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紙の本
明治以降の宅地の災害史
2020/07/09 21:27
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:つばめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者は民間地質調査会社、通産省工業技術院地質調査所を経て大学教授という経歴であり、学究一筋ではなく多彩な職歴の持ち主である。本書の内容は主に、明治以降の都市(宅地)の斜面災害を扱ったものであり、個人的には、本書のタイトルは例えば「宅地の災害史」とでもしたほうがふさわしいかと思った。明治以降の宅地の斜面災害について、見識を深めようとする読者にとっては、本書はその目的を十分果たしてくれるであろう。地形・地質と災害の因果関係に留まらず、都市災害全般について十分な話題が満載である。その話題の一例をあげると次のようになる。◆災害発生とともに、新たな知見を反映させた斜面防災に関する法律が順次整備されてきた。◆北海道胆振東部地震で、宅地の盛土が液状化、民家が多数傾斜した。札幌市は宅地造成に一切関わっていないにも関わらず、公費で盛土を復旧、ハウスメーカー等の負担はなし。モラルハザードを招きかねない行政の対応である。◆建設残土の不法投棄を住民が行政当局に通報しても行政当局の不作為により、不法投棄が続けられ斜面崩壊が発生。最終的に血税により斜面の復旧を行い、不法投棄者は逃げ得◆第二次世界大戦の東京大空襲では米国は事前に、より効果的に都市を破壊する爆撃方法を研究。その研究を主導したのが、有名な建築家アントニン・レーモンド。
ただし、宅地を今後購入しようとする読者にとって、本書の結論は、「谷を埋めた盛土を避けるべし」の一点に尽きる。本書は、なにやら権威のありそうな「京都大学学術出版会」による刊行物であるが、些末な誤字等や不適切な記載(例えば、関東大震災の被害での解説で、国鉄中央線とすべきところをその前身の甲武鉄道と記載)が散見される。
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