紙の本
Iターン
2022/04/08 05:25
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投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
これって今、よく、地方を活気つけようとあちこちの市町村の企画として流行していますね。しかし、そのプロジェクトを始めたこの地では、反対者がいてー。という……。でも、これもありそうですけど……。
紙の本
市政の悲劇
2022/02/11 04:19
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投稿者:GORI - この投稿者のレビュー一覧を見る
廃村になった元蓑石村を復活させるべく始まった、市長肝入りの移住推進計画。
読んでいて初めに感じたのは「ひとりポツンと一軒家」のような蓑石地区を復活させようと考える事自体がミステリーだ。
蘇り課が作られ配属になった万願寺。
移住者の面倒を見ながら移住計画を成功させて出世したい万願寺。
しかし次々に起こる不運も重なって、一人ひとり村を出て行ってしまう。
ラストに明かされるピースは薄々予想されるが、ミステリーの種明かし以外にも不穏な村の祟りのような気配が感じられる文体に興味を持てた。
新たな境地に挑戦を続ける作家らしい一冊。
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過疎地のIターン計画を舞台とした連作短編集。Iターン希望者が居住する村で起こる大小の事件と、顛末が語られる。黒幕は薄々見えていて、その動機が焦点。やや偶然に頼りすぎるところがあるのが気になるところ。地方自治の難しさが染みる一冊。
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【滅びた集落に人を呼び戻すことはできるのか】住民がいなくなった集落に移住してきた人々。彼らの間で不思議なほどトラブルが続き――。静かに確実に心を揺さぶる連作ミステリー。
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山は、かつては中央の支配をよしとしない人たちの住処だった。行政の手を借りずに生き抜ける人でなけらば、これからは暮らせないのかもしれない。
というようなことを、終章を読みながら考えた。
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限界集落に人を呼び戻す その仲介を担う
公務員3人 立ちはだかる一癖ある 移住者たち
数々のトラブルの先に見えたものは 最後までスリリングで 衝撃的。
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人が住まなくなった土地に、移住希望者を募り、地域の再生化を図ろうと動き出した南はかま市の「甦り課」の公務員らしい公務員の万願寺、人当たりはいいが、やる気があるのかイマイチ微妙な新人の観山、定時で帰ることに生きがいを感じている西野課長の三人と、移住してきた住民たちを襲うトラブルを描く連作短編集。
ちょっとくだらない「謎」なのだけど、その裏に隠された真実が最終章で明らかになり、少しぞっとする。
さすが、毎年「このミス」にランクインしてくる作家さんだけあり、ミステリー要素は満載でミステリーファンにはたまらない。
それぞれのキャラも上手く役割分担が出来ており、本格的でありながら、さくっと読めるのもいい。
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今までで一番のビターエンドだと思う。
受ける衝撃とやりきれなさは凄まじい。
限界集落復興の、理想と現実。
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過疎地方の活性化施策として、Iターンで都会からの移住を新市長の肝いりでスタートした、蓑石再生プロジェクト。移住を推進・サポートするのは、市役所に新設された「甦り課」。メンバーは昼行灯っぽいがたまに良い働きを見せる課長の西野、私万願寺、そして天然っぽいが鋭いところのある新人の観山遊香の三名。
移住希望者もそこそこ多く、多種多様の人たちが揃っていくのだが、なぜか住民同士のトラブルや、謎の現象が次々と発生し、一人また一人と住民は減っていくことに。万願寺の苦労は絶えることが無い。
しかし、この著者にしては各エピソードがもう一つ冴えないし、なんかモヤモヤする…と思っていたら、案の定最終章でやられるパターン。まぁ読んで損はなかった。
