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京都に住む三姉妹のそれぞれの物語。
みんな得手不得手があり、試行錯誤悩みながら
一生懸命生きている。
三姉妹の設定が姉→ひかえめ、次女→モテ強気女子、
三女→ひかえめ秀才タイプというところが、
ステレオタイプだなと思ったり。
だいたいこの設定が多いような。
母親が子育て卒業宣言(夕飯は作らない的な)して
遊び歩いているところも何か他の話でもあったなぁって
思ったり。既視感の多い小説だったけれども、
京都という独特の地域の世界観とか、風景情景が
丁寧に描写されていてそこはとても面白かった。
京都から飛び出して頑張っている三女凛ちゃんの
頑張りをもう少し見たかったな。
現代版細雪みたいに書かれているけれどそれは??
軽い感じの読み物で、反芻したくなるような本ではなかったかな。
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綾香と羽依と凛。3人の性格の違う女性がそれぞれの年齢とそれぞれの立場、現状から見る「今」は違っているけどどれも現実。女の私には、読んでいて言葉にできないながらも心が共鳴したがっていることを切に感じた。特に凛。泣いてしまった。私はこの世界から一生出られなくて、閉じ込められてしまうのではないかというあの感覚。どことなくずっと感じて来た。何が嫌ってわけじゃない。家族が、この町が嫌いなわけでもない。でも今じゃないとダメな気がしてしまう。明確に理由は言えないんだけど、理解してもらえるとも思ってないけど、私の中から消えないこの思いを凛ちゃんが美しく代弁して、綿谷りささんが本にした。そんな気がしてなりません。
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綺麗なだけじゃない現実の京都の感じ。次女の羽依ちゃんの、めっちゃモテるけど売られた喧嘩にはタンカで返すところが好き。
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佳作。
3人の様子や感情がよく伝わりいい作品、って感じ。
3姉妹って物語的にバランスいいし、少し閉塞感のある感じが京都を舞台にすることでいい塩梅にててたと感じた
2020.10.8
98
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買って数ページ読んだきりになっていたけれど、ふと手に取って読み進めてみたら、すいすいと読めた。
やっぱり本には、読むタイミングというものがあるなと実感する。
又吉さんが、つまらない本はない、ただタイミングが来ていないだけ、というようなことを言っていたけどほんとにその通りだ。
羽依ちゃんて名前かわいいよなー。
爆発してタンカきる場面最高だった。息の根止めてやる、と決意して爆発するところ、なんかわかる。
1番関心もって読んだのはやはり綾香。宮尾さんいい人でよかった。
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京都に生まれ育った3姉妹のお話。
祇園祭の行列が現代京都の百鬼夜行なんて在住じゃないとなかなか言えない気がする。
次女の羽衣ちゃんが好きなキャラ。
女に嫌われる典型的な女子なんだけどいけずするお局やストーカー化した先輩に啖呵を切った結果彼氏にフラれてしまう。
自分のことは自分で始末する性格で嫌いじゃない。
京都は何度も訪れるぐらい好きな街なんだけど京都に進学した子は遊びに行くには良いが住む所じゃないと就職で地元に戻ってきたな。
彼女も凛の様に地元のしがらみを感じ取っていたのかな。
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3人の女性の成長が語られるなか、一人一人の心情が語られていて面白かった。
また京都の地名も出てきて親近感が湧いた。
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初読み作家さん。京都で生まれ育った奥沢家の三姉妹綾香、羽依、凛の視点でそれぞれの人生観を描かれている。はんなりとした京都弁と四季折々の優しい京都の名所も織り混ぜられていた情景が浮かぶ。その反面「いけず」はそら恐ろしい伝統文化。封建的な京都人が多いなか、凛が言う「好きやから一旦離れて外から京都を眺めてみたい」と東京に出るが、タイトルの「手のひらの京」に繋がると思った。京都の酷暑と寒さがよく伝わっている。五山の送り火は大文字焼きとも言うが、両方が混在されて表現されていたのが気になった。
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一気読みした!
