電子書籍
こまつさんの2作目作品
2021/01/17 03:09
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投稿者:future4227 - この投稿者のレビュー一覧を見る
待望のこまつあやこさん2作目の作品。前作は短歌とマレーシアの異文化融合だったが、本作ではベトナムと生け花のコラボ。女子中学生が主人公で、優しい先輩がいて、ちょっとした恋ばながあって、という展開は前作と似てる。これがこまつさんの作風になっていくのかな。こまつさんのお話にはムカつく人が一切出てこないのもいい。読んでいて全く不快感がない。クライマックスの生け花ショーの場面では、生け花の作品が目に見えるようで、文章表現もさることながら、主人公の実況もナイス。3作目も日本の伝統文化シリーズで書いてほしいな。
紙の本
『ハジメテヒラク』
2020/12/14 20:40
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投稿者:百書繚乱 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「おはようございます。実況はわたし、出席番号三十三番、綿野あみがお送りいたします。」
4年生のときにクラスで外され“脳内実況”するようになったあみ
入学した私立の進学校で、緊急避難のために生け花部に入部する
部員は高校生の城部長、中3のカオ先輩、同級生の九島さんの3人だけ
「以上、綿野あみを取り囲むのは、まったくまとまりのない三人。
綿野あみ、入る部活を間違えたかもしれません!」
それぞれがマイペースで一つにまとまらない生け花部
あみは秋の文化祭に「生け花ショー」を提案し、実況に挑戦する
「木枯らしが吹くころ開く花がある。
みなさん、こんにちは。生け花ショー、ハジメテヒラクへようこそ!」
入賞めざしてショーが始まった……
中学校のマイナーな部活を舞台にしたさわやかな青春物語
「三本それぞれのちがいが魅力なんです。
いびつだからこそのバラバラ・バランス。
そんな三人を、わたしは実況で応援したいんです」
『リマ・トゥジュ・リマ・トゥジュ・トゥジュ』で第58回(2017年)講談社児童文学新人賞を受賞した著者の第2作、2020年8月刊
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大人しそうで何かと勢いで突っ走り気味の「あみ」。小学校5年生の時には友だちの恋を応援するつもりで好きな男子をばらしてしまい仲間外れに。落ち込むあみを励ましてくれたのは、競馬の実況アナウンサーを目指す従姉の早月だった。彼女が教えてくれたのは、いろいろなしがらみからちょっと離れて「実況者」になること。こうして、あみは学校での出来事を何でも脳内実況しはじめるが、「実況」するためには対象者から離れると同時に実は対象者についてよく知らなければならないことに気が付く。中学校では勢いで廃部寸前の生け花部に入部するが、そこには少人数ながら個性ありすぎの部員たちが。彼らとの交流の中で試行錯誤しながら、「実況者」としてのあみは今度こそ彼らを本当の意味で応援することができるだろうか。あみの手に汗握る実況が読者をテンポよくラストまで誘ってくれる。『リマ・トゥジュ・リマ・トゥジュ・トゥジュ』に続く著者第2作。
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ハジメテヒラク、タイトルのつけかたがとても素敵。
あみの悩みは中学生らしいなと思った。応援したい気持ちはあっても、応援する方法を間違えちゃうと大変だから。余計なことはしゃべらないように、深く関わらないようにする気持ちはすごくわかる。
生け花部のみんなに会えて、実況が好きなことも言えるようになってよかった。最後の文化祭での実況は読んでてうるっとした。バラバラ・バランス、それも悪くないのかもしれない。
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娘のために借りて先に読みました。
リマトゥジュも面白かったけど、本作もとても読みやすくて、数時間で読めます。
華道部に入ることになった主人公がまわりの人との関わりを通して成長していくお話。
子どもにもたくさん失敗して、たくさん人と出会って、悩んで、楽しんで、成長して欲しい。
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生花の良さ、実況の奥深さも散りばめられて、最後まで楽しめました。失敗やしんどいことを一つ一つ乗り越えていく姿が大人にも響く良書です
