紙の本
語尾の「す」って何すか?
2020/06/25 10:30
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ぴんさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
体育会系クラブに所属する男子大学生の会話を録音分析して分かったのは、「ス体」は後輩が先輩に話す時に使い、決してその逆ではないこと。後輩同士でも避ける。つまり「ス体」は「親しい丁寧さ」を表現する一種の敬語だった。他にも主張を和らげる、仲間意識を示すなどの意味があってス体はとても繊細。そこに広がっていたのは「かわいげがあって憎めない豊かな世界」だった。
しかし世間ではどうだろう。「正しい日本語を話さないとみっともない」「ヤンキー言葉」との批判がネットでは多数派だ。敬語は日本人が一番頑固なところ。ス体はそこに挑戦しているから反響もすごい。だが最近はテレビCMで時には女性も「ス体」を使っている。おもしろさや軽さ、男性との関係に規定されない新しい人物像を表現していて、「ス体」の可能性を感じる。
すでに広く認識されたものではなく、まだ固まっていない「ス体」を観察することで、言葉づかいと社会のイデオロギーとの関係を明らかにしようとする。言葉は洋服や化粧のように自分を表現する材料の一つ。最初から正しい日本語があるのではなく、言葉で人間関係が変わり社会も変わるというニュアンスを読み取ってほしい。
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読みたかったのは「マジやばい」の方だたったのだが、ッスの方を本当に学術的に真面目に論じる本だった。
それはそれで良いんだが、タイトルが軽くて、それはそれでどうなんだろう。
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体育会系を連想させる「〜っす」という言葉、
「〜です」を縮めて言った言葉であることは
誰もが想像できると思います。
ん?となると「〜っす」は敬語であり、目上
の人に使う言葉として適切なのでしょうか。
という疑問が生まれます。
実際にネットで「〜っす」は丁寧語ですよね
と投稿して炎上に近い状態になった事例もあ
るらしいです。
丸々一冊を使って「〜っす」という言葉は、
どう生まれて、どういう位置づけで、人々の
間で使われているのかを考察した本です。
一つの結論としては、やや親しくなった人に
対して「です」を使い続けることは「あなた
とはこれ以上親しくなる気はない」という意
味を伝えかねないと言われます。
そこで「です」の距離感を縮める方法の一つ
として「です」を「っす」に言葉も縮めたの
ではないという説があります。
なんとなく納得しませんか。
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先日、私がよく聴くラジオで、この本が紹介されていました。実は、この春に職場に異動してきた若者が、ちょうどこういう話し方をしていたので、興味もあり、さっそく読んでみることに。ちなみに、私の職場は割合堅い方なので、この言葉遣いは馴染みません(^^;。
表紙を見ると軽めの印象ですが、内容は、丁寧な研究と考察の上で書かれています。といっても、決して堅苦しいわけではなく、実に読みやすい本です。私も、通勤電車であっという間に読んでしまいました。しかも、私自身はあまりこういう言葉遣いはしていないつもりですが、改めて考えてみると、身の回りには確実に進出してきていて、それがどういうニュアンスで使われているのか、クリアに理解することができました。
例えば、大学で同じ体育会系のクラブに所属している先輩と、後輩2人の3人の会話を、30分間ビデオで録画して分析したことが紹介されています。(p.45~)興味深いのは、同じ世代の学生であっても、後輩が先輩に対しては「ス体」の話し方をするにもかかわらず、先輩が後輩に対しては決して使わないということです。ある意味、敬語まではいかないにしても、丁寧な表現として機能しているということになります。
では、この表現は男性に限られたものなのか。後半に紹介されていますが、CMなどでは、しっかりと女優さんたちが使っている例が紹介されています。なんと、松たか子さんのCMにもありました(笑)。
https://www.youtube.com/watch?v=qWd3-UPqbM4
この本のメインは、いわゆるい若者が使用する「ス体」という話し方ですが、私たちが日頃、いかに言葉のニュアンスを意図的に使い分けているか、改めて気づかされます。言葉遣いというのはコミュニケーションの大切なベースとなるものですので、円滑に暮らしていくために、読んでおいて損のない本だと思います。
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敬語のつもりで使ってる、もう若くない人!周りは敬語と認識してない、ということを知って、敢えて使ってくださいね。…でなければ、いつまでも「自分若いっすから!」と思ってるイタイ人だと認識することに、私は、する。
