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火花より先に書き始められたという意味では、本当の処女作とも言える作品。
読んでみると、確かにこっちの方が処女作らしいなぁ、と思う。つまり、多分に荒削りかもしれないけれど、その分、書き出したい何かに対して貪欲で、衝動的で、荒々しく読み手の心を抉ってくるという意味で。
特に、最後の10ページにも満たないふたりのやり取りは、深く、後に残る。
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ピースの又吉くんが紡ぐ恋愛小説。
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「一番会いたい人に会いに行く。
こんな当たり前のことが、
なんでできへんかったんやろな。」
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この帯に惹かれて、読む。
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火花もそうだったけど、主人公が又吉くんにしか見えなくて。で、すんごいダメ男なこともあって、この想像はちょっと申し訳ない気持ちに。
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ダメ男と許すオンナという構図は、
わりとどこにでもあり、
それが面白く受け取れるのは、
又吉くんの純文学的な筆力のおかげかな。
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ひとりの若者の青さ、才能のなさをあがき、
へったくそな恋愛が描かれています。
ラスト、けっこうけっこう切ないよ。
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劇場読み終わった。永田クズすぎるなって思ったけど、僕に永田素質ありまくりで笑えない。もし僕の人生に沙希が現れたら僕は高確率で優しさに甘えに甘えて永田状態になる気がするから、沙希みたいな人は僕なんかと出会わないよう気をつけてください。でも正直あなたと出会って思いっきり甘えたいです。
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やっぱり又吉さんの文章はとっても好きだと思った!
情景描写や会話、心情の書き方や捉え方がとても好きです!
自分と重なる部分が多過ぎてイライラしながら主人公の永田に感情輸入してしまう。終盤の沙希との会話には泣けました。
夢を追いかけている人に読んでほしい作品です。
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劇作家と彼女の話。彼女が純粋で優しすぎて傷つきやすくて。劇作家の主人公は自分勝手ででも心の深い部分は共感。とてもみじかに感じる表現が多くて息づかいまで聞こえてきそうな書き方。切なくて悲しいストーリー
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ダメ男の感情がものすごくわかるように描かれている。読みながら、コイツはクズだなー、めちゃくちゃ嫌な奴だなーと思いながらも、自分にも当てはまるような言動や感情を持っていると気づく。
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the 太宰って感じの厳かな作品で読むのに疲れた、、
でもその分、一文一文、一言一句、全てが練られてて流し読みをしたくてもさせない素晴らしい文章でした。
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友人と劇団を旗揚げしたものの世間に認められない劇作家が、唯一自分の才能を信じ支えてくれる女性にすがりながら、もがく姿を描く。
主人公は繊細で不器用で創作の苦しみを抱えて、といえば聞こえはいいけれど、自活することもできず、自意識過剰で他人の才能に嫉妬しながら、閉じた世界の中で自分を守り続けている。
一方、そんな男に踏み台にされる女性はたまったものではないと思うのだが、自分が壊れてでも支えることに生きがいを感じる人もいるわけで、まあどっちもどっちなのかな。
と、小劇場は大好きだけど、青い二人の純粋に悩むを姿を優しく見守れず、作品を味わう以前に意地悪い観察が勝ってしまった。
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中学時代の同級生と2人で立ち上げた劇団で脚本を書いている永田と、その彼女である沙希の恋愛青春小説であり、人間の内面を描く普遍的な小説でもある。
主人公の永田が自意識過剰で自己中心的で自尊心の塊で卑屈で、一人で部屋で読んでいると鬱屈としてくる。周りの人間は世間と折り合いをつけながらいい塩梅で生きているのに、永田と沙希だけが純粋で必死で。読んでいて苦しくて息が詰まるような作品だった。
自分が二十歳ぐらいのときに世の中に対して感じていたことが描かれていて、永田ほどではないにしても若い頃は窮屈な生き方をしていたなとしみじみと共感。妬みや嫉妬、根拠のない自信、誰かのちょっとした言動に一喜一憂。こうしたことは大なり小なり若い頃に誰しもが経験していることだろう。自分は他の人とは違う何者かだと勘違いをしていて、そうした心の奥底が見事に言語化されていて思わず共感してしまうのだ。
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なかなか手を出さない系なのに、とりあえず彼がどのようなものを書くのかと思い購入。
人の心の中なんてほんとに何を考えているかわからない。実際に心の中ではこんなことを考えているんだ、けど相手や周りの人にはこの態度では伝わりようがないよな、と思いながら読み進めていくのがもどかしい感覚。
出会ったときの、何も言わずとも同じ感覚を持った人を見つけたときの喜びのようなものは何物にも代えがたいものだっただろうなとか。
青山への息をもつかせない怒涛のメール攻撃は心臓が痛くなりそうだった。他にも感情に任せて行動するところがほんとに痛ましい。絶対にわかってもらえないだろうと思ってつらかった。
まったく予想していたような本ではなかったけど、最後まで読んで読後感はさほど悪くないのが不思議かもしれない。
まあ、基本私は芥川賞より直木賞なのかな。
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沙希ちゃんがいい子過ぎて..永田のダメっぷりが際立つ。都会の荒波に押し潰されそうなふたりが、
共依存しながら過ごしていたが、時間と共に歯車が狂い、どちらかが前をむいた結果二人は終わってしまう。
前を向いたのが女性だとやっぱり強い。振り返らないから(笑)
リアリティーあって火花より、すらすら読めた。
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またも表現の世界に生きる若者の平凡な日常がえぐるように刺さる。最後に台本を読み始めたときは展開が読めた瞬間に読み進めるのが辛いくらい鳥肌が立った。こういう誰もが抱きかねない感情をしっかり伝える表現は本当に見事。
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ひも男がひも男を軽蔑しうらやましがる描写に、へーーーとい距離を置きながらも引き込まれた。
だめ男がこてんぱんにふられて捨てられる結末を期待して、一気に読み飛ばしたが…。
優しいひとは哀しい人と感じた。
先に読んだ「人間」が三作目でこちらが実質的に一作目だと解説に書かれてあった。
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たった233ページなのにとても長く感じました。つまらないわけではなく、内容が重厚だからです。主人公の心情がとても丁寧に描かれており、他の登場人物の行動も繊細に表現されています。すごく立体的に情景が思い浮かびました。
主人公の気持ちや行動には、共感する部分もあるし、全く分からない部分もあります。しかし、その立体的な表現力によって、何故か最終的には主人公と自分の気持ちがリンクしてしまう。
そして、咲希との関係性が少しずつ変わっていく中で、様々な感情が沸き起こります。ここまで心を揺さぶられることは、最近なかなか無かったので貴重な経験になりました。
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永田の沙希に対してどうしようもなく不器用なところ逆に惹かれてしまったかもしれない。ラストの書き方も好きだったな。山崎賢人の永田と松岡茉優の沙希が楽しみで仕方ない。