紙の本
バイアスには注意
2023/01/24 13:45
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投稿者:ichikawan - この投稿者のレビュー一覧を見る
戦後篇とはいっても戦前戦中と戦後の連続性が問われるべきだと思うが、切断処理している印象が強いものが多い。例えば第4講で「岸内閣の内政と外交」では岸信介の満州時代についてはちらっとふれただけである。怪し気な現代史本を読むくらいなら専門家による本書を選びたいが、同時にかなりバイアスのかかったものであるのには注意したい。
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<目次>
第1章 石橋湛山内閣~高度経済成長への序曲
第2章 安保改定
第3章 安保闘争と新左翼運動の形成
第4章 岸内閣の内政と外交
第5章 対東南アジア外交の展開~1950ー1960年代
第6章 池田内閣と高度経済成長
第7章 政治家・官僚関係の新展開~1950ー1960年代
第8章 日中民間貿易と国交正常化
第9章 東京オリンピック
第10章 佐藤長期政権
第11章 日韓基本条約
第12章 全共闘運動・三島事件・連合赤軍事件
第13章 沖縄返還
第14章 公害・環境問題の展開
第15章 原子力・核問題
第16章 石油危機
第17章 田中角栄の時代
第18章 ロン・ヤス関係~個人的信頼関係と日米外交
第19章 歴史認識問題
第20章 国鉄等の民営化と新自由主義のはじまり
第21章 バブル時代の政治
<内容>
永遠と続いていたちくま新書の日本史シリーズの掉尾を飾るもの。戦後史の下巻は、やはり知らないことばかりだ。近年研究が進んだり、情報が公開されてきたりしたこともあるだろう。自分の勉強不足もある。授業の繁栄できればいい。
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興味の持てた論考
5 対東南アジアの外交
11 日韓基本条約
13 沖縄返還
19 歴史認識問題
特に、「日韓基本条約」は、今日まで解消されていない日韓問題の寄って来る来る所以、両国の共有できない歴史認識の根本的な問題の所在を明確に整理してくれていて、大変参考になった。
(上)、(下)を通して
戦後の歩みをコンパクトにまとめていて、まずはこの一冊というときに参照できる新書らしい新書である。
ただ、戦後を通史的に押さえていこうとして各講を配列しているのは理解できるのだが、首相に着目してその内閣の課題や実績を説明した政治史的なものは、それ自体としてまとめた形に(できれば別の書籍として)、この講義としては、論点的なトピックに絞ったものにした方が、読者にとって全体として理解が進むのではないかと思った。
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昭和の戦後も後半。高度成長からバブル時代へと進み、この辺りは自分も同時代の記憶があるところ。
あらためて、あの時の事件は、そういうことがあったのかと思うところも多い。
とくに国際関係の話し、とくに中国や韓国、東南アジアとの関係、歴史認識問題などはあらためて頭の整理が進んだ。
また、安全保障問題、全共闘運動など、そんな熱い時代があったな〜という感覚があると同時に、今、またそんな問題がリアリティのあるものとして浮上している。それは私たちはどれだけのリアリティをもって考えることができているだろうかと思った。
一方、ここに書いてある内容は、自分の理解を大きく変えるようなものでもなく、これはわたしの同時代の記憶があるせいか、それともこの時代はまだ未公表の資料が多いせいなのかは不明。
今の時代は、ここに書かれている時代と地続きでつながっているのではあるが、今の時代は、ここにある何らか良さのようなものが徐々に崩壊していった先にあるという見方もできる。
今となっては、想像もできなくなっているのだが、一時はジャパン・アズ・ナンバーワンだったわけで。。。。あれはなんだったんだろう。。。。