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ちょっとの失敗から居場所をなくした綿野あみ。
でも実況中継が彼女を救います。
生け花と花のようす、部員とその性格特徴、見方を変えれば、いろいろバラバラなものも案外まとまっていたり。
作者のこやまさん、『リマ・トゥジュ・リマ・トゥジュ・トゥジュ』もそうでしたが、リズム感がとってもよくて、あっという間に読めちゃう。
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小学校からの友人のいない私立中高一貫校に入学した綿野あやは、小学5年生のときに友人の恋愛を応援しようとして暴露し孤立してしまった経験から、人の恋愛には関わらない方針をとっていた。両親と暮らすあやの家に競馬の実況アナウンサーになるべく内定していた就職先を蹴って家出し居候していたいとこの早月から、「実況中継」を教えてもらったあやは、孤立時間を実況で乗り切って以来、「脳内実況」が習慣になっていた。あやは、友人になりたての美紗姫が男子目当てで男子バスケ部のマネージャーを一緒にやろうと言うのを断る目的で、偶然部長に勧誘されたことをきっかけに、生け花部に入ることに。ところが、高校2年男子の部長は、仕入元の花屋の店員可奈子に片思い中で、あみはそれを応援するために文化祭で生け花ショーを企画し、実況を引き受けてしまった。
過去の失敗を引きずる少女が、生け花と出会い、得意の実況を活かして、周りの人に助けられながら乗り越え成長していく物語。
******* ここからはネタバレ
申し訳ないんですが、私には合わなかったようです……。
ちょっと前半の展開が突拍子もなさすぎて、実は読み進むのが苦痛でした。
1回諦めかけました。きっと読まなくてはならない本でなけれは完読していなかったと思います。
主人公のあやは、5年生のときに友人の恋バナを応援しようとしてうっかり暴露し、それから孤立してしまうという痛い経験をしています。
それを救ってくれたのが、競馬アナウンサーを目指している家出中だったいとこの早月。
一人ぼっちのときは「脳内で実況したらいいよ」と教えてくれます。
あやの孤立はだんだん解消されていきましたが、「脳内実況」は続けていました。
入ったばかりの学校で偶然出会った生け花部の部長に誘われて、バスケ部から逃れるために入部します。
そこであみは、生け花の成り立ちや日本の季節について知り、感慨深く思うのです。
ところが、実は、部長は花屋さんに惚れていて、近々お店をたたむ花屋さんに恩返しのために(?)文化祭の出し物で1位になりたいといい出すんです。
そこであやは「生け花ショー」を企画して自分が実況をすると言い出します。
ショーの立案は通ったけど、過去の後悔から、自分は失言せずに実況できるか不安になるといった物語なんです。
いやいや、きっと生け花ショーを文化祭でやるお話を書きたかったのではないかと思ういのですが、ちょっと持っていき方がしんどい感じがします。
部長が、ちゃんと当番の水やりをしないと言って先生を怒るのですが、そんなこと普通しませんよね?じょうろを持って注意しに行くぐらいなら自分で水やりしたらいいのにって思いました。ましてや先生が相手です。何回言っても忘れられてしまうなら、生徒会で当番決めしたらいいのにって考えてしまいました。
さらに、父親と笹を運んできた可奈子さん。お父さんは根の方を、可奈子さんは葉の方を持っています。そこで、先輩は重いから代わるって”可奈子さんに”言っているんです。可奈子さん25歳。いやぁ、代わるんなら父親の方とでしょ?と思わず突っ込んでしまいました。だって、お父さんと代われば、可奈子さんと一緒に運べるじゃないですか?
また、部長は、閉店する花屋さんに感謝を伝えるために文化祭で1位を取るっていいましたが、なぜこれが感謝につながるのか?ごめんなさい、私にはわかりませんでした。
加えて、電車内に花を忘れて取りに行くあみに同行するために塾を休むとか?、行動が今ひとつわかりにくいです。
久島さんが、1人で部室にいるとき「笹の葉さらさら~」と「たなばたさま」の歌を歌っていました。中学1年生がそんなこと学校でするなんてありえん、と思いました。イマドキの子なら、歌うとしたらポップとかじゃないかと思ったんです。でも、彼女は、ベトナムからの帰国子女だったんです。あー、それなら、とここは納得しました。
早月が競馬実況アナウンサーを目指したきっかけも謎です。
始めて競馬を見たとき、女性ジョッキーがいて驚いて、就職活動でも男性が優位で、そういえば女性の競馬実況アナウンサーはいない、だから目指そうと思う、って唐突過ぎません?
