紙の本
不便だけど、、、
2019/12/18 00:05
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:らんらん - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本はデザインの研究の視点から様々な分野へ目を向けて書かれています。
実生活でも多くの便利を享受している現代において、スローライフを目指していくためにこういった視点を求めていくのが重要かなと思わされます。
この本は決して便益を否定していないところ、ノスタルジーを肯定していないことが良いなと思います。ジュニア新書ですが、便益について行きすぎている大人が読んで考えさせられる一冊です。
紙の本
現代の効率化・自動化の逆にある、しかし大切なことを具体的なモノに還元して教えてくれる画期的な一冊です!
2019/06/11 13:05
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
現代社会は、効率化・自動化を追求し、そこから弾かれるものはすべて「不必要」なものとして切り捨ててきました。しかし、そういうものの中には、人間にとって非常に大事な視点が含まれていることも確かです。同書は、そうした切り捨てられた「不必要」、「不便益」と考えられるものを、具体的なモノとして表し、それらについて再考してみようという画期的な一冊です。ジュニア新書ですので、中学生や高校生でも読めるように編集されています。現代の便利な社会に生きる若者には、ぜひ、この機会に読んでもらいたい一冊です。
紙の本
前向きで積極的な「不便」。
2019/07/29 16:21
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:銀の皿 - この投稿者のレビュー一覧を見る
便利が良いとは限らない。
読んでいると「あたりまえのことを言っているだけなんだけど」と気づかされる。
ちょっと慣れない考え方なのでするするとは読めなかったが、もしかしたらこれも「どういうこと?」と考えることの面倒さの効用なのかもしれない。いろいろな例が載っているので、どれかをきっかけに「こういうことか」とわかっていくのも面白かった。
「便利ってなに?」と当たり前のように「便利」を追求していたことを見直している。
投稿元:
レビューを見る
☆不便から得られるもの(動機づけ、自分ゴトになる、工夫できる、発見できる、対象を理解できる、信頼できる)
投稿元:
レビューを見る
アウトドア、断食とか断捨離も、不便益を求めての結果の一つだったんだな。モチベーションや愛着、飽和の最適化。
投稿元:
レビューを見る
便利だから益ありではないし、不便だから害でもないよねと、事例を交えて学べる本。具体的な知識というよりは、新たな観点の獲得に。
投稿元:
レビューを見る
国語の教材にもある「不便益」について知りたいと思い購入しました。
たしかに世の中がどんどん便利になっていくと、失われる「益」もあるよなぁ、と思いました。
投稿元:
レビューを見る
便利だからといって必ずしも益ではない。便利による害もある。
不便だから害があるとは限らない。不便利による益もある。
一元論ではなく、二次元で価値を問い直す面白い本です。
私はミニマリストなので、「たくさんの便利なもの」を積み減らして生活しています。
しかしこれまでどうしてモノを手放すのか、周りの人にうまく説明できていませんでした。便利なものを手放して、不便になるなんて、おかしいのではないか。それにうまく反論できなかったのです。
この本はタイトル買いしたのですが、その問いかけに理屈をつけて、しっかりと説明してくれました。
・便利になるほど、「何もやらせてもらえない」社会になる。
・できなくてもいい環境は能力を退化させる。自信の喪失。
・ボタン1つで失敗しない生活は、失敗経験と工夫の機会を奪う。 などなど。
同時に自分のライフスタイルがより確固したものになりそうです。
まずはスマホ中毒からの脱却ですかね・・・
投稿元:
レビューを見る
不便益という新しい考えを紹介する本
まだ学問といえるほど整備されていない感じだが、いろいろな具体的な事例が示されていてなかなか面白い
究極の不便益ともいえるゲームやスポーツについてあまり詳しくは触れられていないのがちょっと残念ではある
次はぜひ不便益の観点からゲームを解説してほしいと思った
投稿元:
レビューを見る
「不便=悪いこと」「便利=良いこと」という考えはおかしいということがわかりました。不便でも良いことがあると知ったので、「便利な方が良いに決まっている」と思わず、「決まっている」を疑ってみたいです。まずいろんな場所に寄り道してみたいです。
投稿元:
レビューを見る
感想を書きました。
https://note.com/miyakot/n/n877e8ad659a1
投稿元:
レビューを見る
○新書で「学校生活」を読む⑬
川上浩司著『不便益のススメ 新しいデザインを求めて』(岩波ジュニア新書、2022年)
・分 野:「学校生活」×「人生を読む」
・目 次:
プロローグ 不便な生活、始めました
1.「不便益」の時代がやってきた
2.数式化できないものにある価値
3.「不便益」をデザインする、形にするのは面白い!
