全人類が読んだら、きっと地球が変わる本。
2019/07/17 00:06
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:あおやぎ - この投稿者のレビュー一覧を見る
どんな本、と一言で表現するのは難しい。
ただ、「ルールはルール」と信じて疑わない人間全員が読んだら、きっと地球は変わるのではないかと思う。
荻上チキさんが自身の子ども時代からの経験やお仕事を通じて考えてきた様々な生きづらさをどう扱い、生きていくかを綴っているエッセイ。1つのトピックごとに、荻上さん本人がオファーを希望したというヨシタケシンスケさんのイラストが入るので、荻上さんの文章をじっくり読んだ後にまたその内容をお腹に落とせるような構成になっている。といっても、文章の一字一句をイラストに反映、というわけでもなくヨシタケシンスケさん独自の目線で描かれている点がおもしろい。ちょっと笑ってしまって、ちょっと切ないような、あのイラスト。それが荻上さんの文章とも不思議にマッチしている。
いわゆるいじめの当事者や社会的弱者と言われるような立場を経験したことがなくても、何かしらの「呪いの言葉」に縛られている人は非常に多い。私自身、呪いの言葉で人を縛ってしまったこともあるし、縛られていると感じることもある。けれど、考えというものはいつでも変えられること、手放したり新しく手に入れていいのだということを知ったら、少し生きやすくなる。自分にかけられている呪いの言葉を解き、たった今から自分の意志で幸せになっていいのだということを、決して押しつけない優しさで伝えてくれる本。
たしかにっ!みらいが見えるめがねにかけ替えて世界を見るような読後感です。
2021/11/30 23:20
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:タオミチル - この投稿者のレビュー一覧を見る
世の中の常識と皆が勝手に思っていることが、実は誰かの生き方を辛くする。そんなテーマで貫かれているような一冊。荻上チキさんが、ひとつの話を訥々と語れば、それを受けてヨシタケシンスケさんのイラストがそのテーマを自由に膨らませるといった構成で、どの章もストンと読者の腑に落ちる。たとえば、最初の話、ディズニーのお姫様たちも時代ともに進化しているんだなぁと腑に落ちて、イラストでは、日本のおとぎ話の姫たちが、自由に生きようと決意したりして、なんだかいいなぁ。...って感じが、最終章まで続きました。
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くりすたるくりきんとん - この投稿者のレビュー一覧を見る
世の中には様々な悩みを抱えている人がいることは、理解はしていましたが、この本を通して、昔から変わらないこと、また多様化していることが分かりました。
ヨシタケシンスケさんが解釈された絵が和ませてくれます。
この本でヨシタケシンスケさんの存在を知りました。
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:おどおどさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
疲れた時に読むとホッとしそうな本だな。私はメガネをかけたことはないけれど、逆にメガネをかけるとまた違った世界が見えるかもしれないなぁと思う。
考え方を変えたい時にも是非読みたい。
いろんな考えがあるって面白い
2021/05/04 09:31
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:でん - この投稿者のレビュー一覧を見る
人によって感じ方や考え方は違うけど、それを受け入れたり、認めたりするところからまた世界が広がるなぁって思える内容。
読みやすい文章な上に、章ごとにヨシタケシンスケさんのイラストがあってこれまた面白い。
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ぱーぷる - この投稿者のレビュー一覧を見る
私は、視力が悪いので日常からめがねを使用しています。めがねの本てなんかいいなと思いました。めがね一つで世界が変わる不思議だなと思いました。
投稿元:
レビューを見る
いつのまにか「あの人は〜だから」「〜してる人は〜」など、勝手な思い込みをしていることに気がつくことができるか。ひとのことをレッテル貼りすることもそうだが、それ以上に自分が思い込みにとらわれていないか、時々点検することが必要だ。
投稿元:
レビューを見る
チキさんの世の中を見る眼差しはとても温かくて優しい。
そんな優しい気持ちに包まれて、泣いてしまった。
投稿元:
レビューを見る
荻上チキさんが幼少期からこれまで体験したことを元にいろいろ考えたことを綴る。
チキさんは若くて聡明な人で、現在の活躍ぶりはとても凄いものだけど、ここまでいろいろあったんだなあ。
ライフストーリーの「語り直し」か、考えてみよう。
ヨシタケシンスケさんのイラストも楽しくて、また深いものがあって心に沁みます。
投稿元:
レビューを見る
暮しの手帖の連載15回分(4世紀82〜96号)が単行本化。荻上チキの文章とヨシタケシンスケのイラストがつかず離れずで二度おいしい。荻上チキさんの「はじめに」とヨシタケシンスケさんの「あとがき」がついた。
内容はだいたい毎号読んできているが、一冊にまとまってあらためて読み返せるのはうれしい。
トレーシングペーパーのメガネをかけるカバーと扉ページがおもしろくて好き。
投稿元:
レビューを見る
いろいろなところにとてもシンパシーを感じた。
うまく言葉にできないことをアウトプットしてくれる人が同時代にいるのは、運がいいことだし、心強いと思った。
また、イラストとの掛け合いもとても素敵。
続巻楽しみにしています。
投稿元:
レビューを見る
とても優しいです。
心が軽くなります。
呪いを解いていこう。
ヨシタケシンスケさんの挿絵も可愛らしく、楽しく読めます。
投稿元:
レビューを見る
ラジオは無料なので、たまにはお金も落とそうと言う気持ちで購入したが、とても良かった。最近嫌なこと多くて辛かったけど、少し心が軽くなった。私は私らしく生きていこう。イラストも可愛い。
投稿元:
レビューを見る
評論家の荻上チキさんのエッセイに絵本作家のヨシタケシンスケさんがコラボ!
