紙の本
正解を出す力にもはや価値はない
2020/08/09 16:16
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:UMA1001 - この投稿者のレビュー一覧を見る
しょっぱなからインパクトのある内容です。少し尻萎みですが。
・正解を探すにではなく、問題を探す
・役に立つものを生産し続けるのではなく、希少な意味を世界に与える
・最適化はどうでもよく、どれだけしなやかに適合できるかという柔軟性の度合いが大切になってくる
・自分なりの理想像を構想し、現実と見比べ、そのギャップを見出すことで問題を発見していく
・経営課題の取り組みにおいて、解決したい課題が設定されていない
・自分の価値を高めるための解決ではなく、世の中の課題を解決することを目標にする
・未来はどうなるかえ、ではなく、未来をどうしたいか、で考える
・自分が欲しいと思わないものは他人が欲しがるわけない
・ビジョンや目標で最も大切なものは共感できること
・非効率なものが偶然最適なものを見つけることで更なる効率化が実現される
・人間は意味を食べて生きる生き物
・殆どのものが残すべきとしての価値がなく、労働力と資源を投入してゴミをせっせと作っているようなもの。ゴミを作り、売ることに意味を見いだせない
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オールドタイプは変われるのか?
2019/12/30 10:26
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:だい - この投稿者のレビュー一覧を見る
■6つのメガトレンド
従来の望ましい人材=オールドタイプ
偏差値に代表される「正解を出す能力」が人の優秀さを示すモノサシ
今後の望ましい人材=ニュータイプ
問題が希少で解決策が過大であるため「問題発見能力」が価値を生む
・飽和するモノと枯渇する意味
・問題の希少化と正解のコモディティ化
・クソ仕事の蔓延
・社会のVUCA化
・スケールメリットの消失
・寿命の伸長と事業の短命化
■価値創造
問題解決から課題設定へ
1競争力の源泉は問題発見力へシフトする
2解決したい課題の設定に絞る
3構想した未来の実現に向けて行動する
■競争戦略
「役に立つ」から「意味がある」へ
4仕事に意味を与え、モチベーションを引き出すことが
組織競争力を引き上げる
5フォーカスを優先し、グローバル市場への貫通力を高め
スケールを得る
6意味のポジションを築くことで、高い収益と安定を得る
7WHAT、WHY、HOWを明確化し、共感できるスト
ーリーとして伝える
■思考法
論理偏重から論理+直感の最適ミックスへ
8経営における問題には、その性質を見極めて論理と直感の
どちらを用いて対処すべきかを決定する
9大きな方向性を持った上ですべてを予定調和させるのでは
なく、直感と予感に基づいて仕込みをする
10ルールに依存せず、自分の内在的な規範や美意識に基づき
判断していくための成熟した知性が不可欠
11量的・質的な側面をうまくバランスさせ同時に発展させる
■ワークスタイル
ローモビリティからハイモビリティへ
(組織定着) (社会的移動)
12組織に所属する生き方はリスクが大きくリターンが小さい
13自分の場所=ポジショニングを変えることで自分の成長を
加速させる
14自分で仕事の意味を形成する内発的モチベーションにより
弱者が勝者になる
15専門家と門外漢の意見を区別せず、ニュートラルかつフラ
ットに両者を扱う
■キャリア
予定調和から偶有性へ
16やってくる機会を積極的に「自分のコナトゥス」を高める
機会になるかどうかを試していく
コナトゥス=自分らしい自分を続けようとするエネルギー
17高いモビリティを持ち直感と美意識に駆動されて行動する
18TakerよりもGiverの方が最終的に得られる利得は大きく
なる
■学習力
ストック型学習からフロー型学習へ
19リベラルアーツを学ぶことで時間軸空間軸で目の前の常識
を相対化するリテラシーを持てる
(一般教養:人文科学・社会科学・自然科学)
20他者の声に耳を傾け共感することで、気付きの契機を創り
その契機からの学びを活かして成長し続ける
21環境に応じて自分の学びをアップデートする
■組織マネジメント
権力型マネジメントから対話型マネジメントへ
