紙の本
時代を感じます
2019/09/03 16:54
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投稿者:nap - この投稿者のレビュー一覧を見る
今の時代だったら、違う方法で連絡取れたのに、とか。
でも、本質的な部分では、時代は全く関係なく、楽しく読めます。
ただ、イラストはイメージと違うかな。
紙の本
日常の謎
2023/05/18 20:37
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投稿者:みみりん - この投稿者のレビュー一覧を見る
覆面作家・新妻千秋は、大富豪のご令嬢。
美人で聡明で可憐で―と思ったら、それは家の中での姿。
外に出るとべらんめえ調だけれど、本人が使い分けている訳ではない。
そんな彼女と担当編集者・岡部良介(リョースケ)が日常の謎を解き明かす物語。
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単身暮らしなのだが、自宅に戻った時に読んでいる本を忘れてきた。しょうがないので、新幹線に乗る前に取りあえず読み本を購入。
著者の本は「私と円紫さん」シリーズや「時と人」シリーズなどを読んでいる。
最初、お嬢様と執事が登場するので、テレビドラマにもなった他の作家の作品が頭に浮かんだが、そういう物語ではなかった。
著者の他の作品ほどの細やかさは弱いと思う。主人公の多人格性、それから、勝手に、但し判らないように、警察捜査に踏み込んだりするストーリーに稍々違和感があった。
帯にも引用されている、執事の「お嬢様は、非常に複雑な方でいらっしゃいますので、お気を付けください」という台詞は、説明不足過ぎるよね。
食い足らないんだけど、続篇は読んでみようかな、と思っている。
どうでもいいこと。
出張校正で近くの自衛隊駐屯地の起床喇叭が聞こえる、とあるのは市ヶ谷の大日本印刷かな。
北村さんの作品は編集者が主人公や語り手になるのが多い。日頃付合いがあるし、彼らの日常を話に聞くことは多いだろう。でも、ちょっと不思議な感じがする。文芸好きなのかな。
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学生時代に単行本を読んでいたのですが、あの頃の雰囲気のまま文庫で読めることの贅沢さよ。
「リョースケ」呼びも懐かしい。
兄弟の掛け合いは漫才のようで面白いし、謎解きもすぱっと千秋さんが解いてくれるので、すっきりできるし。
さくっと読めるのに、しっかりミステリが味わえるのは流石だなと改めて思いました。
何度読んでも初読時のワクワクを思い出させてくれる、素敵な作品です。
新装版に感謝を。
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2019.10.27読了。
読み始めから、すごく昭和感が強いな...と思ってたけど、読み終わって確認したら平成序盤に出た作品でした。
タイトルから感じていた内容とは違ったけど、優しく読めるミステリーで、眉間にシワを寄せずにすみます。
シリーズ化してるらしいので、他の積読読んだら次も読んでみようかな...
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30年くらい前の作品である。しかも著者は超有名作家。でも、私は初読、申し訳ないくらいである。そして、最高に面白い。スマホとかは出てこず、ググって何かを調べる事もできない。でも、ストーリーには何の影響も無い。二面性(二重人格?)の10代女子は「超」のつくお嬢さまで、お屋敷住まいだが、推理頭と格闘技はキレッキレだ。そして対する編集者は同じ顔の警察官の兄弟(双子)を持つ。前提からして面白いが、それだけでは面白くならないのが推理小説だ。トリックも話も最高に面白くて次作が読みたくなるのは必至。
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「覆面作家のクリスマス」「眠る覆面作家」「覆面作家は二人いる」
19歳、ご令嬢にして可憐、世間知らずかつ頭脳明晰なる覆面作家―しかもとんでもない「外弁慶」。
キャラ盛りすぎでは???と思うものの、これだけの材料を使ってもさすがは北村薫氏、丁寧で読みやすいのでするすると読めてしまうなあ。
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〇覆面作家はお嬢様!?破天荒謎解きバラエティ
推理小説にも、ヘビーかライトのだいたい2種類に分けられると思っている。
その別は特に作家や作品を不当に区別するものではなく、読後感や謎解きの過程がどのくらいのレベルなのか、ということでしかないのだが、この本はおそらくライトの部類に入る本だろう。
3編の中~短編からなる本書は、「覆面作家シリーズ」のはじまりの本で、文芸雑誌編集者の岡部が新鋭作家・新妻千秋の破天荒なスタイルの謎解きに翻弄されていく物語がベースとして据えられる。
「覆面作家のクリスマス」
岡部家の隣の女子高で殺人事件が起こり岡部と千秋が謎解きに潜り込む。殺された美良の手元からプレゼントが一個無くなっていることがわかると…千秋の発想力に舌を巻く岡部。
「眠る覆面作家」
夕子ちゃん誘拐事件はお金をとられず本人も帰ってきて一見落着…に思えたが不審な点が多く?日常の応用、随分頭のよい人たちの仕業。
「覆面作家は二人いる」
CDショップで警報が鳴りCDがなくなる事件で、容疑者はCDを持っておらず?意外なカラクリの連続。
このシリーズの魅力は、何と言っても新妻千秋と編集者岡部との掛け合いだろう。
千秋は、家の中ではおとなしいお嬢様であるが、一歩家の外から出ると男回りな声や振る舞いになってしまうのが見ていて面白い。そのメリハリの中に、岡部のとぼけた行動が入ってくるのでうまくキャラクターのバランスがとれていて頭に残りやすい。
直木賞作家である北村薫のイメージは、わたしのような年代だとミステリーアンソロジーの編者や文芸評論家のような像である。
今回読んだこの本は、1991年に単行本として出されたものを文庫化後、2019年5月に新装版として再出版されたものだ。この出版不況の中再出版されるということは、物語自体のライトさ、あるいは親しみやすさも相まって、多くの人に愛されていることに他ならないに違いない。
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なんだか昭和っぽいなという印象でしたが、内容は面白いです。
お嬢様と編集者の組み合わせ。そして編集者には刑事である双子の兄がいる。
この三人のキャラが素敵です。
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ミステリーの楽しさを満喫しながら、ほのぼのとした気分に浸れる、
北村薫さんならでは。
ただし、推理している事件は恐い。すなわち、殺人、誘拐、万引き。
原因は日常に潜む何気ない気持ちの動きなのに。
新妻千秋と岡部良介のキャラクターもさえてシリーズ第一作。
どういう風にさえているかというと、
外見は正真正銘楚々とした美しいお嬢様なんだけど、
内弁慶の反対「外弁慶」で、っていうところ。
つまり人格が内と外で変わり、それが世の常とちがい、
言葉つきもがらっと伝法、のびのびと羽目をはずすのである。
初出の平成3年頃は珍しかったのではと思わされる。
その後、こういうとっぴなお嬢様風がアレンジされて登場するも多々だもの。
加えて、文章のユーモアがいい。
硬くならず、柔らかすぎず、古めかしくも新しい。
いつも北村さんの作品を読むと思うのだが、
登場人物、とくに女性のファッションの彩りがきれいだ。目に浮かぶ。