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前半は素晴らしい滑り出し。バックグラウンドであったり、ベンダーの状態、システムの状態などとても素晴らしい。中盤のインタビューやその他で情報量が一気に減る気がします。まーでもそれにしてもこのプロジェクトの中なんてこうやって書いてくれなければ絶対全く見れないのでそういう意味でやっぱり貴重。読まないという手はない。
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システム統合についてのナレッジベースとして手に取ると、理解できないだろう。これは日本の旧来のやり方で育ってきた経営者がいかに無能を露呈したかということ、その意見をただ聞くだけのシステムインテグレータなら何年かかっても社風の異なる複数社の「仕事のあり方」を統合などできないということをあからさまに示した本(の第三弾)であり、大いなる無駄と犠牲者を生産した失敗の記録である。要は捨てるべき時に捨てるべきものを捨てる決断をする者が「経営者」であるということ。多くの下請けの犠牲の果てに、人1人成人する年月を掛けてようやく形を取ったようなプロジェクトを「成功」とは言わない。
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日本最大のITプロジェクトで起きた問題が詳細に書かれていて、とても貴重な内容だと思います。特に印象的だったのは、23年間使い続けて老朽化したシステムが大規模障害を起こし、金融庁から改善命令を受けるまで本格的な刷新に踏み込めなかった状況は、プロジェクトの大小かかわらず、色々な現場で発生している問題なのではないかと思いました。
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経営統合においてシステム統合がいかに大変か、その時におけるそれぞれの会社閥間の争い含めてよく分かる。みずほが経験した統合における苦悩、大規模なシステム障害は、日経コンピュータが統合前からずっと指摘してきたことだが、それをみずほ側は事あるごとに否定してきた。つまりこの書は日経コンピュータからの「ほれ見たことか」をまとめた歴史の書でもあり、システム統合を甘く見てはいけないという教訓が詰まっている。
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メインバンクだし、情報系だし読むしかなかろうと言うことで
思ったよりは専門性もなくて軽く読めた
一章は背景でシン・ゴジラの音楽が流れる感じ
全体の概要がざっくり分かり、プロジェクトの進め方も興味深かった
二章は読むだけで胸が痛くなった つらい
三章はとても詳細で当初のことがよく分かるし、著者の思い入れも伝わる 主観が多い嫌いはある
章立ての順番は時系列と反対で少し謎 せめて二章三章は逆でもよかったのではと思わなくもない
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2010年代の情報システム業界を語るうえで外せないであろう、みずほFGのシステム統合。第1部では2019年に完了した統合の経過を追い、第2部と第3部では時間を遡って2002年と2011年の大規模システム障害を扱う。
第2部と第3部は、数々の不手際が重なり障害が膨れていく過程を活写し、また、そこに至る根本原因にまで踏み込んでいて、失敗の見本としてとても面白く読める。現場で事態収拾に当たった担当者のことを思うと泣けてくる。
一方で、本来なら本書の核心となるべき第1部は表層的な記述に終始しており、統合完了に辿り着くまでの過程が今ひとつ明らかにならない。2度のシステム障害の原因となったシステム軽視や縄張り意識はどう克服され、失敗の経験はどう活かされたのか。それでも発生する困難はどのようなものでどう乗り越えられたのか。35万人月という途方もないリソースを投入して出来上がったシステムはそれにふさわしいのものなのか。そういうところが描かれないので、長らく課題だったシステム統合が完了した、という当たり前の事象しか見えてこない。
テーマがテーマだけにとても期待していたのだが、ちょっと期待外れだなあと。
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システム刷新に、東京スカイツリーの建設費7本分。
この言葉でお腹いっぱいです。
これは、タスクフォース型組織の組織論の話です。
企業の将来の理想の組織に向けて立ち上がったタスクフォース型組織の話です。
まず、タスクフォース型組織によくある予算の取り方の問題。勘定系に限らず基幹システムの予算の取りづらさが記載されていて、人ごとではない。
システムは作った瞬間から古くなる。
その古さが、fintechや新店舗業態などの、他の新規事業の実施スピード自体に関わってくるので、まさに、古くても既存の業務が出来たらOKじゃないんですよね。
