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「食べる」をテーマとした、ある大学の先生と、中高生の議論をまとめたもの。
「食べる」とはどこからどこまでのことか、たとえば、食べ物を口に入れた瞬間や噛んでいる間、は食べる行為としてOKだとして、飲み込んで食道を通過している間や、胃で消化している間はどうなんだろう、さらにその先の小腸や大腸を通過している間は、などと考えると、意外に、食べるという言葉の表す意味の曖昧さ、というか広さを実感できます。
また「食べる」には、単に「食べる」だけでなく、誰が作ったものを食べるのか、誰と食べるのか、どういうシチュエーションで食べるのか、といったいろんな要素が絡んでいます。
そういった、「食べる」に関するいろんな問いが、この本にはたくさん詰まっています。
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3つの質問から”食べる”を考えると、”人間”とは何か”が見えてくる。京大准教授と中高生8人の白熱した座談会。
3つの問い
1いままで食べたなかで一番おいしかったもの?
2「食べる」とはどこまで「食べる」なのか?
3「食べること」はこれからどうなるのか?
特に印象に残った事
1おいしさのカテゴリわけ
母、特定の店、状況依存(山頂でのおにぎり)
2人間の食と動物の食は違うのか? 人間チューブ論
3食べることが煩わしいと考える人がいる
”食べるは”哲学でもあり、文化でもあり、歴史でもあるなぁと思いました。
NDC 383.8
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藤原先生と、小学生から高校生までの人たちの「食べること」にまつわる哲学的対話。
食べる、とはどこからどこまでを指すのか、考えたことがなかった。食べものを手に入れるところから口に入れるとこまでかなぁ。
人間はチューブ状の生き物で自然界と繋がっている、ってなるほど。
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食べることは殺すこと
循環システムの一つ
食べることと、チューブで完全食の違いは。
食べるに至るまでの、繋がれること
がしっくりきた。
食べる、は欲の上に成り立ってて、
これが食べたい、あれが食べたい、とか
食べた人や、物、情景が残るのは文化ということ
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『食べるとはどういうことか』
今年の共通テストの国語に出た藤原辰史さんの本
深く考えることが案外ない「食べる」について、藤原さんと中高生たちが考え、対話の渦ができていく様子がとても心地よい。
「いままで食べた中で一番おいしかったもの」を答えるのは本当に難しい。
#読了 #君羅文庫
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偶然ヤング図書のところで見つけた本。タイトルに惹かれた。食べることは生きること。だから歴史とも関係してて関連書などの紹介もあって読んでみたいと思う。色んな世代の人の考えを聞ける機会も少なくなってるのでこのような企画はとても楽しかった。当たり前と思ってることをどういうこと?って改めて考えてみんなで話すワークショップってやっぱりいいなぁ。
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とても良い取組み。
小学生たちの素朴な問いに真正面から答えられる大人になりたいなと思った。
その為には知識を身に付けるだけではなくて、知行合一な大人でありたいと思った。
本書で紹介されていた、藤原さん曰くとても面白いらしいモンゴメリーの『土と内臓』は途中で読むのをやめてしまった一冊なので、こちらも再開しようと思う。
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NDC分類 383.8
「「食べる」ということを深く考えれば考えるほど、「人間とは何か」が見えてくる。京大のフジハラ先生と12歳~18歳の中高生による、白熱の「食と農の哲学」ゼミナール。」
「食べるとは単に栄養を摂り入れることだけを指すのではありません。それは人間にとってどういった意味をもつのか。「食」を哲学することは、生きる意味を考えることにもつながります。」
(大居雄一『身になる読書術!』の紹介より)
目次
第1の質問 いままで食べたなかで一番おいしかったものは?(“解説”なかなか言葉にならない「あの時のおいしさ」のこと;“対話”自分たちのあたりまえを考える「哲学」について)
第2の質問 「食べる」とはどこまで「食べる」なのか?(“解説”食べられる側の気持ちになってみること;“対話”『食の哲学』という本をみんなで書くとしたら?)
お昼休憩のコラム 「くさいこと」と「おいしいこと」
第3の質問 「食べること」はこれからどうなるのか?(“解説”食べものから噛みごたえがなくなっていく未来のこと;“対話”答えを探すのではなく、みんなの「考える種をまく」)
アフタートーク からだに耳を澄ます
著者等紹介
藤原辰史[フジハラタツシ]
1976年、北海道旭川市生まれ。島根県横田町(現・奥出雲町)出身。2002年、京都大学人間・環境学研究科中途退学。京都大学人文科学研究所助手、東京大学農学生命科学研究科講師を経て、京都大学人文科学研究所准教授。専門は農業史。第1回日本ドイツ学会奨励賞、第1回河合隼雄学芸賞、第15回日本学術振興会賞を受賞
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他の本で紹介されていた一冊。
5年前の出版だが、子どもの頃に出会うと良いかと。
パルシステムの事務所で、12〜18歳の男女と京大人文科学研究所の准教授、藤原辰史ふじはらたつし氏とで座談会をした記録の一冊。
12歳小学生の意見が鋭く、今までに食べたなかで1番美味しかったものは?から始まり、食べることとはどこまでなのか、噛みごたえのない食品はどうなのか、五感を総動員させて語り合う。
これぞ哲学。と「一つの本を書こう!」と思考を広げまとめていく。
面白かった。
小腸6mに及ぶチューブの旅、消化酵素で炭水化物がブドウ糖や麦芽糖に、脂肪と脂肪酸とグリセリンに分解され、それらが腸に吸収。大腸では、消化酵素はなく、かわりに無数の微生物が住んでいる。
あなたの中の繊維を発酵させて活性化する。 p. 75
哲学や歴史の議論では、AとB、違う話が出てきて、簡単に解消されない対立をどういうふうに解決させていくかということが重要に目標になる。p. 88
プロテインバーなどの携帯食の発達は… アメリカの軍人のために開発されたもので、戦争すると密接に関わっている食品であることを補足しておくp. 121
2016年、飢餓状態にある人は、8億1500万人、地球上の11% その半分以上は紛争地帯。戦争を止めることが、飢えをなくすために必要。 p. 127