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ミステリタッチの青春もの。交換条件を果たそうとする、にわか図書新聞編集者の二人は、いわば「謎を解く」ことになるが、ミステリに全振りしているわけではないから、推理そのものはかなり緩い。けれど、このお話の雰囲気で、針で突いたほどの隙もない論理の大伽藍など打ち立てられたら、それそれでおかしいだろう。緩いけれど、緩すぎず、この辺りが適切な気がする。主人公の飄々とした空気感と、本好き女子の藤生さんのかわいさだけで元は取れそうな感じだから、後はおまけと思ってもいいかも知れない。
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話の構成や伏線の貼り方、主人公のキャラクター性がどうにも好きになれなかった。
しかし、司書教諭の
「本が苦手な人だからこそ、そういった人達に興味を持ってもらう方法が考えつくのではないか」という視点は、共感できるものがあった
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読書嫌いの主人公が読書好きの藤生蛍と読書新聞を復刊する過程で起こるミステリー。読書のことになると人格が変わる藤生は“ビブリア古書堂”の栞子さんそのもの。主人公にも終盤で明かされる秘密があり、その伏線がさり気なく多く張られていたことに後で気付かされる展開はよかった。
樋崎先生のミステリーはやや強引ではあるが納得性はあるかな。
作中で、読書は人により全く違う感想となることについて深彫しており、映画やゲームにはない懐の深さと読書の楽しさをあらためて気付かされました。
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☆お気に入りの文
「――荒坂君は、どうして人は本を読むんだと思いますか?」
唐突な問いかけに僕も足を止める。僕は通行人の邪魔にならないよう、道の端に寄りながら首を横に振った。わからない。
藤生は僕を見詰め、きっぱりとした口調で言った。「この世にある物語は、すべて予言の書になり得るからです」(P84 L16~P85 L3)
「書物の中でも特に物語に没頭するのはなぜだと思いますか?」
「え、面白い、から?」
僕自身はそうは思わないが、世間一般にはそうではないだろうか。しかし藤生は「そういう側面もありますが」と言って全面的に肯定しない。
「私は、幾通りもの経験をシミュレートできるからだと思っています」(p84 L8~12)
☆に対しての感想
普段は、大人しくて無口な藤生が本の話になると人が変わったかのように饒舌になるところが好き。能ある鷹は爪を隠す状態でカッコイイなと感じた。
樋崎先生の受け売りではあるけど、実際に起こり得る可能性があるからこそ、人の中で物語が生まれるんだなと考えた。
1つの物語で、誰かの生き方を経験することが出来る。読書はやっぱり、人生も心も豊かにしてくれる代表的なツールだと感じることが出来た。
だから、私は読書が好きだし、これからも続けていくと思う。
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本は読む人によって解釈が変わるというのは当たり前なことかもしれないが非常にためになった。これからはいろんな人にいろんな本の感想や解釈を聞こうと思う。また、本は予言の書であるというのも新しい視点だった。
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本は予言の書である。
知識とは予測であり、知識が多ければ多い程これから起こる未来の見通しも立ちやすい、それを手っ取り早く知る手段が読書である。
読書の本質が分かる作品でした。
ただし、読書好きが本の良さを丁寧に説いてる姿は読書嫌いには鼻につくかもしれない。
そういう意味では読書嫌いになあまりオススメできない。
☆2.4
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高校2年生の荒坂は、読書嫌いなのに図書委員として長らく発行されていなかった図書新聞の発行を任される。同じクラスで物静かな読書家の女子・藤生と先輩や教員に感想文を依頼する。本の感想からそれぞれの抱える謎を解いていく。
謎解きは面白かったけれど、再刊する新聞に取り上げる本が、古典的すぎて高校の図書委員会としては陳腐ではないか。司書の先生、安易じゃない?