エピローグ 便利って何?
おわりに
・総 評
本書は「不便だからこそ得られる益がある」=「不便益」という考え方を紹介した本です。著者は京都先端科学大学の教授で、web上で「不便益システム研究所」というサイトを運営している人物です。
現代社会では、物事が便利になることは良いことだと評価され、様々な分野で「自動化・効率化・高機能化」が目指されています。しかし、そうした“便利さ”の裏で失われているものはないか――こうした疑問から、著者が注目したのが「不便だからこそ得られる益」=「不便益」という考え方です。この本を読んで面白かったと思った点を、以下の3点にまとめます。
【POINT①】不便益とは何か?①――「引っかかり」と「つまづき」
近年はICT教育が普及し、教員はスライドや動画を見ながら話し、学生は印刷されたプリントにメモするだけでいい――そんな授業も可能になりました。しかし、こうした授業は「便利」である反面、記憶のトリガーとなる「引っかかり」や「つまづき」は得られません。例えば、先生が説明に悩んで考え込んでしまった、あるいは、板書を写す際に難しい語句の書き取りに苦労した――そうした「不便」な思いをすることで、逆に人の記憶には残りやすくなると著者は指摘しています。皆さんの記憶に残っているのは、便利な授業ですか、それとも不便な授業ですか?
【POINT②】不便益とは何か?②――「気づき」と「出会い」
最近の地図アプリは優秀で、現在地から目的地までの最短ルートをリアルタイムで案内してくれます。これはとても「便利」な機能ですが、皆さんは画面に表示される矢印に夢中になり、周りの風景などは見ていないのではないでしょうか。便利なものは「間をすっ飛ばしてくれ」ますが、同時に「その間に何があるのか」あるいは「何ができるのか」も分からなくなってしまいます。もしかすると、目的地までの道のりの中で、以前から興味のあったお店を見つけることができたかも知れません。皆さんも一度、簡単な地図を片手に「不便」な移動をしつつ、その間の「気づき」や「出会い」を楽しんでみてはどうでしょうか?
【POINT③】“経験”が“技術”になる時
料理人としての“技術”を習得することについて、著者は「今まで悩みながらやってきたことがパッとできるようになったとき、身についたと言えるのではないか」と指摘している。そのためには「さまざまな経験を通して〔技術を〕培っていく」必要があり、具体的には、つらさや楽しさの連続が“経験”として蓄積され、ある場面に出くわした時に、自分の中にある経験の「パターン」から対処できるようになる――その繰り返しを経て技術が向上していくと言います。時には“三歩進んで二歩下がる”ことも必要であり、下がることは「踏ん張ってまた一歩前進するときの力強さを生み出す」と著者は指摘しています。
本書では、さまざまな中華料理が登場しますが、その調理の様子などが臨場感あふれる形で書かれているため、とても食欲をそそられる内容になっています。また【POINT③】で触れた“経験”と“技術”の関係については、料理に限らず、勉強やスポーツにも同様のことが言えるはずです。自分の中で経験を蓄積してパターン化するためには、その都度、自分の行動について反省(振り返り)をして積み重ねていく必要があります。まさに料理の“技術”を習得することに生涯をかけた著者の半生を読むことで、学べることは非常に多いと思います。
(1446字)