投稿元:
レビューを見る
アルツハイマーの母。
徐々に進行していく過程が忠実に描かれている印象。
空白の1年間。
子供を捨て、男を選んだ母親。
阪神淡路大震災で我に帰り、当たり前のように帰宅する。
我儘に生きてみたかった、その結果かもしれない。
彼女は自分を責め続けたのかもしれない。
その一方で、次の世代は誕生する。
老いは誰も逃げる事ができないもの。
5人に1人が認知症の時代のモデルケース。
結局お父さんは誰だったんだろうな。
投稿元:
レビューを見る
親の衰えが顕著に感じられる今日この頃、この本を読んでいてとても身につまされました。しかし、どん底のような介護風景を描いた本は沢山あるので、まだまだ恵まれているように感じられる本です。ほんとはもっと大変ですよね。
人間としての親、人間としての子供、やり直せない悔恨と、許す以外に方法が無い諦め。記憶を無くしていく事で、悲しい記憶に縛られていく母。過去、一度母を失った息子がずっと抱えていたわだかまり。それでも二人は愛し合った親子だった・・・。
自分の事を親が忘れていくという事は色々な人が体験している事だと思うのですが、人生でトップクラスに悲しい事ですね。色々な事を限りなくして貰って大きくなって、それを全て忘れてしまう。そして自分もまた子供の事を忘れてしまうかもしれない。神様はなんて罪作りな事をするのでしょうか。
投稿元:
レビューを見る
認知症、ガンよりなりたくないよね、ほんと。
母親の百合子は共感以前によく分からないけど、子供視点だとときどきどきっととしたりぐさっときたり。
息子じゃなくて娘だともっと赤裸々で情緒のない話になっただろうな。
香織はいい母親になりそう。
投稿元:
レビューを見る
自分が大人になっている分、家族も年を重ねていることを実感してきた今日この頃。
主人公を親のこととしても読めるし、未来の自分のこととしても読めて、悲しい寂しさ気持ちになったけど、家族との別れは必ずやってくるのだという覚悟も少しできた。
投稿元:
レビューを見る
悲しいけれど、これが人の"老い"なのかなと。
誰もが通る可能性のある道だから、目を背けちゃいけない。でも、いざ自分の母親に起きたら目を逸らしたくなるだろうな。
自分の身内にも軽度認知症の人がいて、
会うと辛くなることもあって最近足が遠のいていたけど、やっぱり会いに行こう。
百合子さんの言葉が、本質を突いていると感じた。
"(花火の)色や形は忘れても、誰と一緒に見て、どんな気持ちになったのかは思い出として残る"
大切な人とのもう二度と来ない今を、
ちゃんと感じて、生きて、
後でちゃんと思い出せるように、大切に過ごしたい。
投稿元:
レビューを見る
綺麗とは言えない親子の物語、
愛の物語を綺麗に見せてくれる川村さんさすが。
本当にこの本に全ての諸々が詰まっていると思った。
泣ける。
投稿元:
レビューを見る
認知症の母。息子を棄てた過去がある。複雑な心境だったろうが、妻が明るくて良い人で救われた部分は大きいと思う。
投稿元:
レビューを見る
川村元気という人をあまり知らない。
「億男」からの2冊目
題名と、本の美しさに惹かれて
借りたもののなかなか読む気にならなかった。
本にはいつも白紙で向き合う〜
読後中村元気の肩書に驚き
映画監督、脚本家、絵本作家
はたまた題名を知っている作品多々。
アルツハイマー
最近このテーマが多くない?
葛西百合子「母」
葛西泉「息子」
だんだん母が若くして認知症になる
認知になる症状のリアルさに
恐ろしく、悲しかった。
泉の好きな味噌汁を作ってるよと
そこには鍋の中には広告だとか紙がちぎられ
お味噌汁の具になっていた。
これだけではなく、
ネタバレになるので書けないが
シングルマザーで誰にも頼らず
ピアノ教師をしながら生きてきた百合子に起こったことがあるー
このことを自分は許せなかった、
息子の泉が許して生きてることをーどうしても
許せない。自分の潔癖性、真っ直ぐすぎる
融通のつかないところ。
本を通して自分の狭さに「なんだろう〜」と傷ついた。
作品はよくできてる
さすが変化に、テーマに
泉自身が親になることへの戸惑い。
しかし、器用に作られてる
うますぎることにもう一つ信用できない?
他の作品をまだまだ読めばわかるのだろうか
出来過ぎ感が否めない。
器用にこなしてる。
映画やテレビにすればおそらくヒットするだろう〜
この不信感はなんだろう〜
いつか
この思いに詫びる時があるのかないのか?
