電子書籍
もう断裁工場に行かなくていいんだよ
2019/07/06 10:43
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投稿者:Otto Rosenthal - この投稿者のレビュー一覧を見る
主人公が勤務するのは本の断裁工場。文庫化のタイミングで電子書籍化したようです。
本の断裁工場を実際に見学したことがありますが、何とも切ない気持ちになったものです。電子書籍でしたら、もう断裁工場の悲劇はありませんね。(紙の本によってもたらされる書店でのセレンディピティは捨てがたいですが)
紙の本
待望の文庫化
2019/07/06 10:35
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投稿者:Otto Rosenthal - この投稿者のレビュー一覧を見る
本国フランスでのスマッシュヒットを受けて、2017年6月の日本での刊行から2年足らずで文庫化です。本の墓場である主人公が勤務するような断裁工場に、きっと本書はあまり行かずに済んだのでしょう。
紙の本
本好きのための小品的小説
2019/07/04 22:22
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投稿者:オオバロニア - この投稿者のレビュー一覧を見る
本の裁断工場で働く主人公が、切り取られたページを持ち帰り通勤電車で朗読することで本を弔っている。後半、電車の中である原稿を見つけてから人生が舵を切る。おしゃれで少し俗っぽい書き味がフランス小説らしくて読みやすかった。本好き向けの小説。
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本が大好きなギレンの仕事は本を断裁すること。大きな機械で本の役目を終わらすこと。そこで働くこと、本が死んでいくことに慣れることはないということ。そんな暗い感情と、機械に残った数ページを持ち帰り朝の電車で声を出して読み、聞いてくれるという人がいる救い。毎日当たり前のようにある街の風景や人の流れ、その中にも色々な感情があって暮らしがあってということをギレンの仕事、日常、電車での朗読を通して感じることができる。本を読むということ、誰かが捨てたものにもう一度物語の力を与えること。たとえ数ページだけでも読まれた物語は尊いもののような気がする。
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思ってたんと違う!
本を愛するとは、物語を愛するという事で、物語を愛するという事は人生を愛するという事だ。
ままならない人生を愛するために必要なものは、意外とシンプルなのに、みんな色々難しく考えすぎなのかも。
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書籍のリサイクル廃棄処理工場で働く主人公。書籍のリサイクルマシンの片隅に残された本の断片を持ち帰り、通勤往路の電車内で朗読することでその本を供養されているという、一風変わった習慣を持つ男である。
ずいぶん奇矯な主人公だが、この男以外にも奇矯な行動をする人々がたくさん登場する。放つ言葉が12行詩の職場の同僚、ある事情で特定の植物育成本を全て買い占めようとする友人、パワハラ上等な職場の上司…そして、洒脱なエッセイ(日記)を書き留める正体不明のトイレ清掃婦。
主人公がこのトイレ清掃婦の日記データが入ったメモリーを拾い読んでしまうところから、物語が勢いをつけて転がりだす。特別に何か大きなことが起こるわけではないが、不思議な登場人物たちの、平凡な日常が読んで心地よい物語を紡ぎだす。
フランス映画の小編のようなお洒落な展開。俺の勝手なイメージではこれってフランス人でないと素では書けない展開やろなぁ。キャラクターは誰一人としてお洒落ではないのだが…やっぱり気質が洒落ているのだろう。
ページ数は少なく、内容も重くはないが、決して浅薄な小説ではないと思う。思ってた以上に傑作である。
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本を捨てることの末路がわかるのはいいんですが、終わり方的にこれでいいの?って。
いやいいんだけど、その他のところはそのまんまなの。。。
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翻訳された本が読みにくくて好きじゃなかったけど、この本はとても読みやすかった。嫌いな仕事も、ジュゼッペのことも、ウザい上司や同僚のことも、最後まで何一つ解決されないけど、たった一人の女性との出会いで全てが丸く収まるぐらいに希望が見えた所がどこか現実的で良いなと思った。泣くほど感動する訳じゃないし、心が動かされるほど影響力が大きい本ではないけど、嫌いじゃない。
ベストセラーになるぐらい評価されているのは、どうしてだろうと純粋に疑問を持った。
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これは再生の物語なのか?
・主人公ギレンは本を再生するための工場で働き、
・元同僚のジュゼッペは無くした足を取り戻すことに心血を注ぎ、
・工場で裁断されなかった本の一部はギレンによって電車で朗読され、
・老人ホーム?での読書会では老人達が生き生きと意見を交わし合い、
・ギレンが拾ったメモリースティックに入っている日記は、ギレンが電車や老人ホームで朗読することによって、これを書いたジュリーのややや暗い日常に光を当ててあげる。
全ての登場人物とそれぞれの出来事には繋がりがなく、終わり方も平凡で中途半端な気はするが、本、活字、文章を通じて明日が少し楽しみになるようなプチ再生物語なのかな、と解釈しました。
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書名にひかれて、また、おすすめにあがったので、図書館で借りる。
冒頭数ページで、断念。
まったく情景、心理描写が頭に入ってこず。
然るべき時が来たらまた読もう。
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全体として陰鬱な情景が続くのですが、どこか優しい風が吹いてるような、そんな感じです。
ただ帯や紹介文なんかを読んだ印象とはかなり違う話で、正直なところそんなに長くない小説なのに、読むのにかなり苦戦しました。
うーん、話の主軸をタイトルどおり「電車に乗って僕は本を読む」ところに置いてくれるとよかったのかも。
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けっこう好き。明るい出だしではなく、とても憂鬱で退屈な人生をイメージさせるような感じで始まるんだけど、そこから朗読会に呼ばれたり、ジュリーの日記を見つけたり、少しずつ人生に彩りが加えられていく。ジュゼッペの優しさから最後ジュリーに出会って、そのあとどうなったんだろう。平凡だけど爽やかで気持ちの良い小説だった。
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今まさに返本されようとしているところを
それ買います!と救出した本
大して期待してなかったんだけど
好きな話だった
電車で読み聞かせって…!
やべぇ、そんな人がいたら
怖くて同じ車両に乗れん
まぁでも本の中だ
それを平然と受け入れる
本の中が羨ましい
ほんのりラブが込められてるとこもいい
年老いたらまた読みたい本
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本のリサイクル工場で働く主人公の周りで起きる様々な出来事。
全ての出来事が中途半端で自分は楽しめなかったかな
表題通りに本を読むことからの派生するかと思ったが違い
友人の本を集める方向でもなく
持ち主不明の日記で終わっていく
何も解決しないが希望は少し見えるあたり現実的なのかなぁ
にしてもなぁ、という感触
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本の断裁工場で働くギレン、ショッピングモールのトイレで働くジュリーの出会いの物語。
以下、本文より
化粧室の接客係をしている人間が日記をつけているなどと、世間の人たちは思わないに違いない。掃除をする人間であって、文章を書く人間ではない、そう思う人がほとんどだろう。でも私は別に何をしたっていいと思っている。ととえば、クロスワードをする時だってある。隠された言葉を見つけ出して、マス目を埋めていく。暇な時間には小説を読むことだってあるし、女性誌やテレビガイドを読むこともある。でも、私はそれだけではなくて、漂白剤で荒れた指でキーボードをたたいて、自分の考えを文章にしたいと思っている。そんな行為は世間の人たちの理解を超えたことだろう。あるいは理解されないよりもっと悪くて、本当に描いているのか疑いを抱かれるかもしれない。そこには大きな誤解がある。この人はこうあるべきという誤った思い込みだ。