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私自身、学生時代に図書委員だった経験もあれば、図書新聞の様なものを制作した経験や、本来飲食禁止の図書室にあって唯一例外の司書室でお茶やお菓子を食べたり、あるいは、閉架書庫に入って珍しい書物を見たこともあるので、内容に親近感を持った。
まぁ、高校生の男女が、暫くの間共同作業を行っているという話なので、いつ恋愛模様の話になるかと思っていたが、ついぞ最後までそういう展開にはならなかった。もっとも、この本の後の時間軸で、そういう展開もあるのかもしれないが。
途中、ミステリーを思わせる展開もあり、中々面白かった。
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読書が嫌いな荒坂と本の虫とされる藤生の2人が図書新聞の刊行のために、ある3人に読書感想文を依頼するところから始まる青春ミステリ。
たしかに同じ本を読んでいても好みだったり、またその中でも捉え方が違ったりする。その人の経験とか価値観、環境などが垣間見えるから面白いのだと思う。
主人公がなぜ読書嫌いなのか、また藤生はなぜ本が好きなのか。その理由も面白いと感じた。
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荒坂君、はじめはやる気ない感じの子が、後半から藤生さんを庇ったり等、正義感が強く優しいとこもあり段々好感が持てた。
荒坂君の本嫌いの理由も意外だった。
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荒坂が読書嫌いの平凡な男子生徒、と思いきや絵の才能があって、共感覚持ちなのは主人公補正でずるいw
一応日常の謎系学園ミステリ?
藤生さんの本語りが熱くて荒坂同様面白く聞き入ってしまった。
生物部の柳井君との読書方法の会話が好き。イメージは実写かアニメか。音読するかしないか。
メイン二人は恋愛の予感がしつつ、物語内ではくっつかない、というのもよかった。
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高校生の軽い青春ものが読みたーいって気分になって読み始めたものの、現実にある作品も出てきて(それを読んでいたらもっと楽しめたかもしれない)ストーリーも誰も傷つかないし、、読後がスーッとします。そして、主人公2人!!!強くて勇ましい!!
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【図書館本】“とある理由”で読書が嫌いな荒坂と、読書大好き“本の虫”の藤生が図書新聞の再刊のため奔走するストーリー。紙面に載せる読書感想文と、そこに秘められた思いに直面する2人。お互いに“期待したり、されたり”しながら変わっていく様子が面白かった。“読書のあり方”について考えた1冊。
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あなたは何のために本を読むの?
ある理由で本を読むのが嫌いな荒坂は、楽そうと入った図書委員会で図書新聞の再刊を任されてしまう。一緒に仕事をするのは無類の読書好きである藤生。読書感想文を紙面に載せることにし、自分以外の人に感想文を書かせようとした荒坂だが、そう簡単にはいかなくて——。
森鷗外「舞姫」、ヘルマン・ヘッセ「少年の日の思い出」、安部公房「赤い繭」を絡めながら、感想文をお願いした相手の悩みや秘密を解き明かしていく。荒坂の読書嫌いの理由も途中で明らかになる。読者も一緒に散りばめられた謎を考えながら読むので、「そんなの本の読みすぎ」な推理をしてしまうかもしれない。自分はまんまと引っかかった。真相は考えていたようなドラマティックなものではなかったけど、すべてが伏線で最後に全部がつながるわけがない。まったくもって「そんなの本の読みすぎ」である。
読書嫌いにどのように読書を薦めるか。無理に読ませるのは悪手だろう。荒坂のように理由があるかもしれない。しかし作中で語られたように、読書は他人の人生や思考をトレースできて、それを読むことで自分と同じ考えや異なる考えを知り、将来自分に降りかかるであろう問題への対処法を学ぶことができる。そんなマニュアル的なこと以上に、様々な人生を追体験するのは面白い。そこに気付くのは、読書を楽しんでいる人の話を面白く聴ける体験ではないだろうか。読書感想文というのも面白いと思う。面白い読書感想文は、読書に誘う。荒坂がこの後もたくさん本を読むとは思わない。しかし折に触れて本に手を伸ばし、そして誰かとその本のことを語り合うだろう。それほど幸せな読書体験があるだろうか。
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ずばりこの本こそが「読書嫌いのための図書室案内」であると思う。読書嫌いな人はどうにか頑張ってこの本を読んでほしい。読書がだという人はなぜ本を読むのか。そういう人たちは意識していないかもしれないがこの本では本を読むべき理由、読みたくなる理由が書かれている。それいがいにもただの設定かと思われた何気ない一文が「ここに繋がってくるのか!!」となることも見どころの一つだと思う。