、人として生を終えるか、人の形をしたまま生き長らえるか。
後者を選んだ妖たちの、これからの物語が楽しみだ。
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明治で頑張るお巡りさん二人の活躍。
(ただし、妖怪絡みもあり。)
廃仏毀釈が基盤ですので、予習しておくように。
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今回は消えた村の話が全編に絡む短編で、この人も実は妖だったの?と思いながら読みました。けっこう続きが気になって面白かったです。
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何を言ってもネタバレになりそうな・・・
前回は短編集だったが、今回は短編集と見せかけて、実はひとつのお話。
あっさりカミングアウトしてる人(?)もちらほら。
時代背景には目くじらを立てず、明治ファンタジーで楽しむと良かろう。
怖い場面の表現がちょっぴり巧くなった気がする。
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人じゃないんだということを、事件が起きるたびに再確認させられるのですが、牛鍋食べながら談笑している姿は人となんら変わらず。
滝さんたちは、果たして時に絡めとられることになるのかな・・それとも現在に紛れ込んでいたりして、と妄想がふくらみます。
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赤手さんが行方不明にー「赤手と菜の花」
花乃さんがなにやら怪しい会に参加したー「花乃と玻璃」
女学生たちを賭けに使うって?ー「モダン 美人くらべ」
ある秀才の行く先ー「闇の小路」
ついにはお偉方までもー「上野の競馬」
さてさてこれはだれのしわざ?ー「祟り、きたる」
甫峠村にまつわる連作6本。
うーん・・・このシリーズは相性が本当によくない。
たぶん読み手であるわたしが内容の進行に「論理」を求めすぎるのだと思う。
というのは、内容に登場人物の推論を前提に進むエピソードが多々あるから。それが論理的かどうかは読み手には判断できないでしょう。そう思ったっていうんだから、そうなのかと受け取るしかないでしょう。なのに。何が困るってそれが後で覆ることがあるのが一番困るのだ。
物語にはいろいろな不思議がおこり、それにはたいてい理由がある。こちら(読み手)は、その理由を探るために、表現されている情景や感情などをずっと追っているのに、描写の前提になっている「登場人物の推論」が覆るなんて・・・・!!
それなら推論してくれるなよ!と感情的になりつつ読み進めるものだから、モヤモヤだけが残る。
ほかにもこのシリーズとはすれ違いがよくある。
例えばそのシーンを目の当たりにしたかったのに、「~ということらしい」とか伝聞で読まされると「えぇ~」となる。それがこのシリーズにはとても多い。
だから・・・合わないのだと思います。
しゃばけシリーズは好きなのですよ。
でも、このシリーズは受け付けない。
好きなシリーズを書いてくれる作家さんの作品はたいてい好きな路線であることが多いので、シリーズにより好き嫌いが分かれる読書体験も珍しいな、と思いました。
これも一つの収穫っちゃぁ収穫ですね。
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前作「妖モダン」の続きだが、二人の巡査と周りの人たちの正体がわかってくる。ふんわりと表現しているとこともあるのだが、2冊読んでこそ楽しめると思う。人と妖が共存しているなんて想像するとワクワクする。妖も人の時間に絡め捕られて、人と同じくらいの寿命になることもあるらしい。だんだん自分の正体もわからなくなることもあるとか。すごいぞ、畠中恵。抜群の安定感。
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文明開化で世の中は全く変わったように思われるが、明治と江戸の世は地続きなのだー。
廃仏毀釈という、江戸から明治への混乱の最中に起こった出来事を軸に、信州の菜の花の咲く「甫峠村」の謎が紐解かれていきます。
前巻で語られなかった登場人物の正体が語られ、興味深いです。花乃さんも健在で嬉しい。正体を知ってから前巻を読み返したら、
印象が変わって面白そうです。
前巻は短編集でしたが、今作は一つの謎に全てが繋がっていきます。
明治を舞台にして、廃仏毀釈を扱う作品ってあまりない気がします。いなくなった僧を探して彷徨う仏像の残骸たちは切ないです。
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2021年、8冊目は、1月の畠中恵『明治・妖モダン』の続編に当たるヤツ。
銀座四丁目、煉瓦造りのモダンな建物が並ぶ中にあるのは、簡素な造りの派出所。そこに勤務する巡査、原田と滝。二人は、次々と不可解な出来事に巻き込まれていく。
前作『明治・妖モダン』が「妖」にスポットを当てた短編集とするなら、今作『明治・金色キタン』は、甫峠村での廃仏毀釈にまつわる連作短編集と言った印象。
一つの特徴は、前作同様、ミステリー、サスペンス的な要素がスッキリしたオチを迎えない点、いわゆるモヤ系。ザックリ「こんな動機、経緯なんじゃない」的に帰結。被疑者死亡も二件あるし。
もぅ一点は「妖」を受け入れ、大人のファンタジーと捕らえられるか、否か。「人」ならざる力を持った「妖」が登場しているのだから、「有り得ない」は前提としなくちゃ。
嫌いじゃないし、更なる続編が出たら、手に取るとは思うが、六つのエピソードで特に響く、唸るような展開や話がなかったし、全編を通ずるオチもインパクトに欠ける気がするので、評価は★★★☆☆止まり。
ちなみに、完全に余談。同時期、コミックで「鬼滅の刃」さらってたんだけど、「鬼」の不死性など、共通認識が色々あると思わされた。
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明治の世の、江戸時代からの変化の様子が楽しい。
いくら文明開花したとはいえ、まだまだ妖が闊歩していた時代とは地続きなので、2つの微妙な混ざり具合を読んでいると、この時代に生きてみたかったと思います。
人ならぬ存在が普通にいるとはいえ、滅多なことではハッキリいわないという加減が気に入りました。
廃仏毀釈も歴史上の出来事とした認識していなかったけれど、直面した人達にとっては価値観を突然変えろと言われてもそう簡単には受け入れられなかっただろうな。
続編の情報がまだないみたいだけど、是非とも書いて欲しいです。
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金色キタンは、廃仏毀釈を背景にした事件が連続する。明治初期の雰囲気を感じさせられる。
闇に潜むものも、明治の変革で、人に入り交じって息づいているらしい。
妖モダンでは、原田さんに焦点が当てられていたが、金色キタンでは、滝さんに焦点が当てられる。
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今を大事に生きていこうとするモノたちの物語。嫌な感情を過度に刺激されることもなく穏やかな想いで読んでいける。
受け入れつつ、抗いつつ、ただひたむきに生きようとする姿に心救われる。=やや疲れ気味なのだろう。