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大学、教養過程クラスのテキストと言っても過言でなく、それ以上かも。
集中して読み下すことが出来ず、日に数回、手に取り少しずつ進んでいく。やはり、関心があるのは数え切れないほどの分割、国境改定紛争・・それに関わっていなかったであろうポーランド自体、国民の存在。
中でもユダヤ人との線引きは興味深かった。
ナチス収容所での割合は圧倒的にユダヤ人が多いという事実は驚かされる。
次に最後の方で述べられている教会の在り様。
カソリック、ギリシャ正教、土着宗教などの混在と国家体制、社会との関係性。
付け加えて木造教会が多い世界遺産の、しかもかなり保存状態が良いという説明は嬉しかった。
全体を通じて言えることはポーランドという国の融合分離・・・中世期はローマ、トルコの襲来を受け、近世は仏・オーストリア・ルクセンブルグ・独・露との配下に置かれたり・・現代に至り ウクライナは無論、バルト三国、ジョージア、ベラルーシ等との余りにも流動的な関係。日本と180度異なって当然であろう国の、国民としてのアイデンティティであって当然かも。
面白かったのは国民が非常に歴史に鋭い関心を持っており 国民記憶院と言う国家機関があると言う事。
ウクライナ紛争と最も濃密に関わるポーランド‥真に、クォ・ヴァディス!