しかし、若い人も多いこの著者の読者で、どれほどの人が、大魔神佐々木主浩や郭源治を明確にイメージできたのだろうかと、余計な心配をした。
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山あいの小さな集落、簑石。六年前に人がいなくなってしまったこの場所でIターン支援プロジェクトが実施されることになった。「移住者」達は一癖ある者が多く、業務にあたる市役所の「甦り課」三人は振り回されることの連続で、誰も定住する者がいない。都会で暮らしていた者が田舎に住むというのはなかなかハードルが高いとは思うが、なぜここまでトラブルが続発するのか。最終章でそれがわかるのですが、何ともやりきれなく後味が少々悪く感じられる。
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IはIターンのI。限界集落に移住者を呼び込むプロジェクトを司るく市役所「甦り課」の3人。住民の間には引っ切りなしにトラブルが続く。連作短編集ではあるが…。
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Iターンを主導する役所の甦り課。
誘致した住民がそれぞれにクセがありトラブルが続出する。
そこには政治的な裏が存在した。
途中でオチは読めるものの現代の問題点が描かれていて面白い。きっと同じようなことで悩んでいる役所もあると思うが、この本はその解決には役立たないと思う。
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米澤穂信さんらしい1冊だと感じた。
課長が曲者だと思っていたけど、なるほどね~っという感想。
これからこんな地方がいっぱい増えてきそう。
切実だなと実感した。
自分も1年だけ県庁に勤めていた当時を思いだした。
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市長のアイディアで始まった、『Iターン支援プロジェクト』。
それは、高齢化で無人となった山間の集落に、都会からの移住希望者を募り、定住化させることで集落を甦らせようという計画。
この事業の担当になった万願寺は、出世のためにこの事業を成功させようとするが、同じ「甦り課」に配属されてきたのは、フレンドリーすぎて公務員の自覚が薄そうな若い女性職員・観山と、やる気ゼロ、定時に帰る事だけに熱心な西野課長。
移住してきた移住者が次々にトラブルを起こし、その度に振り回される万願寺。
奮闘むなしく、だんだん移住者がいなくなって…
『そして誰もいなくなった』で終わらない。
何か変だとは、思っていたけれど…
合理主義者のつもりでクールになりきれない万願寺が、冷たい真実を知っている側であった西野課長や観山に、ひとり踊らされていたことに、軽く落ち込む。
肩を叩いて慰めたいけれど、何と言ってやれば良いのかわからない感じ。
そして、現実にまわりでぶち上げられている○○プロジェクトだの○○推進支援だの、さも素晴らしいことのような顔をした、その実どこかの誰かのくだらない思惑を満たすためだけの胡散臭い浪費を、見抜けない小市民じゃマズいぞ!
ちょっとした笑いをたくさんまぶしてあるけれど、かなり苦味の強い…リアルな悲劇でした。
かなり前に読み終わったのに、感想を書きかけて中断してました。
いま、感染症対策やらなんやらで、国も自治体もてんやわんや。
実はそれも、信じられないような誰かの…
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★2は厳しいのかな。でも2.5位かな。
レビューの評価が良かったので、あまり読んだことのない作者さんだけど読んでみたけど、うーん。
評価が難しい。これって分類としてミステリー?簑石で起こるトラブルにを解決しつつ真相を明らかにしていくのだからミステリーか、、、
【そして静かに待ち受ける「衝撃」。これこそ、本当に読みたかった連作短篇集だ。】と言うほどの、衝撃もなく。好みなのかなー。短編集は、何となく物足りなさを感じることが多いから。
ただ、短編集でも、1話1話完結しつつ、最後に全部が繋がった時に、「はっ!そう言うことか」とか「え?どう言うこと?」と前に戻り「騙された!」みたいなパターンもあるので、そんな感じの衝撃を期待してたら、あー、そう言うことかー、と言う感じだった。
ただ、地方財政のこと、今問題になっていて、今後更に増えるであろう限界集落のことを取上げていてりするのは、考えさせられた。
あと、万願寺兄弟の電話のやり取りも、どちらの言うことも分かるなー、とか、ホントに幸せって何だろうな、と改めて思った。
そう言う面では、つまらない作品だったわけでもない。やはり、評価に悩む作品だった、、、