的確な指摘に納得しました
2020/10/22 12:30
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投稿者:広島の中日ファン - この投稿者のレビュー一覧を見る
今回のコロナ禍を通じ、日本の医療の問題点などを著者が的確に指摘した1冊です。
著者の指摘には、納得できるものが多かったです。当書を読むと、日本の医療への視点が変わるでしょう。
また、前半では「なぜ、東洋ではコロナ感染者・死亡者が少ない理由について、著者なりの見解が書かれています。
目線を身近に感じます
2021/09/20 22:15
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投稿者:象太郎 - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本の医療が世界最高レベルなどと一体いつから言われていただろう。コロナ禍が始まってから、ずっと釈然としなかった。もしかしたら、コロナ禍が始まった頃から、医療従事者自身が唱え始めたのではないか。どうも医療従事者の自画自賛ぶり、その裏返しとして一般人の生活に思いを馳せない不遜な言動をマスメディアやSNSで見るにつけ、腹立たしさが収まらなかた。
しかし、本書の著者は、医師でありながら、その目線に身近さを感じられた。死生観についても共感できた。略歴を拝見するに、文系の大学を出た後、医師の道を歩まれた方だからだろうか。
どうかその目線で、今後も活動を続けられることを願っています。
欧米を襲ったのはゴジラ 東アジアはジャガー
2021/01/30 15:19
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投稿者:チップ - この投稿者のレビュー一覧を見る
2020年8月ごろのデーターを元に書かれた本。
これから新型コロナがどうなるかわからないが、現在のところ著者の言っていることはひじょうに納得できる。
欧米と東アジアで死亡率が違う原因はこれから解明されるだろうが、日本がいつまでもゴジラ襲来並みの対応をしているのは大変不合理だと思う。
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コロナを巡る様々な問題、そして疑問。
多くの人がマスメディアなどの情報を役立てたというよりは振り回されたのではという気がします。
まだコロナ禍が終わっているわけではないので今回の出来事に結論を出すことは出来ませんが、この本で書かれている事を知ることはとても重要だと思います。
情報の一つとして今読んで損はない一冊だと思います。
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本日(令和2年12月30日)の新聞でもコロナ感染者数が増え続けていると報道されています、このままでは医療崩壊となるので外出・帰省・忘年会・初詣等、言い方は気をつけているようですが、自粛ムードが流れています。
そんな中、近くの本屋さんで私の目を惹いたのがこの本です。本の帯に書かれている通り、日本には世界一多い病床があるにも拘らず医療崩壊の危機が叫ばれています、この本には報道では語られない、不都合な真実が書かれています。
この本の筆者は、よくぞ書いてくれました、と感謝しています。今までの枠組み(既得権益)を守りつつ最大限の努力をしているように思いますが、政治の力でその既得権益を打ち破って欲しいなと感じました。
以下は気になったポイントです。
・平年のデータから想定される死亡率・死亡者数を超過した数値を「超過死亡」というが、諸外国が増えている(米:23%、イ:44、スペイン:56、ペルー:149%増加、年初から7月)が、日本はほぼ発生していないのが現状である(p25)
・欧米在住のアジア人の死亡率がそんなに低くないことから消去法で考えると、東アジアが欧米に比べて死亡率が少ない(100分の1以下)は、1)BCG仮説、2)既存のコロナウィルスによる交差免疫(既存の風邪コロナウイルスにかかった人の免疫記憶が新型にも効果的)が残る(p29、32)
・東京都は4800床をコロナ専門病床として確保した、病院・病床が2000、ホテルが2800、都内12万床のうちの4%に過ぎない、その半分がホテルであることから、一般の病院の病室を一時的に感染症病床にすることはほとんでできない。厚生労働省や日本医師会、大学の医局は医療機関に指揮命令はできない。理由は病院の7割は民営だから、厚生労働省は、医療機関に対して、開設許認可・診療報酬設定を行えるが、診療内容の変更を直接指示できる権限はない(p38)
・インフルエンザに感染したと思われる人の75%は無症状である、新型コロナも同様である(p46)免疫力を高めることは現実的ではなく、そんな薬もサプリメントも無い、ただし下げることはできる。睡眠不足、バランスの悪い食事(p47)
・無数にあるウイルスの中で、これまでの歴史で駆逐に成功したウイルスは唯一、天然痘のみ。ウィルスとは基本的に共存していかなければならない(p65)最終的にウィルスを殺してくれるのは、自分自身の免疫である。感染初期(発熱して2日以内)にのみ効果がある(p69)
・現時点でコロナ対してできる実質的な医療は、解熱、栄養補給、派生症状を抑える薬の投与、重傷者には人工呼吸器やECMOなどで呼吸を補助・代替し免疫力を回復することのみ(p81)
・入院医療費と病床数の関係のグラフから言えることは、一人当たりの病床数が多い都道府県ほど一人当たりの医療費もかかってくる。病床数が増えるだけ入院患者が増える。(p124)問題は健康保険にあるのではなく、市場の失敗(市場メカニズムが働か図、最適な状態にならない)が発生しているにもかかわらず���市場原理によって病院が淘汰されると思っている私たちの意識である(p145)
・全体の1割りしかない公立病院の病床は、数多くの不採算部門(小児科、産科、救急医療、僻地医療など)を担ってくれている。病床の少ない長野県民の健康寿命・平均寿命は日本のトップクラスである(p154)病床の多くは、慢性疾患の患者で占められている(p157)
・人間の四苦と言われる「生老病死」の中で、病院や医療で解決できるのは、「生」や「病」の部分のみ(p159)
・2007年夕張市が財政破綻し市内に一つしかなかった総合病院が閉院となり、19床の有床診療所と老健(介護老人保健施設)に縮小された、ベット数20以上を病院という。(p172)その結果、死亡率は変わらなかった。しかし心疾患、肺炎の死亡率は下がった、がんは女性のみ上昇、これらを考慮すると、老衰の死亡率が上がったことになる(p177)病院閉鎖の2007年が2%程度、2012年には14%となった(p180)
