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紙の本
大衆の密室
2023/07/09 21:51
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投稿者:BB - この投稿者のレビュー一覧を見る
斎藤真理子さんの「韓国文学の中心にものもの」で知って手に取った。素晴らしい作品だった。
釈放捕虜の李明俊が主人公。南にとどまることも、北への帰還も拒み、第三国を希望するが...。
明俊の朝鮮戦争の前、戦後の感情や思考がひたすらつづられている。朝鮮戦争休戦8年後の61年に刊行された韓国で初めての南北分断を描いた小説。現地では高校の教科書にも載っているそうだ。
南北分断がいかなるものだったのか、歴史に翻弄される市井の人々の苦悩や心の揺れを描いている。斎藤さんが堀田善衛の「広場」と比較して読んでいたことに納得。後からじわじわ来る作品だ。
全体主義のように、右か左か、北か南かといったふうに思想が問われる世界、時代。
「広場は大衆の密室であり、密室は個人の広場だ」という言葉が胸に来る。
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