紙の本
期待し過ぎないように・笑
2019/10/10 16:56
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:koji - この投稿者のレビュー一覧を見る
トマス・ハリスの13年ぶりの新作です。
レクターシリーズを読んだことのない人なら満足できる作品でしょう。
ところがレクターシリーズで魅入られた読者には肩透かしでしかないかな。
私は帯の惹起文も紹介文も読まずに本文から必ず読むのですが、
それでもトマス・ハリスの作品です、期待しないわけがない。
読後に帯・紹介文・解説を読んだのですが誇大広告です。
主人公カリ・モーラも今ひとつキャラクター像が曖昧に感じられますし、
ある意味主役である悪党たちも灰汁が弱いとしか思えませんでした。
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サイコスリラーというより、結構 ”活劇” だね。主人公カリがなかなか魅力的。この人の描く女性は、クラリスといいカリといい、クレバーでヤル女でカッコいい。悪者たちがちょっと物足りなかったかな。
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映画化のために用意されたシノプシスといった感じ。一気に読めるので売れるだろうが、物足りなさはハンパない。ヒロインと敵役の対決は最後まで待たされるがあっけなく、悪人もレクターと比べると薄っぺらで、そもそもサイコの造形が古臭い。「ザ・ディープ」の様な海洋アクションとして映画化すればそれなりに面白いかも知れないし、ヒロインの女優当ても楽しめそうだ。サイコスリラーではなく、海洋宝探しモノと思えば腹も立つまい。
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ハンニバル・レクター博士を世に送り出した著者の新作を書店で見つけた時は、小躍りした。映画化もされた『羊たちの沈黙』でも女性が主人公だった。本作も女性が主人公であり、徐々に彼女の過去が語られつつ物語も進んでいく。本作品もいずれ映画化されるのではと、期待している。
犯罪者がうごめくアメリカを舞台にした、容赦ない奴らの宝探しゲームに巻き込まれたヒロイン。最後のページまでハラハラ・ドキドキが止まらないスリラー小説。
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ふらふらっと立ち寄った大型書店で見かけた。えっ!トマス・ハリスの新刊?これは当然買いでしょう。
「羊たちの沈黙」や「ハンニバル」は学生時代に貪るように読んだ。ホントに懐かしくて嬉しくなる。
トマス・ハリス御大はもう80近い。なのに、こんなテンポのよいポップなスリラー小説を書いたことに感動を覚える。
主人公カリがとても魅力的。
カミラ・カベロのイメージでずっと読んでました。
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主人公カリが元ゲリラ兵士で魅力的な女性であること。ハンス・シュナイダーがど変態でカリを狙うこと。そんな中で莫大な金塊の争奪戦という大味なアクションストーリー。
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トマス・ハリスなので、もっとノワールなものを期待して読んだが…意外とスッキリした読後感。
「羊たちの沈黙」で代表されるレクター博士ものとは一線を画した作品だった。
カリ・モーラをヒロインとした連作ものにするのだろうか?
作者には、もっと黒々とした重い作品を期待したいのだが
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マイアミに暮らす美貌のカリ・モーラは25歳。
故国のコロンビアでの凄惨な過去を背負い、移民として働きながら、獣医になることを夢見ている。彼女は麻薬王の邸宅管理のバイトがきっかけで、屋敷に隠された金塊を狙う犯罪集団の作戦に巻き込まれ、彼らと対立する臓器密売商の猟奇殺人者シュナイダーの妄執の的になってしまう。
極色彩の恐怖と波乱の展開に震える傑作サイコ・スリラー。
(あらすじより)
羊たちの沈黙で有名なトマス・ハリスの13年ぶりの新作サイコ・スリラー。
女版ランボーの爆誕といった感じ。
故国コロンビアの内戦中に反政府ゲリラに拉致され、ゲリラ兵として過ごした暗い過去を持つ主人公兼ヒロイン。
ゆえに強すぎる(笑)
海兵隊上がりのマフィアより有能で、敵役の猟奇殺人者シュナイダーはヤバい奴だけど、タイマンになったら勝てなさそうな感じはしてた。
まぁ、ライオンがウサギの皮かぶってるんだから見破るの難しいし、初見殺しで決着でしたね。
ここで対決させずに今後も執拗に追ってくる感じで続けば良かったかも。
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積読で何となく手に取っていなかったけど、読み出したらサクッと一気。すぐに読めば良かった。グロテスクなんだけど、気を許せるところもあり。軽くなった。
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うーん、ワニやエスカルゴの描写はなんで必要?
カリのその後どうなる?中途半端な気が。
TH作品としては緻密性な荒書きな感。
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ほぼ最後までいったけど、入り込めませんでした。
れくたー博士読んでないからかな(海外ドラマはハマりました。この類の話はとっても好物なのですが)
ちょっと冗長に感じてしまったのと、
登場人物がよく頭に入らなかったのが原因だとは思います。
ただ、なぜ?