22人的資本(スキル・知識)や社会資本(評判・信用)を蓄積す
ることでモビリティを高め、ポジションリスクを気にせずに
年長者にオピニオンを出し、時によりエグジットを行使する
23権威に頼らず自ら問題意識を持ち、人に働き掛けていく
24システムに一応は適応し、システム内での発言力・影響力を
蓄えながら課題を見据え、システム改変のために行動する
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「世界のエリート・・・」のインパクトが
2019/07/15 17:09
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:はるはる - この投稿者のレビュー一覧を見る
「世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?」がインパクトがあったのでどうしても比べてしまいます。この本も「世界のエリート・・・」とは関連しており、より詳しく内容を述べた本といってよいかと思います。ただ、もう少し各所に具体例が欲しかった気はします。悪い本ではないです。
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今までとこれから
2020/09/22 17:47
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:翔 - この投稿者のレビュー一覧を見る
特に、「タイプ1の努力」と「タイプ2の努力」という考え方がお気に入りです。これから大事なのは、タイプ2の努力です。
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著者のイノベーションの定義が最高。
今後僕も同じ説明をしようと思う。
本書の主張は、「正しい正しくない」よりも「好き嫌い」を判断軸にする方が価値のある時代になったというもの。
この辺り誤読しそうになるのだが、だからといって「正しい正しくない」を理解できる技能の習得をサボってよいわけではない。
「正しい正しくない」のコモディティ化は進んだ。それゆえ、過去と比較するとその部分において相対的に価値を生みにくくなった。ただ、その部分が最低限クリアすべきハードルになっているため、そこがクリアできないならそもそも論外になっているというのが僕の認識である。おそらく著者も。
品質管理の世界での当たり前品質と魅力的品質である。
当たり前に必要とされるビジネススキルレベルはほんの10年前と比較しても大幅に上がっている。
この当たり前品質と魅力的品質の両方を高度に発揮しなければならない。
のだけれども、この本をうちの若い子とかに読ませると「好き嫌いでの判断こそ価値があるのだ」という勘違いが発生しそうでこわい。
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内容は具体的で示唆に富み、かつ、腹落ちしやすいことから明日にでも実践できそうである。
各項目それぞれ「ニュータイプ」「オールドタイプ」の行動様式があり、自分の知っている人の中ですぐに思い浮かぶのが面白い。
「自分はニュータイプでありたい」との意思を持つことから始めよう。そうすれば、自然とニュータイプの行動様式が実践できるはずである。
自分の身の振り方や行動で迷った場合、おそらくこの本に帰ってくる可能性が高そうである。これからも事あるごとに再読したいと思うので★5つ。
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オールドタイプと言われる人たちが排除しようとしてきたタイプの人間をニュータイプと言っていて、もはやニュータイプだけが通用する時代になりつつあるという話。未だに、オールドタイプはクソ仕事を作り出して蔓延っている、経験を語ってマウントしてくる、とかボロクソに言われてるけど、自分ってオールドタイプだな〜とつくづく思う。この本を読んでも、なるほど!と思ったものが半分くらいしかなかったし。
じゃあここに書かれているニュータイプの特徴を真似すればいいかというと、全然違うと思った。そもそも能力の低い、薄っぺらい人間がわがまま言ったり、逃げたりしても、それはニュータイプではないと思う。ニュータイプって意識してなるものなの?