あと、三行統合したけど、三行マジ仲悪くてシステム統合うまくいかないとか、どれかのシステムに片寄せしたらOKでしょっていうのも、システムがデカすぎてうまくいかず、あるべき論に合わせてフルリプレイスしないと、システムがつぎはぎだらけになって破綻するっていう。
正しいことや、べき論って、政治的には嫌がられるんですけど、未来に向けたら正しいことやべき論が必要なんです。これ、企業の相当でかい未来を全社一丸となってぶち上げてきた、苦難の歴史が書かれた本です。
システム全体を見渡せる人材の不足とか、現場丸投げで重大な障害報告を偉い人が受けるまでに約1日、わかります。
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新システム(超巨大プロジェクト)開発の紹介
2度の大規模障害についてそれぞれ解説
という3部構成
障害の解説が興味深い
積読中の”失敗の本質”を読みたくなった
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現行トップに初期の失敗に関する旧経営層の責任を問いかけてゴニョゴニョと擁護する言質をとった後に、失敗の検証で旧経営層をフルボッコにするスタイルは素敵だと思う。
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読み物としては面白かったが、図表が多くあり読んだ媒体(電子書籍)が悪かったのか図表がきちんと表示されなく、本買ったらよかったと少し後悔。
内容としては、大規模システムにおける障害発生の原因やシステム的要因まで詳細に記述されており読みごたえはあった。ただわかってはいたが、現場レベルの話ではなく経営レベルでの記述になっているので自分の今自分に活かせることはあるか?と言われると微妙。
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よくこの銀行潰れなかったなあ、と感じます。
20年を経て新システムを作り稼働させた今のみずほや関係者の方々に感嘆し
”古い時代の人達”の根拠のないデシジョンで迷走するシステムトラブルの正常化と戦ってきた方々に敬意を表します。
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本書の経緯を想像すると恐怖でしかない。。
いくつかの小さな歯車の狂いが、大きな問題へと波及していく顕著な事例だと思った。
予兆の段階で企業のリーダーがいかに早く、正しく、かつ勇気ある判断を行えることが重要である。
ということと、問題の先送りは更に大きな問題を生むということを改めて思い返す内容だった。
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19年にも亘る三行のシステム統合。
技術的な記述が多く、何故こんな問題が発生したのかの本質的な部分が少々薄い印象。
これば、システムの問題ではなく、経営の問題である!
リーダーシップ論の観点から論じている部分は興味深いね。
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みずほ銀行のシステムが、どのように問題で、どう統合を完了させたかを、今までの日経コンピュータの記事をもとに書いている。これを読めば、みずほのシステム統合の流れだいたいわかる。(現場担当者の声は分からないが)
この本の中で述べられている結局の原因は「合併当初から基幹システムたる勘定系システムの統合を、経営層が甘く見ていた」というところではないか。基幹システム統合は、合併の中では一部分に過ぎない。しかし、社員が日々行う事務作業はシステムに依存している。したがって、合併後もシステムをただ連携するだけでは、社員の業務は変わらず、格好だけの合併となる。故に、本書で述べられているような、業務を全て改革し新規システムを作るか、全てどこかのシステムに片寄するという経営層の判断が不可欠だったのではないか。(そういう意味では、ユーザ部門によるMINORIプロジェクトの業務フロー図棚卸しは良い取り組みだと思う。)
足元のシステムすら整わず、「IT戦略を活用する」では、現場の受け入れ態勢も整わず付け焼き刃のIT実践しかできない。基幹の業務が整って、社員の事務・システムの受け入れに余裕ができてこそ、真のITによる改革が出来るのではないか。
何となく、今もそんな感じある。
現代は、今やってる業務・システムに縛られないベンチャー企業とかがIT改革を推進できるのだと思う。
この本、なんで時系列順にしないんだろう、読みにくいなと思ったけど、数々の障害を乗り越えてみずほの新しいシステムができました!これからITによる改革がいっぱいできるね!みたいな終わり方にしたくなかったんだと邪推。章の最後に最初のシステム障害を書くことで、君達は大丈夫か?我々に問い掛けて来るような気がする。
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日経コンピュータの記事を集めただけの上っ面をなめたような本。掘りが浅い。ITを理解できない経営者は総退場すべき点を強調している点はよい。内部事情を知っている者にとっては怒りと諦めの気持ちしかわかない本。