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タクシーに新卒で勤めている夏子。タクシーの世界の新人の女としての苦労や、家族とは…な内容。タクシードライバーが好きなのは分かるけど、周りの人が心配してくれるのを跳ね返すほどの説得力はないから、ちょっとモヤモヤする所もあったが、この作家さんならではの、人の気持ちの表現がいいと思った。
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人と人の縁とそこにつながる「働くこと」を描かせれば天下一品の小野寺さんの新刊は珍しく女性が主人公。
大学新卒でタクシーのドライバーになる女性、なかなかレア。女性のタクシー運転手も増えているとはいえ、めったに当たることがないような。
タクシーに限らず運転手という職場はまだまだ男社会。主人公の夏子がなぜ、タクシードライバーになろうとしたか、というきっかけとなった事件もこの男社会によるもの。
この事件、多分たくさんの「わかる」という声が聞こえる気がします。でもタクシーという密室にいろんな不安や恐怖を感じるのは客である私たちだけじゃないんだということが今回よくわかる。たしかにそうだ。運転手さんたちも常に様々な危険と隣り合わせになっているんだな。
普段あまり考えることのないタクシー業界の、あれこれを知ることができてそれも面白かった。
そして、もう一つの本題。夏子の恋の話。これ、切ないですわ。森口さん…彼とのいくつかのエピソードを超えて夏子と父親との関係が少し動いたんだな。今まで見えなかった父と母の関係とか、父の自分への思いとか、そういうのも見えてきて。そういう意味では森口さんグッジョブ。いいご縁がありますように。
そして姫野さん。いや、いいわぁ。卓球でのやりとりとか、もう夫婦漫才か!って。いいコンビだ。
いつものような涙腺刺激場面は少なかったですけど小野寺さんの優しさが隅々にまでいきわたったとても素敵な一冊。
タクシー業界にも女性ドライバーが増えて、いろんな悲しみや嫌な思いをする人が減ればいいのに。
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新卒女子タクシードライバー奮闘記。
十月の羽田
十一月の神田
十二月の五反田
一月の早稲田
二月の町田
三月の江古田
女性の味方になりたくて、東京でタクシードライバーになった夏子。
離婚した父の紹介で、公務員の鈴央と出会うが、仕事でぼったくりや強盗未遂にあったりと、自分の人生と将来を考えてしまう。
少しずつ強くなる夏子が、道を切り開いていく。
シリーズになるのか、劇的な展開はなく、成長を見守りたいタイプの作品。
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読んでいる間、ずーっと癒してくれる傑作。他作品とリンクしてる著者のファンならおなじみのサービスも健在。
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いわゆる「いい話」は苦手なのだが、この作家さんの作品は読んでしまうなぁ。
いちばん好きかも。
卓球が上手いと人生のちょっとした場面で役に立つのはほんと。わたしも元卓球部なのでよくわかる。
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大卒、新卒、女子、タクシードライバー。
離婚した両親=高校教諭の父、紳士服を売る母、元彼、同僚、お見合い相手。
職業には危険もある。
好きなこと、好きだから、好きだけど、
そんなことを淡々と、小野寺節で。
さらりと読めた。
後々はあの人と…?