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体育会剣道部と思われる男子大学生の会話を採録した分析など前半のほうは面白かったが、後半1/3がテレビCMのセリフを著者がひたすら後付けで読み解いている内容なのでちょっとがっかり。”実際の会話が本物、メディア上の会話が偽物”とは限らない、という点は著者も途中で丁寧に説いており、そのことには異存はないしメディア上で台本なしに交わされた会話ならわかる。ただ、CMというのは一字一句まで、言いかたひとつまで完全に緻密に設計された作品だ。どういう意図を持たせているかはCDに聞けばいいじゃんと思うし、そもそも仮説に沿ったCMを選んでしまっている感じもある・・
研究初期からだいぶ経っておりこの間の変化も当然あったと思われる。せっかく”研究予算がついた”とあとがきにあるので、ぜひ最新の会話を採録して分析継続してほしいと思う。
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●若者ことばと言われる「っす」言葉、これは敬語と呼べるのか。副題にあるように、社会言語学の見地から分析していく。「マジヤバイっす」をまじめに研究するってのが面白い。
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本文にも同様の記載があるっすけど、要するに
目上の人間に対して敬意と親しみを両立させたいときに、
「~です」ではなく「~ッス」を使う
という、子供にでもわかるようなことを、余計な注釈を加えてわかりづらく長々と書いてあるだけっす。
終章のみ、筆者お得意の女性言葉について少しだけ触れてあり、そちらは着眼点は面白いもののほぼ主観で根拠に欠けるっす。ページ数も少ないので読みごたえは全然ないっす。全体的にバランス悪いっす。
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珍しい視点から論じたのが今回の本だ。「そうっすね」など、ヤンキー系、ガテン系、体育会系の若者ことばと言われる「っす」言葉に注目している。
著者は、自分あるいは人との関係を表す上での働きをする「○○ことば」の1つとして「ス体」と名付けて注目している。
単なる若者言葉の1つではなく、どのような意味で普段使われているのか、メディアで使われているのかことでの変化、さらにジェンダーや敬語にも「ス体」がもたらす影響について分析している。
そう言えばテレビ東京の「モヤモヤサマーズ」のナレーションを聞いているとよく「ッス」が目立つなあ。
「ス体」についていろいろ知ることが出来たっす。
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20年ほど前に職場でアルバイト男子学生(いたって真面目)から「これマジやばいっすよ、食います!?」とお菓子を薦められて驚いたことを思い出す。当時はヤバい=ダメだと思っていたし、食いますに至っては食う+ますとはなんぞや!?と大混乱に陥った。彼なりに親しみを込めた丁寧語であると認識して苦笑したものだった。
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観点としては面白かった。
全体的に分析が主観的に進み、客観的な裏付けのないまま事例紹介が進むため、その結論づけの信憑性はどうなんだ?と思う場面が多かった。
# 気になったこと
- p57〜のあたり 基本的に論文等の内容をもとに議論を展開しているのに、時折特定の事象の解釈に恣意性を感じる 仮設レベルの話が結論としてまとめられてるのがもやる
- 先輩が後輩に質問をすることが「対面を脅かす行為」に本当に当たるのか、「す」ではない「です」の選択がそれを防ぐ役割を担っているのか、「す」が本当に親しさの表現に貢献しているのか、等、最終的な結論には感覚的な納得感はあれど、引用した割に繋がりが弱い感じ
- 主張を和らげるのとこもそう
- p94〜5 「搭載された」白人ヒップホップ英語は、彼らが否応なく提示している、人種の境界を越えるという問題を緩和する働きをしている…なんでそうなった?
- p176 寒かったっす は普通に寒かったですしかないからでは?
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思ったよりも専門的な内容で、半分以上飛ばしてよみました。
まあまあおもしろかったです。
60代前半女性ですが、ス体を使います。親しい先輩には敬意をもって使っています。
これもやがては普通に使われるようになると思うっす!
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たぶん、2020年に読んだ本。呼んだ記憶があり、内容も覚えているのだが、読書ノートにも、ブクログにも記録が無い。そのため、改めての登録。図書館ではプライバシー保護のため、履歴を残さないようにしている。たとえ自分が読んだ本でも教えてくれない。