読み終わって「あぁ、いい本読んだなぁ」と素直に思えた。
三人姉妹に仮託して描かれたのは、それぞれ綿矢さんの「現在」「恋愛」「過去」なのかな?と感じた。綾香は今までの綿矢作品だったら主人公の攻撃対象になりそうなタイプ。来るものに身を任せて、波風立てずにゆったり流れていく。次女の羽依はthe綿矢作品の主人公。はすっぱで自意識過剰で攻撃的な不器用さん。三女の凛は感受性豊かなマイペースさん。見えないはずのものが見える子。うーん。あまりこういう言い方が文芸批評的にはよろしくないのを知りつつ言うと、三人とも綿矢さんの分身なんじゃないのかなぁ、と思った。自分自身の複雑な心のあやを描くのには一人じゃ足りなくて、三人必要だったんじゃないかと。だからこそ、三人の名前には何の共通点も見当たらない。現実世界ではむしろ三人も子どもがいたら、そのうち二人くらいには共通した字やイメージをもたせるもんだろうけれど、この三人は見事にバラバラ。ちょっとクラシックな響きのある綾香は料理上手で着物の着付けも達者。キラキラネームの羽依(これは『長恨歌』の「霓裳羽衣」からとってるのかな?)は、キラキラな自分を演出するのに余念がなく、計算高い、いわゆる同性の敵。凛は、綿矢さんが「凛と生きたい」という願いを託したのだとしか思えない。
ある程度、年齢を重ねたから綿矢さんも振り返れたのかなぁ。初期作品のヒリヒリが影を潜めて、ご自分の故郷を本当に愛おしむように描いている。その視線に引っ張られて、こちらも京が愛おしくなる。さらに愛おしいのが登場人物たち。とても繊細に心の襞が描かれているから、もう、みんなみんな可愛らしくて。特に、見えないものが見えちゃう凛の心象風景として描かれる京の美しさったらない。
「山は複雑な色合いで紅葉の錦を織り、ふと遠く
を眺めた人間にだけ、美しさを披露していた。ふさふさと柔らかく、どこかおいしそうなこんもりとしたまま山を眺めていると、凛の胸は締めつけられた。
なんて小さな都だろう。まるで川に浮いていたのを手のひらでそっと掬いあげたかのような、低い山々に囲まれた私の京。古い歴史が絡みついたこの土地は、時間が動いているようで動いていない。」
ため息が出る。
そしてやっぱりこれは、綿矢さん自身の感慨なのだろうと思う。
作中で、三姉妹の隣家はかつて機屋だったという設定になっている。そのことはそのまま、ここに描き込まれた三姉妹の、あるいは綿矢さん自身の心の綾が、絹糸を一本一本丁寧に織り込んだ織物のように丁寧に描かれていることに重なってくる。
何にしても、非常によい作品だった。色んな人に勧めようと思う。
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そう、生活としての京都なんよ僕が好きなのは
こういうことなんよね、京都マジック(or 呪い)
建物が低くて空が広いこととか、盆地やとか、歴史あるや街とか、その土地の特徴に住む人の雰囲気も結構影響されるんやねぇ
あれもこれも解決させてみたいな話の進み方じゃなかったけど最後も割とスッキリ読めたと思う
奥沢家みんなカッコイイ
あとは、単純に出てくる場所とか行事とか知ってるのばかりで嬉しかったねぇ
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河原町の街並みや京都の行事など、京都で生きてきた身として共感する事が多く面白かったが、京都に限らず、地元に対する一言で表現出来ない想いが詰まった物語でした
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とても良かった。
私自身、大学時代は京都で過ごしたのでそれぞれの風景を鮮明に想像できた。
3姉妹、みんな違う性格で、違った困難に立ち向かっていて、それぞれ頑張っている姿が良かった。
読み終わってから「あ〜良い本だったな」と思えた。
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綿矢版「細雪」、京都に住む3姉妹を主人公にした日常を描く。
書かれていることは誰にでも普通にあるような日常の描写、仕事や恋、家族の交流。ちょっと恋愛密度が高い、ちびまる子ちゃん、サザエさんだという感じ。
ただし、この物語の背景というか、後ろにどっしり控えているのが「京都」という地名以上の存在。朝起きてから仕事に行き飯を食いデートして帰ってきて風呂入って屁こいて(失礼)寝るまで、ずっーっと彼女らには京都がつきまとう。
その京都との対峙がこの本のメインテーマ。三女が就職を決め東京で働くと決めた時の騒動に、それが如実に表れるが、実は三女以外、その場面以外にも物語にはずっと京都が付きまとう。恐るべし千年の都…である。
夜の鴨川、祇園祭、桜の名所やクリスマスの風景など、京都に生活基盤を置く人ならではの玄人描写はさすが…なのになんで「大文字焼き」なん?東条甚つの広島出身の友人にそう言わせるならわかるが、ベタ京都人が「大文字焼き」って言うか?「五山の送り火」って書かないところに何かあるんだろうか?それこそ、京都人のいけずをここに仕掛けてきてるとか?
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ういちゃん最高!
京都で暮らしたことはないし、主人公たちは閉塞感を抱いてたりしたけれど、そんな求心的な地元が少し羨ましかったりもした
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三人の女性の機微を丁寧に描いている。すらすら読めた。個人的には綾香さんよかったよ。京都の人というより女性は難しい。