電子書籍
シリーズ完結編ということですが・・・
2021/09/05 00:19
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:うみしま - この投稿者のレビュー一覧を見る
う~ん。やはりこのシリーズは1巻目が最もよかった気がします。2巻目はガミさんの薫陶を受けた日岡の物語で、それなりに楽しめましたが、なんとなく本作は、少しぶれている気がしました。ファンとしては、ガミさんのトレードマークの帽子の由来がわかって楽しめるとか、小ネタはありますが、どうも、根っことなるストーリーが大味というか、緩い気がします。
ラストシーンは、しっかり読まないと?となってしまい、再度読み直して、ほう・・・そう来るかと納得しました。何というか完結編を意識して、いろいろなことを回収して落とした感じが気になり、ちょっと残念。
紙の本
日岡じゃ話にならないもんね
2021/07/11 11:03
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投稿者:hid - この投稿者のレビュー一覧を見る
大上刑事が生きてる頃の話がメイン。
日岡刑事じゃ、何もバックボーンが無いから、話が膨らまないからね。
結局、身近なところに裏切者がいたってこと?
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大上の過去、そして意思を受け継いだ日岡。それぞれの思いが痛いほど伝わってきました。井の中の蛙な沖虎彦の末路が呆気なく、昭和から平成に掛けて塀の中で過ごした為、浦島太郎状態だったのも要因の一つなのかもしれないですね…日岡も大上の遺産が時代と共に使えなくなって、実力を付けなきゃいけないってのも歯がゆかったです。
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「孤狼の血」「凶犬の眼」に続くシリーズ完結編。
と言っても、前作までの内容があまり記憶になく、しかも、ストーリーもこれまでの作品のサイドストーリーのような感じで、なかなか人物相関などが頭に入って来なかった。
物語は昭和57年と平成16年の2部構成。大上が主人公ではなく、いわゆる暴力団もなく、不良でもない愚連隊のトップ・沖虎彦の物語。
ヤクザが幅を利かせている時代に、どこの組の後ろ盾もなく、暴力団を襲い、現金や覚せい剤を奪っていく沖率いる呉寅会。沖の父親と面識のある大上は何かと彼を心配していく。その心配虚しく、沖は組と直接対決することを決めるが、その決行直前に大上によって、逮捕される。
18年の刑務所暮らしの間に、大上は亡くなり、出所した沖は呉原東署に配属されていた日岡と出会う。
日岡は生前の大上が沖を気にしていたことを知っており、独自で出所した沖の動きを追っていた。出所した沖は、18年前に警察に密告した仲間を何とかあぶり出し、復讐することに躍起になっていたが、それが自分を追い詰めることに。
「孤狼の血」では大上を、「凶犬の眼」では日岡をメインで描いており、その二人を時代を超えて、沖虎彦と言う人物がつなぐ、そんな位置づけなのか…イマイチ理解が難しい。
結局、どの作品もつながりがよく分からず読んでいたシリーズになってしまったが、ラストシーンには震えた。
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ああ、とうとう読み終えてしまった。私が一番楽しみにしていた新刊。柚月裕子『暴虎の牙』。大切にゆっくり読みたいのにページをめくる手が止まらない。あっという間に読んでしまった。
それにしても柚月裕子。本当にスゴい。この物語を女性が描いたのかと信じられない思いで読んだ。『孤狼の血』を読んでからすっかり柚月裕子のファンになってしまった。他にも素晴らしい小説ばかりだが、このシリーズは別格に好き。
久しぶりにガミさんに会えたのも嬉しかった!でも、これで本当に完結?まだまだガミさんに会いたい(><)
ガミさんのトレードマークでもあったパナマ帽。なるほど、こうして手に入れたのかぁ。
さて、今回も魅力的なキャラクターが登場。冲虎彦。壮絶な少年時代を過ごした冲はヤクザも恐れない愚連隊『呉寅会』を率いるカリスマ。
ここでガミさんの登場。個人的に色々と因果のある五十子会に冲をぶつけようと画策するが、沖の生き方に危なっかしさを感じたガミさんは・・・。
個人的には日岡もかなり頑張ってると思うけど、やっぱりガミさんには敵わないなぁ。あぁ、またガミさんに会いたくなってきた!面白すぎます。柚月裕子さん、これで完結なんて言わないで、どうかシリーズを続けてください!!
