夏目漱石の見た中国 『満韓ところどころ』を読む みんなのレビュー

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投稿者：雄ヤギ　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

夏目漱石の『満韓ところどころ』について様々な国の研究者が文体論やオリエンタリズム、戦争観などを元に論じている。途中までは『満韓ところどころ』で歩んだルートを実際に辿ったりして論じられている。どの執筆者も一方的にこの本について「良い／悪い」で論ずるのではなく、論点ごとに慎重に論じており、この点はとても好感が持てた。
　『満韓ところどころ』は私も好きな一冊だったので、オリエンタリズムや中国人を「汚い」と表現している点など、さすがに同感しないまでも、無頓着だった点があるので、反省した。特に「汚い」については、衛生観念は相対的なものであり、漱石のように一方的に決め付けるのはどうなのかという論には強く同意した。