2021年1月1日作成
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コロナ禍をきっかけに、日本の医療の構造的な問題について考えるきっかけとなりました。
一人当たり病床数が世界一で、コロナ陽性患者数が欧米と比べると少ない日本において、投医療崩壊が危惧されるのか、正解はないですが、自分の考えを深めることができました。
日本の医療の構造的な問題については、これからも勉強を続けて深掘りしていきたいと思います。
本書の最大のメッセージは、『常に起点にすべきは患者本人の思い』という文に集約されているとかんじました。
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プライマリーケアを中核とした医療組織の構築をぜひ進めていただきたい。
儲けだけを考えて、患者を薬漬けにする現在医療に
厚生省も懸念をもっていることに少し安心した。
医療関係者、政治家にもぜひ読んでいただきたい。
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自分の健康や死を安易に病院任せにするのではなく自分で責任を持って向き合わないとならないなと思った。それが自分自身の幸せにもつながるし、日本のためにもなると思った。
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日本では欧米に比べて新型コロナウイルス感染者が1桁は少なく、かつ病床数は世界一なのに、なんで医療体制が逼迫するんだろうか。何か日本の医療には問題があるのではないか。という誰しもに生じているだろう素朴な疑問に答えてくれる一冊です。著者は経済学を学んだ後に医師になったとのことで、本書ではデータに基づいたマクロな視点から見る日本の医療の問題点と、北海道・夕張での自身の勤務体験から考えるあるべき医療について語ってくれています。
医療というものは本来、病気や怪我の”治療”だけではなく、人びとの健康で幸せな生活を実現するという意味では公的な存在であるはずで、警察や消防署、教育機関などと同等なものとの考えても良いという視点は新鮮だった。
日本では民間病院が多く、公的病院でさえも経営の観点で議論されることが多いけど、そもそも、日本のような皆保険が実現していて安く医療サービスを受けられると、その需要はいくらでも増やせるし、医療機関も患者を意図的に増やすこともできるので、市場原理による最適化はできない、というのも納得。
執筆は昨年8月で年末年始の第3波は体験していないわけだが、本書執筆時時以降も日本を含む東アジアにおける新型コロナ感染と死者数が少ないことには変わりはない。2020年の超過死亡者数がそれ以前よりも減っている日本において、ウイルスと戦い撲滅して勝利するのだ、ということの無意味さを納得し、人間に幸福にとって大切な社会に正常化させて行く必要がありそうです。命を守るのは大事ですが、人間は100%死ぬということも理解しなくてはならない。どのように死ぬかは、生きることの一部である。
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コロナについての考え方が変わる本。
なぜ欧米と東アジアではこんなにコロナによる死亡者が違うのか。東アジアの死亡率は欧米の100分の1
仮説①BCGを実施している
仮説②欧米では既存のコロナウィルスの流行があまりなかったのに、東アジアではそれがあった。だから東アジアの国民にはすでに集団免疫的なものができあがっていた。
コロナとどう向き合うかについて深く考えさせられた。
この著者への反対意見も当然あると思うので、
そちらも読んで考えていきたい。
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日本の医療の不都合な真実 コロナ禍で見えた「世界最高レベルの医療」の裏側。森田 洋之先生の著書。世界最高レベルの医療がある日本なのにそれが日本に住む人たちの幸せにはつながっていないとしたら、世界最高レベルの医療なんて何の意味もないし、単なる自己満足。自己満足で世界最高レベルの医療を実現しているとしたら、いったい誰のための世界最高レベルの医療なのでしょう。お金儲けしか頭にないような強欲な一部の医療関係者やお役人のためにしかなっていなのだったら、そんなの早くなくしてほしい。
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長年医療に対して思っていたモヤモヤについて医師の立場から言及し、日本の医療制度の不具合を指摘されている。高齢者の病院通いや医療への低い満足度、風邪で医者にかかるかなど、なぜこんな状態?と疑問に思っていたことばかり。2020年前半のコロナ初期の各国の対応も絡めて述べておられ、興味深かった。
超高齢社会の日本でこそ、プライマリ・ケアをもっと進めてほしい。総合医療を担う地域のかかりつけ医がいるなんてとても魅力的。夕張市の事例も面白く、自然と海堂尊の極北シリーズを思い出した。世良さんは著者だったのかな。
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2020.9.30発行
今ならコロナについてどう書かれるんだろう。
前半がコロナ、日本と世界の医療について
後半は財政破綻前後の夕張での医療について
夕張での話が興味深かった。
イギリスはほぼ無料で医療を受けられて、
日本は有料なのに
毎日のように通院して湿布をもらう人達が居るってことは
年寄りのあり方に問題ありってだけなのかも。
夕張では自宅に帰りたい人が多かったけれど、本人や家族が入院させといて、とか、全部やってくださいって人ばかりだったら医療費は上がる一方だと思う。
イギリスはみんなで大事に使うからって理由だった。
イギリスでは移民や外国人の医療費はどうなっているんだろう。
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病床数が多いから、医療費が上がる、言われてみれば当然のことだなと思った。
福祉の現場でも確かに過剰だと思う。いつか人は死ぬ、そんなことがみんなが当たり前だと思わないと福祉の現場はきびしい。もしもとか、どうだったかとか、細かなことを蒸し返したら100%絶対はない。だけれども説明責任を果たすことは大事。だから、私たちは学び続けなければならないと思う。