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孤狼の血シリーズ、完結。『沖虎彦』。沖の物語は、昭和の『大上』から、平成の『日岡』へ。自らの火で焼かれる命、沖虎彦。生きること=牙を剥き続けた人生。苛烈だった。これで、最後かぁ。もっと読みたかったなぁ!きっとね、スパイは、元は、違うと思った。お願い。そうじゃありませんように、そうじゃありませんように(願)、読み進めたけど、やっぱり、もう一人の幼なじみだった~ ショック。
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ガミさんにまた会えた。偏見はないつもりだが、女性作家がここまで男の物語を書けるのはすごい。完結篇となっているが、続編を読みたい気にさせる。
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ガミさんが帰ってきた!くぅ~、男やねぇ。日岡も前作以上に凄味を増している。暴力団との抗争や警察との遣り取りは、臨場感たっぷりでぞくぞくする。これで完結して欲しくない、というのが率直な感想。ただ、500頁は長い...。
親は選べない...。壮絶な過去を持つ沖は、そのやり場のない怒りを紅蓮の炎に変え、突き進む。ガミさん、日岡と沖たちとの決着は...。まあ、読んでのお楽しみってことで。
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『狐狼の血』『凶犬の眼』に続く、三部作完結篇。
暴虎…主人公である沖虎彦の、少年時代に犯した罪の場面から始まる。
『狐狼』で日岡という相棒を得る前の大上が、青年時代の沖と絡む前半部と、『凶犬』の後にマル暴に復帰した後の日岡が、20年の刑期を終えて娑婆に戻った沖と絡む後半部で構成された物語。
思いがけない時間軸の設定で、ガミさんと再会できて、もうそれだけでもページをめくる手が止まらなくなった。
トレードマークのパナマ帽は、こんないきさつで手に入れたんか…
日岡もまた、清濁合わせ飲むことの出来る、警察と暴力団という立場を超えて男と男の信頼を結べる男になっていた事にもグッときた。
大上の墓前での登場、格好良かったぞ!
暴力団という大きな組織に挑む男たちを、長い時間を貫いてつなぐ沖という暴力の申し子。
沖も、ガミさんに目をつけられた頃には、父親という悪に連なるヤクザにだけ牙をむくが、一方で幼なじみを大切にする、歪んではいてもどこか魅力がある男だった。
それが、“裏切”という毒を喰らった事で、妄執に取り憑かれ外道まで堕ちてしまった結末。
ガミさんは、沖たちを五十子会に咬ませる狙いもあっただろうけれど、人としての命を惜しんで逮捕に至った。
日岡もまた、沖を止めなければ、沖のまわりでさらに命が失われる確信を持って沖を追っていた…
間に合わなかったけれど。
三部作として読み終えてみると…
暴力団との闘いも個人としての暴力の衝動も、時代が移り変わっても続くのだという虚しさの上に、信じる事を恐れず抗う事をあきらめない男を突き刺した物語だった、と感じた。
ガミさんにも日岡にも、もちろん暴力団抗争にかかわる物語が果てしなくあるだろう。
きっと日岡も、いつか見込んだ男に、ガミさんから受け継いだ何かを託すだろう。
けれども、この作品で「 」がついたんだ、もう繰り返し描くことではないから…完結なんだ、と思った。
沖の命を奪った三島の寂寥まで含めて、満足。
余談ですが、ついこの前に『影の中の影』(月村了衛)を読んだ余韻のある中で読んだので、暴力団にも筋の通ったイイ男が沢山いるような気がしちゃうけど、絶対間違いだろうな…
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やくざ文学の第一人者である著者の、お馴染み広島のマル暴ガミさんの話。呉原の沖はやくざの父親を自ら殺し、暴力団の賭場や薬物取引の場から金品を強奪するなど、荒っぽい愚連隊(呉虎会)を率いて50人からの若者を束ねている。