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p258 浅田彰が〜、「必ずしも行き先がはっきりしているわけではないけど、ここはヤバそうだからとにかく動こう」というマインドセットが、スキゾ型〜
p337 〜私たちの社会が「残酷な社会」なのであるとすれば、〜エリートが本当に考えなければいけないのは〜「どうすれば柔和で公平な社会ができるのか」という論点〜
p341 〜ハイデガーは「世界劇場」という概念〜、現存在=我々の本質と、我々が社会において果たしている役柄は異なっている〜
p343 この世界劇場の脚本は書き換えられなければならない〜「誰がその脚本を書き換えるのか」という問題〜
p349 人間は意味を食べて生きる生き物〜
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『ニュータイプの時代』(山口周著)/ダイヤモンド社)vol.510
https://shirayu.com/blog/topstory/enlightenment/8522.html
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今の時代に必要なマインドセット、思考法を書いており
現在は問題を設定する力の方が重要である事を説いた本
VUCAと言われる不確実性が増し、物質的、精神的な物が満たされている現在では
問題解決する物自体が減っていくため、新しく問題を設定する人、未来を構想して
作っていく事が重要。
論理自体には納得性が高いので、読んで参考になる部分は多いはず
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山口さんの書籍は読みやすいのと、色々と示唆があって結構好き。
何か自分はオールドタイプだなぁ、と感じたり。。。(^^;
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クソ仕事というフレーズには、思わず吹き出した。自分が経験してきたことがこれからは使えない前提として、ビシビシ伝わってくる。この著者はとても親近感があり読み応えあります。
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<目次>
はじめに
第1章 人材をアップデートするための6つのメガトレンド
第2章 ニュータイプの価値創造
第3章 ニュータイプの競争戦略
第4章 ニュータイプの思考法
第5章 ニュータイプのワークスタイル
第6章 ニュータイプのキャリア戦略
第7章 ニュータイプの学習力
第8章 ニュータイプの組織マネジメント
<内容>
人々をオ-ルドタイプとニュータイプに分け、なぜニュータイプが必要で、これから伸びていくのかを、多くの教養を基に説明するもの。おそらく、これまで書いたものをまとめた感じなのではないかと思う。経営学、マネジメントを中心に、哲学科卒だけある、教養を散りばめながら、説得力のある解説を進めていく。
他の人の書いた内容とそんなに齟齬していないので、ニュータイプを育ていないといけないね。
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1 飽和するモノと枯渇する意味
2 問題の希少化と正解のコモディティ化
ボトルネックは問題の解決から問題の発見へとシフトし、 解決能力は供給過剰の状況に陥る
MBA志願者の減少 人工知能のよる追い打ち
3 クソ仕事の蔓延
4 社会のVUCA化 volatile 不安定、uncertain 不確実、complex 複雑, ambiguous 曖昧 アメリカ陸軍が現在の世界状況を説明するために用いだした用語
経験の無価値化、予測の無価値化、最適化の無価値化
5 スケールメリットの消失
6 寿命の伸長と事業の短命化 アメリカの企業の平均寿命が60年から20年へ
日本 フォローすべき先行者のいない状況に歴史上初めて立たされた
日本の思想史 コンテンツがない 外来のものに無批判にといついて、それを飲み込んでいくという文明受容の態度
イノベーション停滞の真因は問題の希少化
セグウエイ 黒字化できず
どんな問題をとこうとしているのか、はっきりしない製品だった
課題設定とその解決にこだわる
未来は予測せずに構想する
ニュータイプは未来がどうなるかでなく、未来をどうしたいか考える
重要な局面ほど予測は外れる
予測をもとに自分の行動を決定するのはオールドタイプ
未来予測は原理的に不可能
