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交際していた男性を次々と不審死させたとして罪に問われた女性。その事件の真相を聞き出すため拘置所に通う女性記者。
あの事件のことだ。女性の視点で描かれるあの事件の影響は、男性の立場からすると痛くてツラい。
でも男性糾弾の話ではなかった。主人公・里佳の自立と友情の話。ただの友情物語ではない。梶井のカリスマ性や、怜子の暴走は緊迫感と色気でドキドキさせられた。最後には、梶井が本当に人を殺めたのかどうかなんてどうでもよくなっていた自分に驚く。
なるほど、これは面白い。
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週刊誌の記事の大半は読者の興味を引き、売上部数を伸ばすために、適当に話を盛って面白おかしく書かれていると思っていた。「心臓を差し出す」覚悟を持って対象と向き合い、心身を削って書いているとは。そして、触れることなく言葉や雰囲気だけで、人の心を操り死にいたらしめてしまうなんてことがあるとは。いろんな衝撃が詰まった一冊だった。そして、グルメ本でもあった。料理の新しい世界を開いてもらった。料理と殺人、表裏一体なのかもしれない。
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出だしの文章で「あ、面白い」と引き込まれどんどん夢中になり読み進めるうちに2キロも太ってしまった。
自分はグルメ小説が好きなんだなぁと気付かせてくれた作品。内容はもちろん、装丁も挿画もたまらなく素敵です。
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バターがこっくり濃厚、食べ物の描写も。常にバターのまとわりつく重苦しい感じ…
最後は少し失速、というか、前半の、玲子がカジマナにどんどんハマって弄ばれているような場面はスピード感を感じて、読む手が止まらなかった。
後半の、登場人物達の、とくにカジマナと玲子の不器用さというか、こだわりが強い感じが、読んでて少し苦しくなった。それでも、出来ればカジマナの深層心理の描写がもっと読みたかったかも。
でも、トータルでは引き込まれて久しぶりに一気読みした小説。
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食べ物の描写がとっても良い、すごく美味しそう。
時間をかけて読んだからあまり一貫した感想を書くことができないけどとっても面白かった。
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こういう「曲がり角」的な局面を迎えた女性の役割と生き辛さ、嫉妬や優越・劣等感についての物語、ハッピーエンドだろうと何だろうとどこか割り切れない後味の悪さがあって、いつもとても苦手。
なのに、どうしても引き込まれる。
主人公が作中で容疑者に対して傾倒し、思い詰めるかのような悲壮感で向き合おうとしていく。
それに近い真剣さで、社会におけるヒトの役割や渇望に作者が向き合おうとしているようで、息が詰まる。
息苦しい良書です。
最初は容疑者の異様さを感じながら、読み進む内いつの間にか登場人物の全員に多かれ少なかれの歪さが出てきてて。
実際に人間、向き合えば向き合うほど、そんなものなのかもしれない。
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まずは装丁に惹かれて、あらすじが気になり、手に取ったらもう結末が気になり…
読みごたえのある本だった
内容的に年齢、性別、出てくる家庭環境など、自分と重なり合うところが多く、つい自分についても考えてしまい頭を使う上に、柚木さんの物事の表現、言葉の選び方がとても繊細だったり、独特だったり、一言一句こぼさずに読み取らなくてはならない気分になり、頭フル回転だった
簡潔に言えば、女の友情と人との距離感についてかいてあるんだけど、読んだ人にしかわからない世界観がひろがってる
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男たちの財産を目的に結婚、殺害?した犯罪を取材する主人公。
解説で山本一力氏が書いているように、「女性同士の友情と信頼」がテーマ。
580Pある長編なので、読み終わるのに少し時間がかかってしまいました。
特に前半は。
しかしここまで振り回されてしまうものなのか?
それとも現代はみんなが周りを気にしすぎて、自分というものを持てていないと言うことか?
話の至る所に美味しそうな料理が出てきます。
とりあえずマーガリンは止めてバターを買い、バター醤油ごはんやバタートーストを楽しみました。。
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この本は読む前から「苦手なタイプ」とわかっていた
なのに手に取ってしまった…
「木嶋佳苗事件」がとても強烈で印象深かったから
「羊たちの沈黙」みたいに主人公である30代の女性記者が自分のプライベートやプライバシー、心の内までも容疑者に曝け出し、捧げながら、容疑者の懐に入っていく
彼女を知ろうと行動までも模倣する内、主人公やその周りの人達の人生が良くも悪くも影響されていく
容疑者の人生や事件背景を調べながら、主人公が自分と向き合い、自分らしさを発見していくストーリー展開
うーん
やっぱり苦手なタイプだった
たくさん出てくる料理もフレンチ系が多く特有のこってりとした重さがだんだんのしかかってきて、くどくなってくるのと同じくして、内容ももたっとした重さやねとっとした湿度を感じ胸やけしてくるではないか!