荻上さんの体験にはシンパシーを感じるところもあったし、その体験ゆえに考え方や行動を広く柔軟であろうとする姿勢は尊敬する。
ヨシタケシンスケさんの作品は初めてだったけど、ユニークな上に味わい深くて良かった。こんな作家が売れるなんて日本も捨てたもんじゃないなと思った。
以下、気になったところを引用。
「僕は、パレードを見ると、涙が出る。自己分析するに、どうも自分は『多様萌え』なようだ。異なる者同士が、それぞれ自由に行進していている姿を見るだけで、涙腺が緩む。」
「確かに新しいメディアは、社会に新しいトラブルを持ち込む。でも、それによって救われる人もたくさんいる。片面ばかりを見てはいけない。それが一体、人に、社会に、どんんな役割を果たし得るものなのかを見なくちゃなと思う。」
「(略)人生は全てが教材になる。ゲームでも、ユーチューブでも。」
「ライフストーリーをどのように語るのか。過去をどう捉え、今をどう評価し、未来になにを望むのか。そのイメージが崩れた時、人は危機に瀕する。今までの自分や、世間の『べき論』と比べることで、否定のループに陥っていく。」
「何もかもに、その考えを押し付けるな。何も知らないくせに、勝手に噂するな。何もしないくせに、土足で踏み荒らすな。何も疑わないままに、そこから査定するな。こうやって生きているんだ。何が悪い。」
投稿元:
レビューを見る
夏頃に図書館で予約し、漸く回ってきた本。
荻上チキさんのお名前は知っていたが、どんな方かはよく知らなかった。
暮しの手帖に連載されていた物をまとめた本。
世の中で、影になっている部分やマイノリティと言われる様々な'当事者'に会い、寄り添いながらその問題の核心について、私達に分かりやすく伝えてくれている。
ご本人も、小中学校時代に酷いいじめを経験し、人との距離感を掴むのが苦手だと書かれている。当事者の事をより深く理解しようと仕事量が増えてしまい、鬱病になったことも。今は病気と上手く付き合いながらお仕事を続けられているそうだが…。
全体的に重いテーマなのだが、そこにヨシタケシンスケさんの小話的マンガが添えられていることで、フッと抜けるような安堵感がある。
ヨシタケさんの書かれたイラストあとがきは、「そう!そうだよね!」と何度も頷いてしまった。最後のオチもさすが!2020.1.8
以下本文より
○ 何かの属性を持つなら、このように振る舞わなくてはならないとする規範の数々。自分の人生に関係のない他人が、遠くから自分の人生を勝手に査定し、嘲笑うために規範性を振りかざすなら、それは「呪いの言葉」にほかならない。
どんな規範の言葉に呪われ、苦しめられてきたのか。自分と合わない相手と、規範で縛られて無理に付き合っていないか。人生のどのタイミングでも、重荷を下ろすことは赦される。114ページ
○ 小説経由だろうとテレビ経由だろうと、ネット経由だろうと同じこと。それをどう血肉化するかは、これから何を学ぶかによって変わるんだろう。166ページ
○生きづらさを取り除くこと。現在の社会のノーマティビティ(規範)を疑うこと。外に向けて発信はできても、内面化された自分の価値観を変えることはなかなか難しい。
178ページ