電子書籍
切ない
2023/08/01 15:08
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投稿者:MR1110 - この投稿者のレビュー一覧を見る
主人公真次がタイムスリップして嫌っている父親への気持ちが次第に変化していく物語。知らなかった家族の真実が明らかになっていく経過がとても切なく心に響きます。
紙の本
駅のホームからタイムスリップ
2021/06/11 14:54
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投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
嫌いだったはずの父親の、若き日の意外な一面に触れていくシーンが印象的です。過去への旅を通して、自分自身の未来を見つめているのかもしれません。
電子書籍
昭和レトロな物語
2021/08/03 10:25
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投稿者:Koukun - この投稿者のレビュー一覧を見る
地下鉄網を小道具に用いた昭和レトロな物語である。作者浅田次郎の実力を発揮した、物語の雰囲気作りや描き方はとてもうまいのだが、登場人物たちのキャラクターや行動に今ひとつ共感を覚えない。描き方がうまいだけに感情移入できない違和感がずっと残った。
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【おもかげ】の発売情報を読んでいたら、この【地下鉄に乗って】のことに触れられていて、興味を持ち、
タイムスリップものとの前情報で、SFやファンタジー的な小説が苦手な自分にはどうだろうな・・・と思いながらも、読んでみた。
地下鉄の描写と街の描写があるから、地下鉄の出口から上がると、最初は、そこから広がる現在の街の風景が頭の中に自然と広がるのだが、
そこにタイムスリップした真次の目に映る、1960年代や戦後の街の描写が重なると、自分までタイムスリップしてしまったような心細さを感じてしまう。
目の前に広がる当時の街並みは、時代の暗さを反映してか(特に戦後は)モノクロ。どこか、ほの暗くて、寂しいような懐かしいような、そんな気持ち。
真次はタイムスリップすることで、ただひたすらに反目していた父親の過去を知り、父親の内面を垣間見ることによって、これまでとは父と言う存在を違う目で見ることが出来るのだろう。弟に対する思いも少し変わり、接し方も変わってくるのかもしれない。しかし、みち子のことはどうなのだろうか、、、忘れられるのだろうか。みち子を選ぼうと思っていた気持ちで、どう妻子と向き合うのだろう、、、
親子とは難しいもので、一番近い存在であるにもかかわらず、近いからこそ、お互いの内心を素直に伝え合うのは難しくて、近いからこそ、こじれるととことんこじれてしまう。自分自身も、こじれるとか恨むとか、そこまでではないけれど、自分が幼かった頃、親がどんな思いだったのかどんな生活をしていたのか、見てみたいなと思う時がある。地下鉄に乗って、確実に帰ってこられるのなら(笑)行ってみたいな・・・いや、ちょっと真実を知るのは怖いかな。
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懐かしさの残る小説。
父と息子の確執。
時空を越えて、過去に戻り、主人公真次は父、兄、みち子の生い立ちを知ることになる。
非常に夢のような話にも聞こえるが、本人は結構酷な事を体験したのだと思う。
この体験は彼のこれからの人生に必要だったから、ということなのだろう。
過去に遡った東京の情景は、リアル過ぎて私には想像がなかなかつきにくかった。
ただ、今はとても華やかな銀座が、すごい悲惨な惨状なのだろうということは想像ができた。
現実は変えられない。でもそこに辿り着くまでにはいろんな事がある。
当たり前のことを、再認識したような気がした。
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父と息子の話 強い昭和臭
いろいろな人間関係の設定は、何となく予想がついてしまう。
でも、そんなことに関係なく、面白い。
筆者の時代ごとの街や心情の描写力に引き込む力がある。一気読みでボロ泣き。
混沌とした時代を、しぶとく生き抜くアムールが魅力的だった。
東京のはりめぐされた地下道(鉄?)が、ファンタジーの入口なことも面白い。
ただ、タイムスリップして主人公が頑張っても、兄貴は元に戻らないし、みち子は亡き者になってしまうし。生ぬるいかもしれないけれど、全方位ハッピーエンドが良かったなぁ。
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salyuさんが好きで、この映画の主題歌「プラットホーム」繋がりでこの作品に出会いました。主題歌→映画→小説の順でこの作品を読みましたが、古きよき昭和の時代に生きた父の生き様に触れ、徐々に父に対する見方が変わってくる主人公の様子に興味をもちました。
愛する彼女が選んだ結末がなんとも切ない。。。
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時代が違う、その一言に尽きる。
地下鉄の通路でタイムトリップし、自分の知らなかった家族の生い立ちを見る。ページが進むにつれ、嫌悪感が増し、結末は最悪だった。
戦後という時代がそうさせたのであり、過酷な環境の中で生き抜いてきたからこその〝父〟なのだろう。しかし、だからと言って周りの人間にしたことは許されることではないし過去は変えられない。
父子にとっての最悪な事実を変える為にひとりの女性の人生が犠牲になるなんてあまりに身勝手だ。
名作ではなく、迷作だと思う。
登場人物の誰にも心寄せることが出来なかった。
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おもかげが素晴らしかったので読んでみたが、こちらは入り込めなかった。何故だろう?
