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小説という紹介が有っただけに読みはじめると異なる掌の文、しかもネガティブな気風に戸惑った。
「わたしのいるところ」における筆者のメッセはー自らに有る孤独感・・しかもアノニマス的物質の中で研ぎ澄んだ感覚にいる彼女が「ジンカン至る所セイザン有り」の感覚の境地に辿りついたもののような気がして仕方なかった。
「家の方が外より寒い」「優しく守ってくれる誰かの影が無いのが寂しい」一日の始まりで「消耗しきる」感覚になる彼女
子供の頃よりある「落ちる恐怖」・・読むものをどんどん疲弊させて行くようで時には不快感すら感じた読書だったが、こういった感覚を持っていないと小説を書けないのではとも思ってしまった。
「他の女の人と同じように」妻帯者と付き合った一文は特に否定感あり。
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村田さやかさんが紹介していたので読んだ。こういう本はなかなか読み終われないけど、気がついたら読み終わっていたので、面白かったんだと思う。等身大で共感できた。
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主人公と共通項が多いからなのでしょうか、日頃感じていたことが、遠い国に住んでいる彼女に文章化されたような気持ちになりました。大いに共感。
同年代、子どもの頃から群れないタイプ。仕事をしているけれど心は捧げていない。ぶつからないよう気を使いながらキープしている親との距離感。
私は今は夫と子どもと暮らしているけれど、いつかは一人になるし、人は誰でも「個」としての部分を持って生きていくもの。
歳を重ね一人になったときに、再読したいです。そしてそのときは、感性を研ぎ澄ませて心を落ち着かせて、一人を味わいたいものです。
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「わたしはわたしではなく、わたしが去った後もわたしが残る。駅に道端に公園にお店に……」
この小説は、とても奇妙で、とても身近で。
「わたし」は主人公で、読者自身で、それでいてだれでもなく、性別すら不要かも。
書かれているのはイタリアでも日本でも、どこのことでも置き換わる。
そう、それがだれでどこなのかは、さして重要ではない。
目に留まる景色、人々のしぐさ、会話、それらを通して再び戻ってくる自分の感情……。
孤独ではあるも、決して何もないことではない。
この本のあと、いつものバスからの景色、すれ違う人の「ここ」にいたる物語を想像してみる。
ひと時に映るどれにも、きっと「ここ」までにあり、この先もあるだろう。
悲しみ、怒り、苦しみ、喜び、楽しみが……。
それは、眺めている自分にもあるように。
きっと、人の感性を呼び戻す読書になる。
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作品の主人公の感情はよく理解できる。多くの人はその感情に気づいてもくれず、本当に面倒だと思う。これからの時代はもっと自分を尊重して生きていきたいと思う。
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40代女性の一人暮らし…その中で見えてくるもの、そして感じでいるものを46章綴っている。
わたしの状況は、「孤独」を感じではいないという強い意志が伝わってくるのだが…
自分の中で。母親との関係性を表現しているがある意味自分も理解できる。ずっと一緒でいることがベストだとは思わない距離感があってもいいと思う。
日だまりで。情景が浮かんでくる表現が素晴らしい。
心が晴々とする日常風景。
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変に明るくない主人公の性格や、浮き沈みのない日常生活が醸し出す何気なさがとても良かった。
親子関係によく考えを巡らせる主人公が、旅先で放ったこのフレーズが好き。
『夕食後は部屋にいてテレビを見る。両親のことをたくさん考え、どうしてこんな遠いところまで二人は執拗にわたしを追いかけてくるのだろうと思う。』
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とても静かな小説で、自分と似たような環境にいる主人公に親近感を感じながら、静かな気持ちで読めました。主人公が感じたであろう気持ちを推し量り読み進めるのが、とても心地良く感じました。こういう小説が読みたいなぁと思いました。とても素敵な作品に出会えて嬉しい!
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とても静かな小説で心が凪いでいくのがわかる。長編小説ではあるが章が短めに区切られているので、気を張らずに読めた気がする。全体的に温度が低めだけれど落ち込むような気持ちにはならなかった。「孤独」をテーマにしているところ、その孤独を受け入れる、というわけでも戦いを挑むみたいなわけでもなく、ただ孤独と在る、みたいな主人公の姿勢にすっとする。あと、訳者あとがきがよかったです。
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孤立と孤独は異なる。孤独の存在を認めて、受け入れて、ともに生きていく、 というゆるやかながらも芯のある意志が感じられる。 不恰好でも、ありのままのわたしを大切にしようと勇気をもらえる一冊。
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【あらすじ】
生まれ育ったローマと思しき町にクラス45歳の「わたし」。どんななじみの場所にでもついてくる、道連れのような孤独。自ら選んだイタリア語で書かれた、初めての長編小説。
【感想】
歩道で、バールで、本屋で、駅で、どこにいても孤独はつきまとう。でも、孤独はある種の人たちにとっては拒絶すべきものではない。主人公である「わたし」は本質的に一人の時間を愛している。それは選択された孤独と言ってもいいかもしれない。そして、本当の孤独とはどんなに近しい人とも考えを共有することができない、ということだと「わたし」は思っている。昔から確執のあった母親は、孤独とは「欠乏」以外のなにものでもないと考え、その隔たりはわたしに本当の孤独を覚えさせる。この本には愛すべき静かな孤独と、心をかき乱す隔たりとしての孤独が散りばめられている。
私もきっと、静かな孤独を愛している一人なんだと思う。
今年読んだ本の中で一番好きな本だ。
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違う国の主人公が日々感じることが、自分にも重なるのが不思議。「私たちが通り過ぎるだけでない場所などあるだろうか?」の感覚は、都会に住む人であれば感じだことがあるのではないか。
秋から冬にぴったりの静かな気持ちになる小説。
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英語で書くインド人がイタリア語で書くとどうなるかというと、ちょっと陰鬱な感じに。なんか、モーニングとかのおとなしい感じででもちょっとだけオシャレな何も起こらない漫画のような読後感。言語と作家は不可分で、言語が変わると作品が変わる。
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『わたしのいるところ』読了。
ジュンパ・ラヒリの本は初めて読む。ツイッターのフォロワーさんのツイートで知り、いつか読もう〜〜…(そして忘れる)ぐらいに思っていたら、偶然にも図書館のおすすめ本コーナーにあったので即行で借りて読んだ。
洋書はなにかと敬遠しがちなんだけど、すごく読みやすかったです。
舞台はローマと思しき場所で40代の独身女性がいろんな場所や季節の中で淡々と語るような内容。
孤独であることを肯定してくれるような感じで、寂しさや虚しさが常に付き纏う日常をどう折り合いをつけているかが文章から伝わるんだけど、独特で面白かった。なんとなく自分も無意識でやっていそう…笑
家庭環境も非常に似ていて、いつか私もこんなふうになるんだろうな…と読みながら思った。
それでも、後半から何かが起こったのか急に衝動的に外に出ようとする「わたし」。ふとしたきっかけが「わたし」を変えることがあるんだな…そう思うと、多分大丈夫なような気がする…うん。
2021.11.18(1回目)
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日常のなにげないことを、とりとめのないスタイルで書いた短編集だが、著者が新たに習得したイタリア語で書いたのが凄いと感じた.英語で書けと言われても、かなり無理な話と思うが、彼女にはできた.素晴らしい.小さなしっとりした街のたたずまいが、文章の間から漂ってくる感じだ.出てくる人物もさりげない態度で好感が持てる.楽しめた.