紙の本
10代の頃の
2019/05/05 07:47
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:おどおどさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
自分の生活には、後悔はないし楽しかったと思うけれど、その頃から外国を知っていればなぁ…などと少し思う。いつか世界一周旅行をしてみたいので、忙しい今、もっと若い頃に行くべきだったか?と思う事がある。
投稿元:
レビューを見る
たっぷり時間をかけて、言葉の端々まで余韻を楽しみながら読みきった。江國さんやっぱり好きだ。すごくすごく好きだ。間と、言葉の柔らかさと、時に感じる鋭さ。たまらない。
読みきるのが惜しかった。
何よりもアメリカに行きたくなった。従姉妹たちはとても勇敢で、のんびり、旅を楽しんでいて見事だった。
投稿元:
レビューを見る
みずみずしいロードノベル。
ナッシュビルに行って音楽を聴いたり、シュリンプ・アンド・グリッツを食べたりしたくなった。
投稿元:
レビューを見る
江國香織さん初のロード・ストーリー?
ミランダ・ジュライを読み、ジョン・アーヴィングが好きな14歳の礼那と17歳の逸佳のアメリカを'見る'旅。
うっとりする。
投稿元:
レビューを見る
ほんとうにものすごくおもしろくて楽しくて、読むのがやめられなくて、一日じゅう読んでいた。読み終わりたくなかった。いつまでも読んでいたかった。。。
家族とアメリカに住んでいる14歳の玲那と、いとこの17歳の逸佳が「アメリカを見たいね」ってことで親に内緒で家を出てふたりきりで旅をする、って話。
バスや列車、ときにはヒッチハイクもして、途中で、偶然、交通事故現場にいあわせたおかげで怪我をしたおばあさんの家に住むことになるとか、お金がなくなってしばらくアルバイトをすることになるとか、「ハプニング」はあるけれども、事件とかいう感じにはならなくて、あくまでも楽しい旅なのがすばらしい。悲しいできごととかもなくて、なにごともない感じがすばらしい。ふたりが粛々と淡々と、さわやかに明るく、旅をすすめていって、その毎日と移り変わる風景が描かれているといった感じで。いろいろな人と出会って別れるけれども、その出会いと別れもあっさりした感じなのが本当にいい。
アメリカのいろいろな街を本当にめぐっているような気になって、それもものすごく楽しかった。
玲那は、ものおじせずにだれとでもすぐ仲よくなれて、オープンマインド。それに対して逸佳は、自分でも認めるとおり、小心者で心配性で社交が苦手、「ノー」が多い。そういう逸佳が少しずつ変わっていく感じもすごくよくて。
でも、大きな変化って感じでもなくて、ラストは自分たちでここで旅は終わりと決めて無事に帰るところもすばらしい。こんなに安心して読める本ってない。
とにかく、ひさびさに「至福の読書体験」っていう感じだった。大好きだ。
やっぱり江國さんいいな!と思って、過去の本も読み返したくなった。
投稿元:
レビューを見る
従妹のいつかと礼那の旅に自分も同行している気分が味わえた。ちょこちょこ入る礼那パパの描写に若干気分をそがれるが、2人の本当の旅が始まるのはクレジットカードを止められてからで、そこからのいつかの成長がまた頼もしかった。
時間も学校も忘れてパーっと旅に出たい!そんな気分になったことはありませんか。わたしは旅行に行こうと思ったら細かくスケジュールを組んで分刻みに行動してしまいます。確かに、行きたいところは全部網羅できて達成感はありますが、すごく疲れてしまうんですよね。たまには行き当たりばったりの旅をするのもいいかもしれない。そう思わせてくれたのが江國香織さんの『彼女たちの場合は』(913.6-エ)です。アメリカに住む14歳の礼那は17歳の従妹のいつかと2人で家族に内緒で旅に出ます。旅の資金はいつかが両親から留学資金にと渡されていたクレジットカード。広い世界が見たい。好奇心旺盛で怖いもの知らずな礼那と、自分以外に対してNOが多すぎるいつか。広大なアメリカを舞台に2人が繰り広げる旅はまっさらです。時々ピンチに見舞われますがそれも旅の醍醐味。彼女たちの目線で語られるアメリカの街並みはとてもリアルで一緒に旅する気分を味わうことができます。
投稿元:
レビューを見る
これは作家が取材旅行したいがための作品。
ラストもなんじゃこりゃだし薄っぺらい内容に唖然。
この作家も賞味期限切れてると。文庫落ち確定。
投稿元:
レビューを見る
14歳と17歳の少女二人の、本当のアメリカを自分の目で見たい、という動機から(それだけではなく、たぶんこれからの何もかもの動機にあたる決定的な体験を求めて)逸佳は日本で暮らすパパのクレジットカードを持って、礼那は旅のなにもかもを書き綴ろうとノートとペンを持って。様々旅に必要なものはリュックに詰めて深夜バスでたった一枚の書置きを残して旅立つ。
【これは家出ではないので心配しないでね。】
【旅が終わったら帰ります。】
それは互いの家族にとってもひとつの転機へと動き出す旅立ちだった。
江國さんの物語、文章、信条が好きだ。
あの人の文章は瑞々しいのでなく恐ろしく正直なんじゃないかと思った一冊。こんな体験ができて幸福だ。
投稿元:
レビューを見る
従妹同士の17歳の逸佳と14歳の礼那は二人だけで、アメリカを見る旅に出るために、ニューヨークの礼那の家を出ます。
「いつかちゃんと旅に出ます。これは家出ではないので心配しないでね。電話もするし、手紙も書きます。旅が終わったら帰ります。ラブ。礼那」