数々の料理にやミステリー要素もあり、読みやすいので600ページ近くあるが難なく読めた
しかし寝る前に読むと消化不良の胃袋を抱え、布団に入るようで、絶対良質な睡眠が得られない!(と思う)
しかしそのくらい圧倒する力量のある文章力である
そしてツールとして「木嶋佳苗事件」うまく使って、フィクションの世界に違和感なく存在させるテクニックは素晴らしい
フレンチのフルコースが好きで、仕事や恋愛や友情に悩んだり、真剣に向かい合っているエネルギッシュでちょっと憂いのあるような女性にはかなり面白く読めると思うし、感情移入できる部分も多いだろう
イタリアンと和食好きで、悩むことより悟りの境地に入るつつある自分には残念ながら楽しめない(笑)
butterというタイトル通り、容疑者はバターに対する入れ込みが激しく、当然ストーリー的にもキーワードになる
個人的にバターは溶かさず、食材に乗せて一緒に味わうと芳醇で贅沢な感じがしてとても好きだ
しかしエシレバターを手に入れる!という夢は叶っていない(泣)
個人的にこの小説よりノンフィクション部分が気になるという悲しき現実主義という結論に
しかしこういう本が好きな方にはかなり面白いのでは?とおすすめできる!
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友達を待ってる時立ち寄った本屋でふらっと買った。帯がすごかってん。
里佳の頭の中で考えていることが書かれてあって、読んでいるとなんでそんなことまでわかんの、ということがよくあった。里佳の人の心を読む力は僕にはないもので、感心するばかりだった。
里佳や周りの人が問題を乗り越えるところ、世界の素晴らしさに気づくところは読んでいて気持ちが良かった。おもしろかった。あとバター醤油ごはんくらいなら作れそうなので食べてみよう。
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女とは、なんだろうか。女が現代に生きるとは、どういうことだろうか。女の幸せとは。ジェンダーレスが叫ばれてかなりの時間を経てもなお答えのない問への、作者なりの考えを強く感じた。そしてあなたはどう生きるのか、と遠回しに問われている。登場人物の誰とも違う、私なりの女の人生を歩みたい。
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店頭でランキングトップでオススメされていたのを購入。
実在の事件を元に?とはまったく別のものに仕上がり、ものすごく面白かった。
なんといっても怜子と里佳、篠井と里佳の繋がりが良い。
う~ん、落ち着いてから、もう一度まとめるかな。
追記
あそこまでカジマナに溺れる理由にやはり料理、食べることがあるのかな?食に対する欲求がものすごくくすぐられるレシピ。しかも最初がヤバい。
簡単かつ驚くほどうまい。って究極だと思う。
しかし、具体的に166センチ50キロとか書かれると、モデルかよと突っ込みたくなるし、周りもたったそれくらいで笑ったりいじったりするかね?と現在セクハラも厳しいしね。
最終的にちゃんとそれぞれが自分を取り戻した?というか振り返って強くなったのかな。里佳と誠の関係も反って良いものになった感じ。
里佳は人のことが好きなんだなと、決めつけは良くないけど、ああこれで良いのかもとも思ったり。
読みごたえ充分かつ読後感も良かったです。
しかし、エシレってなかなか売ってないし、高いんだよなぁ。けど食べたい。
さらに追記
エシレはなかったけど、カルピスバターをうっかり買ってしまった。美味しかった。。
大事に食べよう。
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誰でもが思い起こせる事件を下敷きに、著者独自の作品に仕上げた社会派長編。
文庫本584頁に、びっしり詰まった文字と内容は読みごたえたっぷり。
男たちの財産を奪い、殺人罪で収監中の梶井真奈子のインタビュー記事を書こうと通い詰めるうちに、彼女に呪縛されてしまう週刊誌記者の主人公町田里佳。
その過程とともに、梶井の語るバターが主役となるレシピ。七面鳥の料理を始め、バターを使った料理の数々に、思わず生唾が出てしまうのは、著者の文章力のなせる技!
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バターをのせたご飯、バターましましのラーメン...ついバターを食べたくなる作品。
人それぞれ何かしら隠してることがあるんだなぁと思う。あと、食によって自分を変えることもできるし、変えられてしまうこともあるのかも。
夜のシーンが多いので友達に勧める本にはならなさそう。
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食欲がわく本って
どんなもの?と思って読んだ。
もう途中お腹すいて大変w
ただテーマは重めで
家族や友情、女性と男性、
それぞれの関係の本質をついた一冊でした。