タクシーに久しぶりに乗ってみたいような。
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タクシーの運転手さんのお仕事ってこんな苦労があったんだと興味深く引き込まれてながら親子のしがらみや恋模様も盛り込んでパンパンになってるはずなのに決してキャパオーバーにならずむしろ深みがでてくる。やはり小野寺さんの文章のうまさなんだなぁと。
とても読みやすく次の展開を主人公とワクワクしながら共用しているような気分になれました。
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ほのぼの。「ひと」を描いたら天下一品。どうしてここまで心理、心の機微が描けるのだろう。職業モノも、細部までいつもまるで経験者。自分でハンドル握って都内走ってる気分も楽しむ。先週のNHKドキュメント72時間でやってたタクシードライバーと重なり脳内ビジュアル化も。
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小野寺作品らしい読み心地の小説です。
特別な能力や才能を持つわけではない主人公は、大卒新人1年目のタクシードライバー(女性)です。
ストーカー被害に悩む女性が、帰宅途中にタクシーを利用するも、(住所がばれるのが嫌で)途中で下車したところ、家までの間に襲われてけがをする、という事件をニュースで見てから、「女性が安心して乗れるタクシーがないなら、自分がタクシードライバーになろう」と決意してこの業界へ踏み出します。
「籠脱(無賃乗車)」されたり、あわや強盗にあったりとトラブルもありますが、乗せたお客さんとの出会いや、母や、離婚した父親、父の教え子でもある見合い相手など周りの人々とのつながりの中で、自分の仕事と生き方を見つめ、自分なりの答えを出してゆく主人公。
「何が大切か」「どう生きるか」ということに「正解」はありませんが、悩みながらも自分の言葉で考え、ひたむきに生きる登場人物の姿に、あらためて日々を一生懸命に生きようと思わされます。
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なんのことやらのタイトルだが、「女性タクシー・ドライバー」のことだった。この手の造語(歴女やら鉄女やら)は、その分野で女性の存在が珍しいときに造られるのだろう。その中でも本書の主人公は、4大卒で就活を経てタクシー業界に入ったという相当なレアもの(?)だ。そんなタクジョを主人公にしたお仕事小説かと思いきや、小野寺さんらしく、人との触れ合いや家族との繋がりが多く描かれていてホッとする。ただ、これだけの規模のタクシー会社で、使用燃料がガソリン(一般的にはLPG)というのはどうなんだろう? と疑問に思った。
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10月-22。3.0点。
新卒でタクシードライバーになった女性主人公。
奮闘を連作短編形式で。
軽妙な台詞回しは相変わらず上手い。読ませる。
シリーズ化しそう。力を入れずに読める。
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主人公の高間夏子はテレビのニュースで女性が自宅から少し離れた場所でタクシーを降りたためストーカー被害にあったニュースを見て、女性ドライバーの増加を考えて大学卒業後、タクシードライバーになる
新卒後の正式配置後の半年間を「十月の羽田」から「三月の江古田」まで描く
離婚した両親、紳士服販売店の凄腕セールスの母〈想子〉と、都立高で数学を教える父〈室山薫平〉のエピソード、様々な同僚と様々な乗客、お見合いした森口鈴央、篭脱け(無賃乗車)、タクシー強盗未遂など、日頃なかなか分からないタクシー業界のお仕事小説とともに青春小説ともなっている
文体が落ち着いていて読みやすいが、現代を舞台にしているが主人公がやや老成しているような印象を受けた
他の人の感想を読むと、付き合っている森口が、タクシードライバーを辞めてくれと希望する場面に否定的な印象が多いが、どちらかというと男性の気持ちの方が分かる
佳作
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好きな作家です。
悪いとは思わないけど面白くなかったです。
自分としてはもっと他のテーマで書いて欲しかったです。
贅沢かな⁉️
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大学を出てタクシー運転手になった23歳女性。母と二人暮らし。仕事で出会う愉快な人、不愉快な人。持ち込まれた見合い。「タクジョ」の生活悲喜こもごも。
面白かった。やや淡々と描かれるからか、彼女の内面がキリリと浮き出す。朝8時から翌朝4時までの勤務だなんて知らなかった。
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ああ面白かったーっ!
図書館の新着図書リストに入っていて、初読の作家さんやったけれど、タイトルに惹かれて予約した。
あとで気づいたら、違う本の巻末リストから
「面白そう」
と、思って著者の別タイトルを予約していたので、今、わたしの手もとに著者の別タイトルも積読している。笑
よくある話。
内容も、著者の文章も、サクッ、パキッ、としていて小気味いい。
ところどころに重いテーマや分岐点があるのに、それもさらりと流すこの作風を、わたしの人生の参考にしたい。(どうした)
(いま、ドロドロの日常にちょっと辟易しているので)
すこし短い文章がさくさく続いていくところが小気味いいんかもしれへんな。
決していい加減じゃないけれど、わたしもこんなふうなモノローグで物事をとらえていきたいなと思った。
そうしたら、シンプルかつロジカルに考えられる気がする。
情に篤く、でも思考はシンプルでロジカルっていうのはめちゃくちゃ憧れるやん。
この本からはおしなべてそういった空気を感じた。
若い女性が主役の本やったから、これが違う主人公やとどう見えるんやろう。
別タイトルにも期待。
ほんで、この本の巻末に載っていた著者の別タイトルも予約しておこう。
作中のフルネーム攻撃はちょっとだけ面白かったな。あと、名前がちょっと難しい。笑