地形から見る災害
2021/07/21 22:26
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投稿者:福原京だるま - この投稿者のレビュー一覧を見る
その土地の地形や地質がどのようにして成立したのか、どのような災害が予想できるのかという点が興味深かった。
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投稿者:怪人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本列島の成り立ちを新書版でコンパクトに解説した本である。本のタイトルには象徴的な富士山を取り上げてはいるが、日本列島の地形発達史である。5章までプレートテクトニクス、火山、気候変動等縷々説明があり、以後、関東平野、活断層、人為的改変(干拓、埋立など)や人工物(宅地造成、ダムなど)による地形への影響(海岸浸食など)が書かれている。どの話題も1冊の本になるようなものだが、コンパクトにまとめているとは思う。その分、多少の見解の偏りや理解しにくい点なども見られるようだ。
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<目次>
第1章 日本列島はなぜ弓形をしているのか
第2章 富士山はどうしてそこにあるのか
第3章 火山噴出物は何を語るか
第4章 リアス式海岸はどうしてできるのか
第5章 気候変化が地形を変える
第6章 関東平野はどうして広いのか
第7章 活断層が平野をつくる
第8章 人為的に作られた地形
<内容>
地質系の地理学者による入門書的な本。元はNHKラジオのテキストで、それを改訂や加筆をしたもの。したがってかなりわかりやすく日本の地形的成り立ちが理解でき、地震や気候による変化、河川や海岸線、場合によっては埋め立てでの地形の改変が我々にもたらすこと、その警鐘もわかった。
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断層とは、など地形を地道に研究する中から日本列島の生い立ちを考える好著。
地味だがフィールドワークの重要性がわかる。
関東平野が広いのはプレートがぶつかるところにあるため。実は真ん中がへこんだすり鉢状の形をしている。
玉川上水のルートは「これしなかい」というルート。これをわずか数ヵ月の工期で完成した。
地層分析の手掛かりになる火山噴出物。九州の鬼界カルデラの噴出物は日本中で見つかる。
富士山がある場所は3枚のプレートが集まった場所。ほかに火山がない、ぽっかりあいたスペースにできた山なのであのような広いすそ野を持つ山が形成された。
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富士山がどうしてそこにあるのかの話は割と早く出てくる。災害の話が結構多い。副題の地形から見る日本列島史のほうが近いか。
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著者曰く、力任せの自然改変が横行し、自らの生活を危険にさらしている。地形・地質の成り立ちを知ることの意義と重要性を知らしめたい。
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何度かテレビや雑誌で得てきた内容を、この本を通じて網羅的に理解できた。第1章を読んでおくと、次の富士山の位置の話しは3枚のプレートがぶつかりそうなるよなぁ、とはなる。筆者は真摯に学問的なアプローチで書いてくれているので、一つずつ賢くなった気はする。個人的には関東平野がなぜあんなに広く、窪地が多いのかは興味深く読めた。
日本列島は奇跡的なプレートの交わりがあり、美しい地形が生まれた。ここからさまざまな四季が巡り、歴史が生まれた。インバウンドの観光客が日本を訪れる根源的な理由はここにあるのではないか?と感じた。
なお、地殻はじっくり変動している。人工的につくった埋立地や島がどうなるのか。最後の章で筆者はやや批判的に考察しているようにも読める。大地からひたら人間なんてものはちっぽけな存在である、という当たり前のことも改めて感じた。