人工知能を人間が手にしたことで、私達にどのような可能性が開けるかと問うことが大事
意味を与えると人は豹変する
ピーチ・アビエーション 社是 戦争をなくすこと
ニュータイプのリーダーは、仕事の背景をなす大きな意味を明らかにすることで、組織からモチベーションと創造性を引き出す
広島 マルニ木工 アップルに数千脚の椅子を納入
山中社長 本気で自分がほしいと思う椅子で勝負したいと方向転換
グローバル市場におけるニッチ
フランクとクック 市場が絶対評価から相対評価へ変化することで勝者総取りが進行すると考えた
役に立つとい市場で生き残りをかけた熾烈な戦いに身を投じるか、意味があるという市場で独自のポジションをとるか
役に立つという市場で戦うとほぼ全員負ける
役に立つより意味がある方が高く売れる
モノが飽和し、モノの価値が中長期的に低落傾向にある時代だからこそ、これからは、役に立つものを生み出せる組織や個人にではなく、意味やストーリーを生み出すことができるニュータイプに、高い報酬が支払われる時代がやってくる
意味はコピーできない
テクノロジーもデザインもコピーされやすい
優秀な人材を集め、彼らのモチベーションを引き出すためには、what,why,howを明確化し、それらを整合的に共感できるストーリーと伝えることが必要になる
カーネマン
外部からの刺激に対して、大きく2種類の意思決定の過程が同時に、異なるスピードでおこる システム1直感、システム2論理
論理と直感をしなやかにつかいこなす 相対的に直感が重要な時代
わがままが最高の美徳
ルールさえ守ればいいが破滅を導く
��確定な時代こそ真・善・美による意思決定をする
進化のスピードが早く、複雑化していく社会において、外在的なルールだけに頼って自分達の行動を律するのはリスクが大きすぎる。これからの時代は、自分の中にある真・善・美の基準に照らして、自分達の行動を律して行かなければ大きなカタストロフィを回避することはできない
複数のスタンダードを同時に当てて絶妙なバランスを取るというのは、日本が得意としているところでした
日本人がもつデュアルスタンダードの特徴
量的指標から質的指標へ
☓ 努力は報われる
○ 自分の勝ちが高まるレイヤーで努力する
モチベーションが最大の競争要因 モチベーションのマネジメントが必要
専門家が斬新なアイディアを潰す
大量に試してうまくいったものを残す
賢人とは人生を楽しむ術を心得た人
何が良いかは試さないとわからない
試し上手は、やめ上手 撤退の巧拙が事業創出の鍵
人生の豊かさは逃げることの巧拙に左右される
パラノ型は環境の変化に弱い
行き先などは決まっていなくても、「どうもヤバそうだ」と思ったらさっさと逃げる、というのがニュータイプの行動様式
専門領域を自由に横断するためには教養=リベラルアーツが必要だ 加藤周一
リベラルアーツを学ぶことで、自分の中に時間軸・空間軸で眼の前に相対化するリテラシーを持つことができる。この「常識への違和感」が、誰も気付いていない新しい問題の提起へとつながることになる
オールドタイプの行動様式は、私達の精神世界を「わかり会える者たち」だけの閉じたものとし、その外側にいる「わかりあえない者たち」を断絶する、あるいはそもそも「存在しないこと」にしてしまう可能性があります。つまりインターネットが登場したことで、むしろ私達は「孤立化・分散化」する恐れがある、ということえす。
ニュータイプは、短兵急に「わかった」つもりになるのではなく、また「わからない」と排除するものでなく、他者の声に耳を傾け、共感することで、新しい気付きの契機を作り、その契機からの学びを生かして成長し続ける
苦労して身につけたパターン認識を書き換える
パターン認識による経験は不良債権化する
カギは速習でなく古い学びのリセット
権威ではなく問題意識で行動する
日本人は権威がなんとかしてくれると考える傾向が強いが、権威は常に正しい判断をして状況を救ってくれると考えるオールドタイプの思考様式は、特にVUCA化する世界においては極めてリスクが大きい。このような時代に適応するニュータイプは、権威に頼らず、自ら問題意識を持ち、人に働きかけていく
システムに耽溺せずに、脚本をしたたかに書き換える
中西輝政 脅威やリスクを見て見ぬふりをし、対立を避け、誰とでも仲良くしようとするのは、行きつくところ「滅びの哲学」にほかなりません
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良く言えばさまざまな知見をまとめて筆者の考えを示している本
悪く言えば様々な本の一部をかじってきて組み合わせただけの本