ただ、一般人には一切手を出さない沖を大上は気にかけている。このままでは沖が敵対する暴力団に結局は始末されるのを止めたいとの思いもある。前半は沖が仲間の三島や元と敵対する者たちと渡り合い、勢力を拡大していく様が描かれている。そして大上に救われる形になるが、組と全面戦争する前に逮捕される。
後半は長い単身赴任の後、戻ってきてからの話。沖の下にはまた昔の仲間と刑務所で知り合った者が集まるが、元の姿は無かった。自分を大上に売ったのは元だと確信した沖は報復を決意する。
それにしても一生懸命やっている(沖やその仲間やマル暴も)のに結局は碌なことにならないのがこの世界なのか。そのこと三島は良く判っていたのだがな。
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異様な迫力の広島ヤクザノワール三部作完結編? 本編は特に暴力が前面に出てくる。怖いけど一気読み必死の力作。三部作と言わず、続編も出して欲しいなあ。
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いやぁ。もうね、広島ヤクザと警察の戦いは柚月劇場で決まりだね。
どうやって取材するんだろ、と心配になるくらい生々しいというかリアルというか、広島怖いというか。
実際にあった暴力団の抗争や警察とのあれこれ。私たちがニュースで知るよりももっと深く、もっと危険なその世界。今回は暴力団を目の敵にする愚連隊の頭、沖とマル暴大上&日岡との戦い。我らが大上と日岡はどんな手で沖を叩きのめすのか。
大上の血はちゃんと日岡に受け継がれていくのだ、大丈夫、と無理やり自分を納得させる。あぁああ。ロス…
それにしても「孤狼」「凶犬」そして「暴虎」って。獣使いですか、柚月さん。
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シリーズ3部作全て迫力あった。ヤクザと警察の関係性、独特な言葉づかいや方言が読んでて面白かった。ヤクザの世界のルールが興味深かった。
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内容(「BOOK」データベースより)
博徒たちの間に戦後の闇が残る昭和57年の広島呉原。愚連隊「呉寅会」を率いる沖虎彦は、ヤクザも恐れぬ圧倒的な暴力とそのカリスマ性で勢力を拡大していた。広島北署二課暴力団係の刑事・大上章吾は、沖と呉原最大の暴力団・五十子会との抗争の匂いを嗅ぎ取り、沖を食い止めようと奔走する。時は移り平成16年、懲役刑を受けて出所した沖がふたたび広島で動き出した。だがすでに暴対法が施行されて久しく、シノギもままならなくなっていた。焦燥感に駆られるように沖が暴走を始めた矢先、かつて大上の薫陶を受けた呉原東署の刑事・日岡秀一が沖に接近する…。不滅の警察小説シリーズ、令和でついに完結!
『孤狼の血』『凶犬の眼』に続くシリーズ3作目!
『孤狼の血』は映画も観に行くほど好きな作品です。
死んでしまったガミさんのスピンオフ的な そして成長した日岡のその後、みたいな内容で面白かった。
日岡がガミさんの意志を受け継いでいて嬉しかったです。本当に完結してしまうのかなぁ...残念です。
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「虎狼の血」「狂犬の眼」ときてシリーズ完結の本作(著者は柚月裕子さん)。昭和後期〜平成にかけての広島の警察と極道を描いた作品で、今作は広島で愚連隊を率いる沖虎彦が主人公、前半の昭和過去パートでは1作目の主人公・大上が、後半の平成パートでは2作目の主人公・日岡(ますます大上に似てきた)が登場する。主役の沖は極道の抵抗勢力として登場するのだが、まさに「暴虎」という言葉がぴったりで、シリーズ通して随一の凶暴性を誇る。とにかく最後まで展開多いので退屈させない(エピローグは騙された)。本作も映画化されそう。