話すことが好きとか、少しでも入っていたら納得しやすかったと思うんですけど……。
生け花ショーで久島マイだけが、実況なしでベトナムの歌を歌いながらのパフォーマンスだったんです。見に来てくれたベトナム人のおばあちゃんのためだったんだけど、ちょっと内輪ネタすぎると感じました。他のお客さんたちにはわからない世界でしょう?
それに、それ以外の実況でも、プライバシーを暴露しすぎに感じました。事前に了承をもらっていればいいんですけど、そうでなければまた「暴露で孤立」のリスク大ですよ。言ってしまったらどうしよう?ではなくって、言ってほしいこと欲しくないことを本人に確認すべきだと思うんです。
言ってしまったことばを消すことはできないんですから、ここはもう少し慎重でいてほしかった。
まあこれだけ文句を書き連ねながらも、後半部分は、生け花と向き合いながら実況の準備のために部員と向き合って、よく知ることが大事とか、大事な部分を活かすために切り捨てることが必要とか気付いたりとか、けっこう良かったと感じました。
私自身は支離滅裂な印象を持ちましたが、字は大きいし227頁と短い。
読むのが苦手な子でも取り組めます。
読める子なら中学年、もしかしたら低学年からでもイケると思いますよ。
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主人公が実況中継に興味を持ち、脳内でいつも実況中継をしているというユニークな設定の物語です。
登場人物もそれぞれ個性的でおもしろく、ストーリーもテンポよく進みます。
ただ、私はどうしても主人公の脳内で行われる実況中継の描写が気になってしまい、物語に集中することができませんでした。この点が気にならなければ、楽しく読むことができると思います。
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こまつあやこさんの作品はこれが初めてでした。
生花を中心に将来のことや友情、恋愛など様々に展開していてとても読みやすい1冊です。
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やっぱり読みやすい。
小中学生向き。なかなか素直になれなかったり、恥ずかしがったり、強がったりと自分の内側では大変な騒ぎになってるお年頃の子達を思って読むと納得できる。
そんな子達が前向きになれるように背中を押してるような作品が多く、この作者さん好きだな。
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「周りの反応を気にして当たり障りのない言葉を選ぶより、ヘンテコでも自分の心が生んだ言葉で伝えたい。」
読後感良い。文量も多くなく、一瞬で読み終わった。実況と生け花の組み合わせがすごくマッチしている。「魅力を引き出すことが実況」と作品の中にあったが、主人公の実況を通して語られる物語世界はまさに魅力的だった。
上に引用したセリフは自分でも見習いたいと思った。「自分の心が生んだ言葉」、何より大切にしていきたい。
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前作「リマ・トゥジュ・リア・トゥジュ・トゥジュ」が結構おもしろかったので、読んでみることにしました。
小学生高学年、中学生も向けのとても読みやすい本で、サクサク読めてしまいます。
他の方も感想に書いていたのですが、今回のベトナムや、リマ・トゥジュのマレーシアといい、作者自身が東南アジアに何らかの関わりがあるのでしょうか。
生け花と実況という組み合わせ、前作リマ・トゥジュのマレーシアと短歌の組み合わせといい、なかなか結びつかないものを組み合わせて、多少無理がある展開がありつつも、物語としてかたちづくってしまうのは感心してしまいます。
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私もこの本の主人公、綿谷あみのように心の中でしゃべっているから共感できました♪
本を開いてから一日で読み終わり手軽に読めてよかったです。
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面白かったー!
先走った失言で仲間外れになったことのあるあみ。元気づけてくれた従姉妹に脳内実況を進められて。中学生になって入った生け花部の文化祭でのショーで、初めて人前で実況を披露することにして...。
こんな事言っていいのかな...こんな私受け入れてもらえるのかな...悪いイメージを持たれたらヤダな...という気持ちが、部活の先輩や同級生との触れ合いで前向きになっていく。本当の気持ちを知るための引き算って大事。
七十二候や生け花のことも少し知れて為になる。
軽快な脳内実況とストーリーで、楽しく明るい気持ちで読み切れました。