紙の本
主要な歴史とは、また違った知られざる一面が見えてくる昭和史の書です!
2020/05/12 09:55
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、表題に「B面」と付けられているように、主要な歴史(A面)では語りきれなかった文化や風俗の歴史、さらに政府による国民総動員などの手法などが詳細に語られたもう一つの昭和史の書です。同書は、太平洋戦争前後の状況が中心に書かれており、私たちが学校教育の中で習わなかった、知られざる事実が書かれています。ぜひ、別の視点からの昭和史ということで、ぜひ、読んでいただきたい一冊です。内容構成は、「プロローグ 一週間しかなかった年」、「第1話 大学は出たけれどの時代」」、「第2話 赤い夕陽の曠野・満洲」、「第3話 束の間の穏やかな日々」、「第4話 大いなる転回のとき」、「第5話 軍歌と万歳と旗の波」、「第6話 対米英蘭戦争を決意したとき」、「第7話 撃ちてし止まむの雄叫び」、「第8話 鬼畜米英と神がかり」、「エピローグ 天皇放送のあとに」となっています。
紙の本
家族のために 自分のために
2021/10/06 08:14
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投稿者:ガストン - この投稿者のレビュー一覧を見る
昭和は大変に長く続き、昭和の時代には戦争もあり大正生まれの家族には戦後生まれのものにはわからないことや、感情がたくさんある。文字としてだけでも、少しでも自分が生まれた前の事を知れたらと買いました。
この方の本は読みやすく、流れをつかみやすいので購入してよかったです。
紙の本
戦前の歴史
2021/09/07 13:36
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投稿者:なつめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
戦前の国民の目線から見た歴史が、興味深く読むことができました。半藤一利さんらしい明晰な分析が、素晴らしかったです。
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昭和初期20年間
2022/09/06 05:16
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投稿者:七無齋 - この投稿者のレビュー一覧を見る
昭和の始まりから終戦まで時系列で振り返る。政治史などと隔離するはずがやはり離れて記述することはできていない。もう少し深張りしてほしかった。澤地久枝さんとの対談も掲載。
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投稿者:ぽぽ - この投稿者のレビュー一覧を見る
表ではなく裏側の今まで知らなかった、忘れ去られた昭和時代のことが、書かれているのかと思ったら、普通に昭和史。
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不況気味から始まった昭和が世界大戦の棚ぼた好景気から戦争に突き進むまでを、長い伝統に政治経済史=a面 に対しての文化史庶民史=b面 の視点から描く。
こういう本をずっと読みたかった。
昭和から始まった物事は多い。面白かったのは徒競走のヨーイドンの掛け声の発症とか、最初の地下鉄は今の東京メトロ銀座線で、昭和2年にできたとか、盆踊りの東京音頭は日比谷公園の松本楼のオーナーが思いついたとか。
所詮b面だから形式張らなくていいということで、筆者の少年時代の思い出とか雑談とかで頻繁に脱線するのも味である。
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A面に位置付けられる『昭和史』を読んだ後に本書を読みました。
A面が昭和史を俯瞰したものであるのに対し、本書は個人の目線から見える昭和史を見事に描いた作品といえるでしょう。
例えるならば、A面で昭和史の地図を描き、B面ではその地図に基づきストリートビューを描く、そんな関係かと思います。
例のごとく軽妙な半藤節によって、昭和の激動の時代を庶民がいかに生きたかを臨場感をもって追体験できます。
終戦直前の昭和19、20年は、B面的話題が乏しくなり、その点について批判もあるようですが、私はむしろ、そのようにB面に戦争が侵食していく過程、すなわち庶民の生活が戦争一色に染められていく過程が本書のとても重要なポイントだと思っています。
新聞やラジオから聞こえてくる遠い国での戦争が、いつの間にかすぐそこに、家の中まで来ている。そして、当たり前だった娯楽もなくなり、人間が人間でなくなる世界になっていく。その過程が実にリアルに描かれており、改めて戦争というものの恐ろしさを感じさせます。
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民草(国民)から見た第二次世界大戦。明らかに人命がかかっているオリンピック開催ですら私達民草は今リアルタイム(2021/06/11)に「なんとなく」止める事もできず、私達日本人は何度でも同じ事をしでかす自信がある。
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ライブラリー版655頁は、さすがに読み応えたっぷりだった。
政治・経済・外交=A面を中心とした昭和史は数あれど、著者のいう民草(たみくさ)の日常生活=B面を主題とし、通史的に書かれるのは、貴重な試みだろう。
1926年から1945年までを対象にしており、著者の体験を交えて、和やかに穏やかに続いている庶民史が綴られている。とはいえ、時代ゆえ迫り来る戦争についても語らざるを得ない。
昭和5年に生まれ、物こころついた時からすでに「非常時」の中にいたという、歴史探偵を自称する著者は、その経験から、日本人がみんな戦争への集団催眠にかかっていたというほかないと、述べる。
軍部や政府の情報操作による巧みな扇動にうまうまと乗せられたというより、国民の中にそれを受け入れる素地があったとも。すなわち、近代日本になっていらい負けたことがなく、無敵日本という自己過信や好戦的と変わった国民の心情が。
国民とは、真の情報に接することのできないあわれな存在であり、いつの時代であってもこんなはずではなかったと、気づいたときには遅すぎる。それが歴史の恐ろしさというのではないかと、著者は警告する。
さらにあとがきで、著者は強調する。
「国力が弱まり社会が混沌としてくると、人びとはは強い英雄(独裁者)を希求するようになる。また、人びとの政治的無関心が高まると、それに乗じてつぎつぎに法が整備されることで権力の抑圧も強まり、そこにある種の危機が襲ってくるともう後戻りはできなくなる。あるいはまた、同じ勇ましいフレーズを繰り返し聞かされることで思考が停止し、強いものに従うことが一種の幸福感となる。そして同調する仲間が生まれ、自分たちと異なる考えを持つものを軽蔑し、それを攻撃することが罪と思われなくなる」
戦争を経験した著者の、まさに今の日本を見据えた直言ではないだろうか。
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昭3年、不景気のどん底。昭4年、就職難。昭5年、失業者32万人。どこか令和に似てる世相が。政治家は確かに情けないけど、国民も地に足をつけて、自分に恥じない仕事や生き方をしなければと思うこの頃です。半藤一利「B面昭和史 1926ー1945」、655頁、2016.2刊行、2019.2文庫。クラウゼヴィッツの言: 戦争は突如として勃発するものではない。昭和6年の満州事変から昭和20年の敗戦、悲惨な戦争を二度と起こしたり、参加したりしないように!