本文よりー
医者が言うには
もともと50年も生きることができなかった人間が
長生きするようになって
ガン患者が出てきた
ガンが治せるようになりさらに長生きできるようになったら
アルツハイマーが増えた、どこまでいっても、人間はなにかと戦わなくてはならないんです。」
投稿元:
レビューを見る
母子家庭で、アルツハイマー型痴呆症が進んでいく母親の最期を看取ろうとする若い会社員の息子が主人公の物語。自分が結婚してちょうど子供が生まれる時に重なり、父親になることの葛藤、痴呆症の母を世話することの2つの苦労が伝わってくる。もともと母親のネグレクトがあった過去があり、その葛藤、苦労はより深刻だ。最終的には主人公の成長が救いとなって、読後感はよい。
投稿元:
レビューを見る
ところどころに散りばめられたピアノの調べとともに、静かに淡々と物語が進んでいきます(トロイメライやアヴェ・マリアが聴こえてくるよう。。。)
著者のお祖母さんへの謝辞がつづられているところから、実体験に基づく部分が少なからずあるのかもしれませんね。
諏訪湖の花火を観に行きたくなりました。
投稿元:
レビューを見る
『百花』川村元気さん
1.出会い
世界から猫が消えたなら
億男
四月になれば彼女は
理系に学ぶ
と読んできました。
好きな作家さんのひとりです。
2.百花を読み終えて
どの小説とも違う読了感です。
題材が、高齢に伴うアルツハイマーだからであるかもしれません。
いえ、最後に記載ありますが、川村さんの祖母との思い出、歩みを想いながらの執筆だからかもしれません。
近くの人。
愛する人。
その人がアルツハイマーになったとき、周りはどのように受け止めていくのか?
そして、その人が願う、最期かもしれない願いにどのように寄り添えるのか?
遠くに離れていたら、やはり、進行に気づけないのかもしれません。
また、本人は、認めたくないために、声もあげないのかもしれません。
そして、忘れるのは、その当人だけではなくて、周りの人たちも、少しずつ大切な何かを失っているのかもしれません。
だからこそ、今を生きる。
この一瞬を一遇として生きる。
そんな想いになりました。
投稿元:
レビューを見る
人間の寿命は50歳程度であった。それが医療の発展で長生きできるようになると、癌という病気が人間を襲った。それでもまだまだ抗うと、痴呆が生まれた。すごく印象的だった。人間の歪さを感じた。自分の母親がアルツハイマーになることを想像してしまい、心が握り潰されそうになった。いつか、そういう日が来るのだろうか。そのとき自分は、どう感じ、何を考えるのだろう。この小説の特徴的なところは、アルツハイマーと出産を並行して描いて、記憶の生まれるところと消えていくところを表現しているところだ。なんかそれは、生と死よりも妙に人間臭い営みな感じだ。でも、母親がアルツハイマーで記憶が薄れていく以前に、泉がそうであったように、自分だって母親との記憶のいくつを忘れているんだろう。もっと、母親と話そう。今のうちに。今だからこそ。
投稿元:
レビューを見る
母子家庭で育った泉がアルツハイマーになる母親との関係、父を知らない自分は父親になろうとしている、人間の生き様を息子視点で描く。
仕事と介護と妻の出産と月日を重ねつつ、過去の母親の知らなかった側面を知ったりする。自分に重ねて読んでしまう。一気読み。
投稿元:
レビューを見る
一流レコード会社に勤めるエリート夫婦
その旦那の母親がアルツハイマーになり
あっさりと超優良な施設が見つかり
すぐに入れる!
その母は息子が中学生の時、不倫相手と
一緒に神戸に行ってしまう
息子を置いて…
一年くらいでしらっと帰ってくる!
アルツハイマーが進行して、息子自身も認識できなくなったと思ったら、すぐに肺炎で死にましたとさ
1つも感情移入出来ずに、読んでて辛かった…
前の2作はけっこう好きだったので残念です
次回作に期待します
投稿元:
レビューを見る
① この本を選んだ理由
川村元気さんの作品ということで選びました。
②あらすじ
認知症と診断され、徐々にいろいろなことを忘れていく母と、その息子との物語。
③心に残ったこと
認知症の物語はたくさんあるけど、どれもとても悲しいと感じてしまう。この物語も悲しさと、いつかそのようなことが周りにおこると思うと、恐怖でしかない。
④感想
哀しい物語で心に寂しさが溢れた。
親との別れはとても哀しいもので、泉と同じように、過去を思い出していました。記憶は断片的であり、強烈に覚えているつもりのものも、本当にそうであったか、今ではぼんやりしています。いつまでも忘れずにいることはできませんが、たまに思い出してみることが、人生には必要かもしれません。
⑤登場人物
葛西泉
葛西百合子 母 68歳
葛西香織 妻
浅葉