タイムスリップの時代描写は良かったが、登場人物に好感が持てなかったからだろうか。
期待しずぎたからだろうか。
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作者は地下鉄ラブなのだろう。就職した頃は車内の照明が消えたり、ランプのようなものが点灯したりする地下鉄がまだ普通に走ってた。いつから無くなったのだろうか。それにしてもみち子がかわいそうなお話しだったなぁ。補助的な登場人物かと思ったが、そうではなかったね。
父の若かりし日を見てみたい、その頃の父と語りたいと思える作品でした。
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主人公が複雑な想いを持つ地下鉄が、時空を超え父親の生い立ち等家族の過去に繋がる出口を持つ、たが、決してファンタジーではない物語。
バックトゥザフューチャーのデロリアンとも、ドラえもんのタイムマシーンとも違う。このメトロは読後に切ない想いを残す。
最初からどこに向かっているのかわからない展開に夢中になる。読み進めるとそれぞれの人物の位置関係がなんとなく判明してくるが、それでも最後までエンディングは読めない。結末がわかった今だからもう一度丁寧に読みたくなる。
最後に出てくるルビーの指輪。
これから読む人には是非意識するようにお薦めしたい。
選書ありがとう。
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●主人公がある日、突然タイムスリップして、家族の過去と向き合う物語。●彼は父親の慈悲ない態度に愛想をつかせ家を出ます。そして、タイムスリップし、青春時代の父親と交流します。交流の中で、父親が仲間を大切にする、とても情に厚い人だったと知る・・・。
●この本はファンタジックな手法を用いて、読者を惹き付けています。私は、親子愛にとどまらず思った事があります。人はともすると、思い込みや噂に惑わされ、真実を見失い勝ちです。反省してやみません。
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個人的に東京の地下鉄のあの独特な雰囲気がとても好き。所々に古びた歴史の跡も残り、なんとなく感じるぼんやりした空気感、一期一会に行き交う人々の色合いが哀愁を誘う。
そんな都会の地下鉄が物語の舞台となり、タイムスリップというファンタジーな設定がとても相性良く自分の心に染みた。結末は悲しく切ないけど。映画版もとても良かった記憶。
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1994年刊。第16回吉川英治文学新人賞を受賞し、浅田次郎さんの最初期の「名作」と呼ばれている作品らしい。
タイムトリップというSF的な装置を使ってストーリーが展開されるが、叙述や感受性は普通小説のものであり、リアルな日常性の感覚が確保されている。
良い小説だと思って読んだが、最後の結末が自分にとっては今ひとつな気がした。
この作家の作品をまた読みたいと思う。
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父親を憎んでいながらも周りから父親に似ていると言われている主人公が地下鉄というタイムマシンに乗って、今まで知らなかった父親に出会っていくというちょっとしたユニークなファンタジー小説。
元々有名だし映画化もされてるから知ってる人も多いかな。
ストーリーも奇抜な設定で興味をそそられたけど、個人的にはこの小説は過去の時代の描写がすごく細かくて上手だなぁって感じました。
当然戦前や戦後直後の東京なんて知らないんだけど、この本を読むと「あぁ、なるほどこういう時代だったんだなぁ」とちょっとその時代の東京に詳しくなった気にさせられます。
主人公はタイムスリップして過去のさまざまな時代の父親に出会って本当の父親のことを知っていく訳だけども、ふと自分の父親ってどんな人生送ったんだろうなぁなんてセンチメンタルに考えてみたり…。
最後はあっと驚くようなエンディングも用意されていて、終始飽きなかった一冊。