という原因がわからず、、、
私自身もとても残念です。
みなさん、高いレビューなのになー。
ごめんなさい・・
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トマス・ハリスの映画は見たけど読むのは初めて。トラウマの過去を持つ主人公が、犯罪者の隠し金を狙う悪党たちの抗争に巻き込まれ、偏執狂の対象にされてしまう。そして…。出だしは淡々と読ませる感じでいたが、後半から映画にある臨場感と緊迫感を感じた。
映画化の可能性あるかも。
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ハンニバル・シリーズを完結させてから13年も鳴りを潜めていたトマス・ハリスが帰ってきた。それもレクター博士シリーズのようなサイコ・サスペンスではなく、初期の『ブラック・サンデー』のような国際テロ小説でもなく。作者が現在生活し、その地に魅力を感じてやまないマイアミを舞台として、犯罪者たちの激闘をブラックでアップテンポな筆致で描きつつ、ひとりのニューヒロインを際立たせたエンターテインメント小説という形で。
本書は、『スカーフェイス』でお馴染みの、実在のコロンビア麻薬カルテル王パブロ・エスコバルがマイアミに実際に遺したとされる豪邸が軸となる。現在では何代目かの持ち主によって取り壊されてしまったらしいが、小説の世界では、その地下にあるばかでかい金庫には金塊の山が眠り、これをめぐって犯罪者どもの強奪戦が展開される。
その一方の悪辣な側の先頭に立つのが臓器売買を生業とするサイコパスのドイツ人で、その買い手を含め、あまりの異常さに吐き気を催したくなるほどでありながらどこかブラックなユーモアで包んでさらっと描いているところに作者の変化が見られる。重厚なゴシック・サイコ・ミステリーではなく、あくまでアクションを主体とした争奪戦というゲームの盤上にいるかのように。
訳者はまるでエルモア・レナードのよう、と書いている。まさに多くの悪党どもがしのぎを削り合い、化かしい合うアクションと殺戮で重ねてゆくハイテンポな展開と、からりと明るい陽光と海辺という舞台など、かつての暗いハンニバル・シリーズとは対極を成すかのようである。
ヒロインのカリの出自を描くシーンで、中南米からメキシコを経由してアメリカに密入国する手段としての<野獣>と呼ばれる鉄道のことが描かれている。機を同じくして翻訳されたばかりのドン・ウィンズロウ『ザ・ボーダー』でニコという少年が辿る南米からアメリカへの脱出方法として実は印象深い<野獣>。鉄道の屋根に飛び乗って移動するこの危険極まりない方法は、銃撃や転落などが頻発し、成功率が低く、鉄路近辺には子どもたちの手足が散らばっている、などと本書でも描写されている。
ウィンズロウの描いた過酷なメキシコの麻薬戦争を尻目に、本作では、ヒロインであるカリ・モーラは<野獣>ではなく、運よく空路にてマイアミへの移住を果たしている。トランプ政権下で移民として生きる苦境と、それに抗う主人公の生活については作中でしっかり語られる。彼女が手をかける野鳥たちの環境保護活動もプロットの最重要武器として含めつつ、トマス・ハリスがマイアミに生活しながら実際に感じているであろうリアルを、作品というフィクションの海に、錨のように降ろしているのではなかろうか。
何はともあれエンターテインメトとして巻置く能わずの面白さである。何も考えずひたすらマイアミの太陽と青い海に身を委ねてみては如何。少々チリが効き過ぎのきらいはあるが、カリという25歳女性の魅力は日々の読者の内外のジレンマを、きっと、すきっと、払拭してくれるはず。
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骨太コロンビア系サスペンスと言うべきか、コロンビアから移民してきた悲しい過去を持つカリモーラを主人公にしたサスペンス。周りを囲むドンや、異常殺人者のキャラクターがよい。ただ主役級がボンボン死んでしまうのは、びっくり。コロンビアの内戦の話や、移民の話なんてのは、あまり知らなかったので興味は持てたし、アメリカの小説といいながらも、コロンビアについてとても勉強になった。サスペンスとしては、一様な感じで取り立てて楽しめなかったのが、残念。また、よくわからないところで主体が入れ替わったり、太字になったりと、少し意味不明な翻訳もあった。
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あのトマス・ハリスの「ヒロイン対サイコパスキラー」ものと期待して読むと肩透かしを食うかも。むしろ現代の冒険小説ものとして読むべき感じ。では、一連のレクターシリーズの続編のような期待値を差し引いても、サスペンスとしては中盤までの展開はいささか冗長に思う。一番の魅力はマイアミの港町の情緒感で、そのどこかゆったりした雰囲気の中に突発的に起きる殺伐とした現場のリアリティや、移民などの社会背景に詳しくない私は、そのへんにピンと来ていないのかも知れない。