これまでの人生で逸佳がノーだったものは、学校、恋愛、女の子たち、太ること、しゃべること、作文、日記、友達の家に泊まる、ロックコンサート、長電話、LAIN、たばこ、化粧…。
礼那の愛読書はアーヴィングの『ホテル・ニューハンプシャー』。パンケーキとリースチョコレートが大好き。
逸佳は旅の途中で、旅費が足りなくなって、アルバイトをしたり、熱を出したりします。知り合った31歳のクリスが気になるけど、恋ではないと思っています。
最後の方で礼那が逸佳に言った言葉。
「たとえばこの朝がどんなにすばらしいかっていうことはさ、いまここにいない誰かにあとから話しても絶対わかってもらえないと思わない?」
「誰かに話しても話さなくても関係なくて、なにもかも自動的に二人だけの秘密になっちゃうのはすごくない?」
何かあるたびごとに、頬と頬をくっけて「チーク」をしながら行動する二人が、とても勇敢で、愛らしいと思いました。
投稿元:
レビューを見る
「これは家出ではないので心配しないでね」というメモを残し14歳と17歳の少女2人はアメリカを見る旅に出た。知らない土地、その場所の人、生活を見て感じる旅。食事の場所、泊まるところも行き当たりばったり。いろんな人に出会い、交流を持ち、もっと居たいという気持ちを残しつつ次の場所へ。そのひとつひとつの中身がおもしろく、一緒に旅をしているような、同じ景色を見ているような楽しさがある。2人それぞれの家族の思い、この旅を通して訪れる変化。2人の旅でありながらそこから広がる影響。出会いと別れを繰り返してアメリカを見て、喜びを感じるその光景がとても鮮やかで美しい。
投稿元:
レビューを見る
広いアメリカを10代のいとこの女の子2人で旅をする
少し気難しいいつかと天真爛漫なれいな
トラブルを乗り越えつつ2人で仲良く街歩きをする様子は映像として思い浮かぶようだった
人生、何が正解かなのか分からないが楽しんだ方がいい
投稿元:
レビューを見る
いつもどこか浮世離れしたような世界で楽しませてくれる江國作品たが、本作はYA達のロードムービー(家出だけど)。リアリズムに徹している。しかも親のクレジットカード付き(途中までだけど)。
若者向き雑誌に掲載されていたのだろうか?
投稿元:
レビューを見る
14歳の礼那と17歳の逸佳のアメリカ旅物語。
日本から礼那の家に留学で下宿している
礼那のいとこの逸佳が誘った形で
親から見たら家出の旅
本人たちにしてみれば家出ではなく二人旅が始まる。
とても危なっかしくハラハラドキドキの旅ではあるが
ハラハラドキドキの後の安定した街に溶け込んだ
旅ではなく滞在の瞬間もあり、読んでいると今自分が
そこにいるかのような心地よさに包まれる。
慎重で愛想のない逸佳だけでは安定と安心の旅に
なってしまっていたと思うが、無邪気で無防備で
人懐っこい礼那のおかげで、旅が深みのある
とても濃厚なものになっている。
2人の娘の家出に奔走する親たちの様子も
それぞれに問題に向かう姿勢が違って
同じ子を持つ親の視点から見るととても面白かった。
またしばらくしたら読み直したくなる
とても良質な物語だった。読後感も良い。
投稿元:
レビューを見る
さすがの気持ちいい読後感!でも読み始めたときは不快だった。
17歳と14歳の従姉妹同士が、書き置き残して「旅にでる」物語。アメリカ各地の風景や土地の人・食べ物、移動の気分、アクシデントや触れ合い…エピソードも描写も美しいんだけど、最初はね、どうしても親側から見てしまい、心配、不快、いっそイタイめに遭って早く帰ればいいとか思ってしまい、つまらぬオトナになったものだぜと嘆息したけれども。
いつかちゃんとれーなが、あまりにもかわいくて、まっすぐで、いつしかおばさんも若い心を取り戻して、一緒にワクワク、ドキドキできたよ。目的地へ最短で快適に渡ることばかり考えてきたけれど、動いていることこそが旅だったね。深夜バスや長距離列車かあ…乗ってみたいな、アメリカでなら。
何かを取り戻させてもらった気がする
投稿元:
レビューを見る
+++
「これは家出ではないので心配しないでね」
14歳と17歳。ニューヨークの郊外に住むいとこ同士の礼那と逸佳は、ある秋の日、二人きりで“アメリカを見る”旅に出た。日本の高校を自主退学した逸佳は“ノー(いやだ)”ばかりの人生で、“見る”ことだけが唯一“イエス”だったから。
ボストン、メインビーチズ、マンチェスター、クリーヴランド……長距離バスやアムトラックを乗り継ぎ、二人の旅は続いてゆく――。
美しい風景と愛すべき人々、そして「あの日の自分」に出逢える、江國香織二年ぶりの長編小説。
+++
472ページというボリュームを全く感じさせない物語である。17歳と14歳の日本人の従妹同士が、書置きを残してアメリカを旅しながら見て歩く、という、言ってみればそれだけのストーリーなのだが、二人のつながりや、旅先で出会う人びととの関わり方や価値観の違い、同じものを観たときの二人の受け止め方の違いなど、興味深い事々があふれており、しかも、日常や非日常のほんの些細な引っ掛かりも見逃さずに、極めて自然に描き出しているのは、著者ならではだと思う。折々に挿みこまれる彼女たちそれぞれの留守家庭(特に両親)の受け止め方の変化や家族の在り方の変化も興味深い。さらには、ふとしたところに示唆される彼女たちのこれからのことに、読み終わった後も思いを馳せることができ、ちょっぴりドキドキさせられもする。ひとり旅立ったらおそらく得られなかったたくさんのことを、二人だからこそ手に入れられたのだろう。勇気、不安、心細さ、安心感、などなどさまざまな感情を動かされる一冊だった。